エクアドル:人口センサスの結果は8月から11月に開示予定

2022年に行われていた人口調査の結果は5月に報告される予定だった。しかしの収集が遅延したことから玉突きに発表も遅れることになった。

世界基準では、人口調査が10年以内であれば有用であるとされているセンサスがエクアドルで前回実施されたのは2010年である。2020年に実施される予定だった調査はCOVID-19パンデミックのため実施自体も遅れた。2010年に1,450万人の住民を抱えていたこの国の今年の人口は1,800万人に達したと推定されている。

2022年11月7日から12月18日の間に行われたセンサスは今回初めてデジタルでも実施された。9月に公開されたオンラインフォームを通じ回答した市民は後日国勢調査実施証明書を家で受け取った。インターネットに接続されていない場合は、従来通りの方法で手続きを行われた。2023年4月5日、INECは人口調査の検証と品質管理の段階を終え、技術的・透明性のある演習を保証するために国際機関の支援の下、情報処理の段階を開始することを発表していた。

https://twitter.com/CensoEC/status/1646904228701413377

 

国立統計および人口調査研究所(Instituto Ecuatoriano de Estadística y Censos:INEC)はセンサス発表の遅延に際して以下の通り市民に報告している「2022年の最終四半期に発生した治安事件と、それを打ち消すために政府が採用した措置を考慮して、国内のいくつかの県で調査員の大規模な脱落が発生し、人口および住宅の第8回国勢調査および第7回住宅調査が予定された計画の実行を制限した」。INECは遅れを取り戻すべく2023年1月から3月までカバレッジおよび品質管理プロセスをアクティブ化し、住宅および人々の適切な登録の確認を続けた。現在、国勢調査の結果の生成、処理、および統合フェーズを実行している。

国勢調査情報の開示は以下のとおり行われる予定だ。
2023年8月:私たちが何人いるか、どこにいるか、どのように暮らしているかという基本的な情報を含む最初の結果の提供
2023年11月:また、国家的な関心事について専門的に分析したデータベースと解放についての2回目の結果を提供する

 

キトの市長であるパベル・ムニョス(Pabel Muñoz)は、国勢調査の結果がまだ出ていないことに疑問を呈している。「国勢調査が失敗すれば、私たちは正確な情報を収集する重要な課題に直面することになる。 (国勢調査のデータがない場合、公共政策を行うことができないし) …大きな疑問は、私たちが確実な情報を入手できたかということだ」。「過去十年以上前の統計を使用することは責任を持たない」ことを意味する。

国勢調査のプロセスは、市民からも批判を受けている。批判とは調査員が予定された日に到着しなかったなどだ。調査員が訪問した家に誰もいなかった場合には、プロトコルで要求されたように、名前と携帯電話番号を残していないまま去ったということもあったという。エクアドルでは、1950年以来、合計8回の国勢調査が実施されてきた。性的指向については調査員から質問がなかったというものもいたが、今回初めてLGBTIQ +に関する質問も盛り込まれた。これは2017年国連がLGBTIQ+人口の計測を行うべきと勧告したことによる。これらの情報もまた公共政策決定には重要な指標となる。今回初めて問われるのは性自認に関する事項のみではない。環境保護活動やペットの飼育に関する質問もある。これらは「世帯構成に関連する重要な情報だ」とINECの副局長ホルヘ・ガルシア(Jorge García)は言う。

なお国勢調査と同様に、子どもの慢性的な栄養失調を減らす計画のカギを握ることになる慢性栄養不良の調査データも発表されていない。この指標はラッソにとっても重要だ。なぜなら自身の公約に「わが国の子どもの3分の1近くが影響を受けるこの社会問題を6ポイント減らすこと」掲げていたことによる。2018年以降、エクアドルでは慢性的な子どもの栄養失調に関するデータもまた収集されていない。

 

上述の通り今回の調査はデジタル化され行われる。それはオンラインフォームの準備のみならず電子タブレットを通じ収集される。調査員にタブレットを持たせるのは「データの質を向上させ、人的ミスを減らすことが目的」とガルシアは述べる。なお調査員に対しては仕事量に依存した「正当な報酬」を与えることを彼は語っていた。なお2022年の国勢調査には5700万ドルの費用がかかると見積もられていた。

残念ながら国勢調査におけるリスクもある。INECによると、18,000調査員のうち、4%が強盗、窃盗、交通事故、脅迫の影響を受けた。2010年の国勢調査では、60万人の中高生が国勢調査員として参加していた。

 

参考資料:

1. Resultados del censo poblacional se entregarán desde agosto hasta noviembre de 2023
2. Censo 2022 tendrá preguntas sobre orientación e identidad sexual

No Comments

Leave a Comment

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください