エクアドル国会解散:CONAIE代表レオニダス・イサの決断

(Photo:@LeonidasIzaSal1/ Twitter)

エクアドル連住民連盟(Confederación de Nacionalidades Indígenas del Ecuador:CONAIE)のレオニダス・イサ(Leonidas Iza)は8月20日実施する大統領選挙への出馬を受け入れた。これはCONAIEの政治部門とされているパチャクチック運動(el movimiento de Unidad Plurinacional Pachakutik)からの推薦と説得を受けてのことだ。

 

Pachakutikのコーディネーターであるチ(Marlon Santi)がレオニダス・イサに大統領候補者として受け入れるよう書簡を送った。その中では2023年の区画選挙でパチャクチックがエクアドルの第二の政治勢力として批准され「先住民の草の根」候補と参加できる「強固な基盤」を持っていることが語られている。また、CONAIEが主導する社会闘争が「2019年10月や2022年6月の蜂起といった日々の中で、新自由主義・権威主義のアジェンダを封じ込めてきた」と考えており、さらにイサにはパチャクチック運動が対峙しねばならない「政治と選挙」そして「政治-社会」をハンドルする力があるとしている。サンチは手紙の中で「同志レオニダス・イサ、この二重の反応の可能性がある。そしてあなたは社会動員出身であり、また、民衆の利益を守る確固たる立場を運動内と社会からともに認められる存在であり、それゆえ共和国大統領選で私たちの代表となることができる」と述べている。サンチからの提案は当初イサによって拒否されていた。というのも新コーディネーターのための選挙で、イサに近いギジェルモ・チュルチュンビの当選に対する摩擦があったことによる。

イサは上述の通りパチャクチック運動からの推薦で大統領候補としての立候補を決めたが、パチャクチックに対しては大統領候補者となることを受け入れる一方、条件を提示している。その条件の一つにマーロン・サンチがパチャクチック全国コーディネーター役から身を引き、ギジェルモ・チュルチュンビ(Guillermo Churuchumbi)がそのポストにつくことを認めること、そして全国選挙評議会(Consejo Nacional Electoral:CNE)と選挙紛争審判所(Tribunal Contencioso Electoral:TCE)によるチュルチュンビの任命承認要求がある。背景にチュルチュンビがパチャクティックの第10回全国大会で新コーディネーターに選出されたものの、内部選挙過程での不正の疑いがあるとして、投票に異議をとなえられたことによる。

またその他の条件には運動を裏切った元議会議員、たとえばリカルド・バネガス(Ricardo Vanegas)、ソフィア・サンチェス(Sofía Sánchez)、グアダルペ・ロリ(Guadalupe Llori)、ラファエル・ルセロ(Rafael Lucero)を政治組織から決定的に切り離すこと、そして広範な左翼プロジェクトの構築をすることをあげている。前述の議員たちはラッソ罷免裁判において、反対票を投じた。

 

2021年6月Conaieの第7回大会において新代表に選出されている(任期は2021年から2024年まで)レオニダス・イサは、2019年10月に当時のCONAIE代表ハイメ・バルガス(Jaime Vargas)とともに起こした全国規模のデモのリーダーとして有名だ。デモを通じ彼は国家レベルでより悪名高い存在となり、社会を混乱させたという破壊行為やテロを扇動した疑いで糾弾された。しかしその一方、市民参加・社会統制協議会(CPCCS)は、コトパクシ県における「市民参加、人権、社会組織に関する事項でのキャリア」を評価し、イサを表彰している。2019年デモの後持ったエクアドル政府と対話では「政府の皆さん、先住民運動を過小評価するべきではない」と述べ、抗議者たちに対する公権力の弾圧や暴力を批判してきた。インフレやラッソの経済政策に対する抗議を目的に主導した2022年6月の全国ストライキは18日間国の機能を停止させるとともに、抗議者6名と軍人1名がなくなっている。

キトのCasa de la Cultura Ecuatorianaで行われた会議でイサは「生産不足と農民に起こっていることという現実の問題を焦点に」選挙戦を戦うとともに、特定の経済部門にのみ利益を与え、優遇するような公共政策をとることはできない」と語った。そしてイデオロギー議論ではなく、現実の問題、我々の国が抱える問題を解決するために行動を起こす必要があると指摘している。

イサは2020年にも大統領選挙の候補者とし名前が上がった、しかしCONAIEの政治部門であるパチャクチック多民族統一運動は最終的にヤク・ペレス(Yaku Perez)を選んでいる。今回ペレスは別政党の支持のもと出馬することになることもあり、パチャクチックはイサへの全面的な支持を表明している。キチュア出身者同士への票が割れないか、ということが気にかかる。

イサはCONAIEという各々キャラクターや想いの異なる先住民団体の代表を複数回勤めるなど若いながらに実績はある。彼の家族もまた社会運動、政治に深く関わってきた。

大統領候補の正式な宣言は、ギジェルモ・チュルチュンビがパチャクティックのコーディネーターに任命された後、コトパクシで行われる予定だ。ここがイサの出身地であるからだ。

 

今回のMuerte cruzadaに関する別記事はこちらから。

参考資料:

1. Marlon Santi propone a Leonidas Iza como candidato presidencial
2. Leonidas Iza, líder del movimiento indígena de Ecuador, acepta ser candidato presidencial

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