コロンビア:飛行機墜落から17日、先住民の子どもたちは生きている

(Photo: Aerocivil)

飛行機の墜落後、消息不明となっていた4人の子供が18日生きている形跡が見つかった。生きている痕跡があると見られているのは13歳のレスリ・ムクトゥイ(Lesly Mucutuy)、9歳のソレイニ・ムクトゥイ(Soleiny Mucutuy)、4歳のティアン・ノリエル・ロノケ・ムクトゥイ(Tien Noriel Ronoque Mucutuy)、そして生後11ヶ月のクリスティン・ネリマン・ラノケ・ムクトゥイ(Cristin Neriman Ranoque Mucutuy)の先住民4人だ。1日に墜落してから17日経ち、かつ、子どもたちのみで生きのびるなど奇跡に等しい。

コロンビア大統領のグスタボ・ペトロ(Gustavo petro)もこのニュースを伝え、「我が軍による懸命な捜索活動の結果、グアビアレでの飛行機事故で行方不明になっていた4人の子供たちを生きて発見した。国にとって喜ばしいことだ」と述べている。

 

民間航空局(Aeronáutica Civil:Aerocivil)は、コロンビア空軍(Fuerza Aérea Colombiana:FAC)およびアビアンライン・チャーターズ(Avianline Charter’s)社と連携して、(搭乗者、機体の)捜索と救助活動を行っているとの声明を発表していた。事実雨の多い密集地帯で行方不明になった子供たちの捜索には、100人以上の軍人と捜索・追跡訓練を受けた3匹の救助犬、そしてこの地域の先住民が参加した。捜索と救助の調整のため、統一司令部(Puesto de Mando Unificado:PMU)が設置され、ミラフロレス(Miraflores)市とグアビアレ(Guaviare)市の消防士、国立人命救助センター(Cenrp)、コロンビア赤十字、コロンビアアマゾン先住民全国組織(Organización Nacional de los Pueblos Indígenas de la Amazonía Colombiana:OPIAC)も加わった。「オペレーション・ホープ」として知られる4人の迷子探しに空軍は3機のUH-1HヘリコプターとAC47「ファントム」機を提供した。そのうちの1機には、子どもたちの祖母が(Huitoto)語で録音したメッセージを「約1,500メートルの範囲をカバーできる」大音量スピーカーが搭載されており、自分たちが捜索されていること、ジャングルを進み続けないよう求めるメッセージを上空から放送した。このように軍は空と陸から捜索を支援し、先住民警備隊は森での捜索を行った。

墜落したのはフレディ・ゴンザロ・ラディーノ・ベルナル(Fredy Gonzalo Ladino Bernal)が所有し、アビアン・ラインによって運航されているセスナ(Centro Nacional de Recuperación de Personas:Cessna)206軽飛行機(登録番号HK 2803)だ。最新証明書飛行可能あること保証する書類)は2022年6月に取得されている。

 

コロンビア民間航空局は5月1日(月)午前7時34分に同機からエンジン故障のため緊急事態となっているという報告を受けた。カケタ県とアマゾナス(Amazonas)県の境に位置する辺境の町アララクアラ(Araracuara)とグアビアレ(Guaviare)県の県都サン・ホセ・デル・グアビアレ(San José del Guaviare)間を飛行中、アパポリス(Apaporis)川上空でレーダーから姿を消した。それ以来、当局は航空機と乗員7名(大人2名、未成年4名、パイロット)の所在が分からなくなっていた。

行方不明の飛行機は大人3人の遺体とともに2日(火)にソラノ自治体に属するパルマ・ロサ集落の農村地帯で発見された。見つかったのは子どもたちの母親であるマグダレナ・ムクトゥイ・ヴァレンシア(Magdalena Mucutui Valencia)、先住民族のリーダーであるエルマン・メンドサ・エルナンデス(Herman Mendoza Hernández)、飛行機のパイロットであるエルナンド・ムルシア・モラレス(Hernando Murcia Morares)だった。なお飛行機は逆さまの状態で発見され、乗組員が巨大な根を持つ木に不時着しようとした可能性を示している。

 

痕跡が見つかってはいるものの、子どもたちとは出会えていない。ペトロも子供たちの所在、迷子になったまま何キロ移動したのかなど、詳しくは説明していない。また、当局も先住民一家が何らかの理由で土地から移動していたのか、また、子どもたちの発見や健康状態について詳細を明らかにしていない。この地域は道路が少なく、川でのアクセスも困難なため、飛行機での移動が一般的である。コロンビア先住民機構(Organización Nacional Indígena de Colombia:ONIC)によると、フイトト族はアマゾンの過酷な環境と「調和」して生活し、狩猟、漁業、野生の果物の採取といった伝統を守っている。

多くの人員を動員しての捜査は実に17日に及ぶ。兵士たちは「棒と枝でできた仮設の避難所」を発見、少なくとも1人は生存者がいるのではないかと考え捜査を続けたという。彼らによると残されたハサミ、髪留め、靴、服、ジャングルの枝の間に置かれたボトルなども操作の手がかりになった。また「かじったジャングルの果実」も発見されていた。しかし発見前数時間においてコロンビア軍は、子どもたちが残した残骸を見つけられている一方で子どもたちと直接連絡が取れていないこと、さらに悪天候も相まって救出が困難であると発言をするようになっていた。その一方での更なる痕跡発見連絡は捜索を諦めなかった結果とも言える。早めに救出され健康チェックなど行われることを願わずにはいられない。

#Operación Esperanza

 

参考資料:

1. Las autoridades encuentran la avioneta desaparecida en el sur de Colombia y los cuerpos de tres adultos
2. Una avioneta desaparece con siete ocupantes sobre el río Apaporis, en el sur de Colombia
3. El presidente de Colombia anuncia el hallazgo con vida de 4 niños desaparecidos en la selva hace 17 días, pero el Ejército no lo confirma
4. Líder indígena, pasajero en avión desaparecido en Colombia

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