ブラジル:米国滞在中のボルソナロ、ブラジル帰国について述べる

ブラジルのジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領は米国フロリダから、「今後数週間のうちに」ブラジルに戻ると発表した。昨年の大統領選挙でルーラ・ダ・シルバ(Luiz Inácio Lula da Silva)に敗れた極右指導者は、大統領の任期を全うすることなく米国に渡った。12月下旬から滞在しているフロリダ州南部のボカラトン(Boca Raton)で、11日土曜日の夜、キリスト教福音派の教会に集まったブラジル人支持者との会合で、「私もブラジルに戻りたい、今後数週間のうちに戻るつもりだ」と述べた。

ブラジル帰国後逮捕されるかもしれないという懸念があるにもかかわらず、祖国に戻るおは「ブラジル国民の大多数は我々と共にある」からだ。同イベントを主催した福音主義教会の牧師マーク・ボイキン(Mark Boykin)は、ボルソナロを「新しく選ばれた」ブラジル大統領と紹介し、米国とブラジルがいつの日か「選挙があるときに数えることを学べる」ように祈った。1月8日にボルソナロ支持者が選挙結果に不満を示し、ブラジリアの三権分立本部を襲撃したのは民主主義をこのように平気で冒涜する人間が多く存在していることによる。

ボルソナロは自らが先導した暴動に言及することなく、支持者たちに「国が直面していると思われる問題を克服するために、リスクを負っても戻る必要がある」と語った。検察庁の要請を受け、ブラジル最高裁は1月14日、前大統領をクーデター未遂の捜査対象者リストに加えている。ボルソナロは、後任のルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバが就任する2日前の12月30日から米国に滞在し、1月に申請した「ビザ変更」による長期滞在を現在待っている。

ボルソナロによるブラジル帰国宣言は、米国にあるアッセンブリー・オブ・ゴッド(Assembleia de Deus)の「Church All The Nations」教会で行われたブラジル人たちとの会合でなされた。ここでは先住民との土地問題についても言及している。元大統領はヤノマミの土地の40%がブラジルに、60%がベネズエラにあると述べた。しかし先住民のほとんどが外国人になるという考えは、1月に難民国家委員会の会長から否定されている。

1月にもボルソナロはテレグラムチャンネルで、ヤノマミ族の状況は「左翼の茶番」であり、フェイクニュースだと述べている。自分が政権をとっていた過去2年間に、先住民族の領土で20以上の特殊な保健活動が実施されたと発言している。 

 

しかし彼の政権が先住民を人道的危機に追いやったことは周知の事実だ。なお現在ヤノマミが、深刻な栄養失調とマラリアに悩まされていることもあり1月20日、保健省は同領域に公衆衛生上の緊急事態を宣言している。

今年に入り保健省はヤノマミ族のテリトリーの医師は7割が空ポストであることも発表している。また連邦会計検査院(Tribunal de Contas da União:TCU)と会計検査院(Controladoria-Geral da União:CGU)は、ヤノマミ族の危機の原因を調査するために共同監査を実施している。議員たちは、この事件を調査するための国会調査委員会(Comissão Parlamentar de Inquérito:CPI)を開きたいと考えている。

また、ルーラ大統領は1月21日にさっそくヤノマミの土地を訪問し、先住民が「非人道的」な扱いを受けていることを述べている。FABは、先住民の村々に物資を送るため、毎日貨物の打ち上げ(いわゆる航空補給)を行っている。1月23日、国軍のSUS(Força Nacional do Sistema Único de Saúde)医師と看護師が先住民のケアの強化を開始している。2月3日にも、SUS部隊のボランティアがボアビスタ(Boa Vista)で下船を開始した。2月5日までに、栄養士、薬剤師、ソーシャルワーカー、医師、看護師など、合計40名の専門家が到着している。

「ヤノマミはブラジルの土地に住むブラジル先住民で、公共政策の怠慢による大量虐殺の犠牲になっている。ベネズエラの先住民をヤノマミ族と結びつける試みは、完全にミスリードであり、ベネズエラ先住民の流入を受け入れているが、この人たちの実態はヤノマミ先住民の実態とは全く関係がない」と国際人権弁護士シーラ・デ・カルバリョ(Sheila de Carvalho)は言った。

メディアUOLでカルロス・マデイロ(Carlos Madeiro)が明らかにした文書によると飢え死にするヤノマミ族にボルソナロ政権は組織的に食糧の提供を拒否していた。2月12日に発表された情報によると、その土地の開発を促進するプロジェクトの実施を強化し、鉱夫のためにその地域を「浄化」にすることが目的だ。つまり、もし前大統領はヤノマミ族を絶滅させるために食料を与えず、土地への侵略者に病気を運ぶことを許してきた。UOLは矢野真美の状況を2021年6月から2022年3月にボルソナロが大統領を務めていた際の法務省と市民権省に送ったが、先住民の救済に対する回答が得られることはなく、ポータルサイトSumaúmaの調査によると、過去4年間に5歳以下の子供が570人、今年も100人が殺害された。ボルソナロはヤノマミの土地を「金の産地、計り知れない富」と述べ、その資源をヤノマミを殺すことで奪ってきた。ボルソナロはこの土地に侵入し進めるプロジェクトにおいても何の説明をすることなく、「最後までやり遂げることはできなかったが、種は蒔かれた」と宣言していた。

2022実施の大統領選挙についてはこちらから。

 

参考資料:

1. Why Lula Accused Bolsonaro of ‘Genocide’ Against Brazil’s Yanomami People
2. Reeleição de Bolsonaro teria colocado povo yanomami no caminho da extinção
3. Bolsonaro anunció desde Florida que regresará a Brasil “en las próximas semanas”
4. ‘Intenção não é atender a esses’, diz Bolsonaro sobre yanomamis

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