グアテマラ大統領選2023:6月25日に向けた選挙キャンペーン

(Photo:@SandraTorresGUA/ Twitter

最高選挙裁判所(Tribunal Supremo Electoral:TSE)は、政治キャンペーンの終了を告げるとともに25日の投票開始36時間前から施行されている禁止事項に関する規則を遵守するよう呼びかけた。

選挙・政党法(Ley Electoral y de Partidos Políticos:LEPP)第196条で規定されている禁止事項とは選挙運動や選挙キャンペーンの禁止、投票に関する世論調査データの流布禁止、そして「2023年総選挙の呼びかけ」では6月24日(土)正午から26日(月)午前6時までを酒類、アルコール飲料、発酵飲料の販売や配布、公共の場での飲用は禁止している。

グアテマラ選挙監視団(Misión de Observación Electoral de Guatemala:MOE-Gt)は、2023年の選挙プロセスが不正にまみれており、司法化が進んでいるため、その完全性と正当性が弱まっており、このイベントの調整を担当する当局の正当性も弱まっていると分析している。EOM-Gtが発表した第5次報告書では、選挙プロセスの完全性や、排除された候補者たちによる不正のシナリオに対する国民の信頼が低いことを指摘している。また選挙公示に先立ち、約280万人のグアテマラ人が選挙人名簿から漏れており、このうち10人中9人が18歳から25歳の若者であることから、選挙管理機関は有権者登録プロセスにおける明らかな弱点を批判している。彼らはグアテマラがニカラグアやベネズエラと似たような状態になるのではないかと危惧している。EOM-Gtは、総選挙の呼びかけの10日前または10日後に10以上の規制変更が公表されたため、選挙・政党機関の活動が明確かつ正確なルールに従えなかったと詳述している。つまり十数人の候補者の登録と取り消しは差別的、裁量的、一貫性のない基準が適用された結果で、候補者の適性と被選挙権の自由な行使を確保するための法的・政治的分析が欠如していた。EOM-GtはTSEにおけるITディレクターの不在と、透明性確保のための予備選挙結果送信(TREP)システムのソフトウェア取得の遅れも指摘している

このようなことから当局に関するメディアの報道は主に否定的なものとなり、当局の独立性と選挙プロセスの透明性を疑問視することに焦点が当てられた。これらのことにより、投票率は下がるのではないかとされている。これについては世論調査でも明らかになっている。

 

調査によるとサンドラ・トレス(Sandra Torres)、エドモンド・ミュレ(Edmond Mulet)、スリ・リオス(Zury Río)が人気が高い。

 

決選投票へと駒を進めた場合はサンドラ・トレス(Sandra Torres)候補に軍配が上がるとの予想も出ている。トレス候補の29%に対し、ミュレ候補が39%の支持を得ると言う調査結果による。なおその他32%は投票を取りやめるか、誰に投票するかわからないと回答している。

 

La Hora、Consultoría Interdisciplinaria en DesarrolloやC&E Researchの調査でもトレスは人気が高かった。

社会民主党のサンドラ・トレス候補は金曜日、首都で行われた選挙集会の締めくくりにあたり「グアテマラは母親政府を持つことになる。私はあなた方の面倒を見、あなた方を守る」と人気市場ラ・ターミナルで2000人の支持者を前に宣言した。「女性は優れた経営者であることを忘れないでほしい。私たちは家庭でやりくりするためにお金を獲得するが、私は政府でやりくりするためにお金を獲得する」そして「仕事もなく、子どもが病気になったときに薬を買うお金もないときに、子どもたちの世話をし、岩の下敷きになるような母親、それが私たちがグアテマラの問題を解決し、導いていく方法なのだ」とと故アルバロ・コロム(Álvaro Colom)元大統領(2008-2012)の元妻は語った。

トレスは、コロンの任期終了後、「グアテマラには3人の男性大統領がいたが、彼らは成果を出せず国民を失望させた」と述べ、2012-2016年に大統領を務めた右派指導者オット・ペレス(Otto Pérez)、2016-2020年のジミ・モラレス(Jimmy Morales)、そして2024年1月に任期が終了するアレハンドロ・ジャマッテイ(Alejandro Giammattei)を挙げた。Prensa Libreの最新の世論調査によると、76%の国民がジャマッテイを支持していない。

「正義は来る。そして今度の日曜日、グアテマラの人々は、貧しい人々の資源を奪ったすべての泥棒と腐敗した人々に法案を通すつもりだ」とトレスは支持者に語るとともに「たとえ涙と血を流そうとも、私はグアテマラを変える」と有権者に約束した。

暴力、汚職、貧困に悩まされるこの中米の国は、女性が統治したことがない。

 

今回選挙に関するその他の記事はこちらから。

参考資料:

1. A horas de las elecciones, MOE-Gt señala aspectos que han debilitado el proceso electoral
2. #LH25deJunio: inicia tercera fase del proceso electoral, dice TSE
3. “Guatemala va a tener mamá gobierno”, dice la candidata presidencial Sandra Torres
4. Sandra Torres, el comodín del pacto oficial

 

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