ラテンアメリカのメディアに定期的登場するオピニオンリーダーや著名なジャーナリストを対象にした各国大統領支持や政治経済等現状に関する調査結果が出た。12カ国(アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、ドミニカ共和国、エクアドル、グアテマラ、メキシコ、パナマ、ペルー、プエルトリコ)のオピニオンリーダー297名が回答対象として選別された。
大東呂支持率に関していえばウルグアイ大統領ルイス・アルベルト・ラカジェ・ポウ(Luis Alberto Lacalle Pou)が2020年の調査以来、ラテンアメリカにおいて最も高い支持を得ている(74%)。逆にベネズエラ大統領ニコラス・マドゥーロ(Nicolás Maduro)が支持率5%と最低だ。ペルー大統領であるカスティージョ(Pedro Castillo)は調査対象12カ国中下から4番目だった。支持者は15%、不支持者74%で、ポウの支持、不支持率とまるで対象である。
https://twitter.com/ipsosperu/status/1558848292041244673
本調査は7月14日から8月8日に行われた。つまり8月7日よりコロンビア大統領に着任したグスタボ・ペトロ(Gustavo Francisco Petro Urrego)は同列で比較されていない。その点でいうと、前任イヴァン・ドゥケ(Iván Duque)に関する調査がなされており、彼の支持率は最終40%で着地した(INDEPAZに関するドゥケの評価はこちらから)。
なお本調査ではペトロの評価はポジティブなものがちょうど全体の半分で、嫌い・なんとなく嫌というものが44%だった。
コロンビア大統領選についで、今年大きな争点となるブラジル大統領選挙に関しては元大統領のルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ(Luiz Inácio Lula da Silva)が勝利するだろうとの大方の予想だ。
ブラジル大統領選挙については、さまざまな情報が飛び交っており、ルラが圧倒的なる差で勝利するというものから、両候補者の支持率が急速に狭まっているというものまでさまざまだ。なお同国における選挙は貧困層の支持をいかに得られるかが重要なポイントとなる。ボルソナロは先住民族やその土地に対する権利を奪うような発言を繰り返している。それでもロイターが報じたデータフォルハによる世論調査(7月27、28日実施)では、月収2424レアル(467ドル)未満の低所得層でからボルソナロへの支持率が3パーセントポイント上昇の23%となっている。ルラの54%と比べ圧倒的な差はあるものの、僅かに縮まったと言える。これは昨今のボルソナロの選挙戦略の結果と言える。彼は社会福祉金の増額や燃料費削減のための働きかけなどを繰り出している。
ラテンアメリカのオピニオンリーダーにとって、この地域の主な課題は、経済成長と雇用創出(64%)、インフレ抑制と経済安定化(56%)だ。大統領選挙で上記を意識することはもちろん必要だ。ブラジル大統領選挙は10月2日に行われる。
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