ペルー危機2023:ディナ・ボルアルテは検察庁へ出頭する

(Photo by Stefano Mura/Flickr)

大統領のディナ・ボルアルテ(Dina Boluarte)は抗議行動に対する「大量虐殺、加重殺人、重傷」の容疑で3月7日(火)検察庁に出頭する。これは2022年12月と2023年1月アプリーマック(Apurímac)、ラ・リベルタ(La Libertad)、プノ(Puno)、フニン(Junín)、アレキパ(Arequipa)、アヤクチョ(Ayacucho)で行われた反政府デモに対する過剰なまでの政府対応を追求するものである。パトリシア・ベナビデス(Patricia Benavides)が1月10日に命じられた調査には、アルベルト・オタロラ(Alberto Otárola)内閣官房長官、ビクトル・ロハス(Víctor Rojas)前内務大臣、ホルヘ・チャベス(Jorge Chávez)国防大臣、ペドロ・アングロ(Pedro Angulo)前参謀長も含まれる。ボルアルテは「所轄官庁(この場合は検察庁)の決定には百パーセント従う」と述べておりリマ市内の検察庁に出頭している。

大統領府によると、1月30日に予定されていた最初の召喚状で、ボルアルテは検察庁に対して「仮想的(大統領府等からのリモート聴取)に供述することに全面的に同意する」と表明した。2月23日に出された2回目の召喚状では、検察庁への「大統領の出席がもたらすセキュリティ上のリスクと社会的不安」のため、「大統領の弁護人は、仮想的に行うことを要求」していた。大統領府によるとこの要望は受け入れられることはなく、また、検察庁から返信もなかった。

この意味で、ホセ・テロ(José Tello)法務大臣は、「ペドロ・カスティージョ前大統領の政権の後遺症」として、大統領の「姿に対する敬意」が失われていることを強調した。また、「制度に対する敬意を取り戻し、共和国大統領職が体現する敬意を取り戻さなければならない。少し前まで、わが国では何の問題もなく、現在のような世論を巻き起こすことなく適用されていた形式を維持することが必要だ」とつづけた。

 

同政権は引き続き弾圧を続けている。例えば教育大臣のオスカル・ベセラ(Óscar Becerra)はストライキを起こした教師への支払いの無効を警告し、また、翌日には教師の解雇を提案している。彼はストライキの権利を行使した教員を「3日目に解雇し、本物の教員と交代させる」と全国教育労働者連盟(Federación Nacional de Trabajadores en la Educación:Fenatep)の教師たちを脅している。彼によるとそれら組合は「少数派」の「トラブルメーカーであり、鞭打ち少年」だ。ペルー教育労働者連合(Sindicato Unitario de Trabajadores en la Educación en el Perú:Sutep)もまた政府に対し異議を申し立てている。同組合のルシオ・カストロ(Lucio Castro)書記長は最近の声明で、「プノとアプリーマックの教師」を「脅迫」し「闘争の手段を強制」しようとする政府を「暴力的」だと評した。

https://twitter.com/WaykaPeru/status/1632819397227171843

 

ペドロ・カスティージョ(Pedro Castillo)が大統領を去った12月7日以降、デモ隊はボルアルテの辞任、議会の閉鎖、2023年の早期選挙を要求している。治安部隊との衝突では60人以上の死者が出ており、プノは最も犠牲者が多い地域となっている。

プノにおいては3月5日においてもトラブルが続いており、警察署が放火されている。

「ペルー危機2023」その他の記事はこちらから。

 

 

参考資料:

1. Dina Boluarte se presenta ante la Fiscalía este martes para declarar por muertes en protestas
2. Fiscal de la Nación cita a Dina Boluarte a declarar sobre muertes en protestas para el martes 7 de marzo
3. Ministro Becerra amenaza a maestros que organicen huelga: “Al tercer día serán despedidos“

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