コロンビア大統領選2022:ルイス・ペレスが勝てばマリファナ入りの国旗に

コロンビア大統領候補として立候補するルイス・ペレス(Luis Pérez)は3月29日、コロンビア国旗にマリファナの葉を入れることを提案した。

 

ボゴタのエクステルナド(Universidad Externado)大学で行われた討論会での一幕ではあるが、候補者と出席者の間で論争が起こった。中央に大麻の植えられたコロンビア国旗を持ち出した前アンティオキア州知事はこの物質はレクリエーションだけでなく、食品や医薬品など工業的にも、あらゆる面で合法化されるべきであると述べ、また「大麻をすべて合法化し、300万人の雇用を創出することを提案する。コカのあるところに大麻を植え、油、食品、医薬品で年間500億円以上を輸出しよう」と述べた。彼はそのポテンシャルを最大で3億5千万ドルの収入を生み出すことができるものだと述べている。

大学での討論会の途中、他の候補者たちは、国内における麻薬密売をどのように取り締まるべきと考えるかについて言及した。ペレスのように大麻の合法化に賛成する者も何人かいた。事実大統領の有力候補とされている歴史的盟約(Pacto Histórico)の候補者グスタボ・ペトロ(Gustavo Petro)は、この物質がコカ葉経済の代替になると信じていると付け加えた。「大麻の産業化とその輸出を推進すること。そして燻蒸や弾圧ではなく、農民の生産物を農民自身の手と財産で農業産業化できる農地改革によって、コカ葉経済を置き換えること」と述べてもいる。これは農民が土地とその生産物の農工業プロセスを所有するという、彼が提案している農地改革に含まれるものとされる。

イングリッド・ベタンクール(Ingrid Betancourt)は、農民が自分たちの領土から暴力を根絶するために、より多くの資源を提供する機会を与えなければならないと述べた。彼女もまた作物代替に賛成している。「薬物使用を非犯罪化すれば、大麻の薬用使用にも経済効果があることは明らかだ」と付け加えた。緑の酸素(Verde Oxígeno)の候補者は、ただしこの決定はコロンビアだけでは不可能であり、実行するためには地域全体の合意を求める必要があることを明らかにした。

保守である救国運動(Movimiento de Salvación Nacional)のエンリケ・ゴメス(Enrique Gómez)も、具体的な規制の話はしなかったものの「麻薬戦争の終結」に賛成した。「50年後、我々は同じ失敗に陥っている。消費は我が国ではコントロールされておらず、コロンビアやその環境、警察を犠牲にしてきた大消費国は、国を破壊するこの恐ろしい麻薬文化を生み出してきた」と述べた。

右派のコロンビア公正自由(Colombia Justa Libres)のジョン・ミルトン・ロドリゲス(John Milton Rodríguez)は「科学的な裏付けがあれば、この問題は見直されなければならないだろう」と述べ、農民を中心とした農作物の撲滅を提案した。

旗の変更提案を行ったコロンビアは大きく考える運動(Colombia piensa en grande)のルイス・ペレスは、「大麻」というグリーンエコノミーは、この国にとっての大革命となる。世界の大麻市場が3500億円規模であることから、政治家としてはこれを見過ごすことはできないと述べた。また、大麻のグリーンエコノミーで奇跡が起こせたら、共和国議会にこの国の国旗に大麻を入れるよう同意してもらうつもりだ」と付け加えた。彼は自身の提案が好意的に受け入れられたと述べた。

エクステルナド大学が主催した大統領候補者による討論会には5名の候補者が参加した。一方世論調査で投票数が多いだろうとされている3候補者フェデリコ・グティエレス(Federico Gutiérrez)、セルヒオ・ファハルド(Sergio Fajardo)、ロドルフォ・エルナンデス(Rodolfo Hernández)は欠席している。本討論会には4万人以上が会場、Zoomなどを通じて参加した。

エクステルナドの学長エルナンド・パラ・ニエト(Hernando Parra Nieto)は討論会に先立ち「私たちは、創立以来、私たちの組織開発の基本的、道徳的、哲学的価値として説かれてきたアカデミーの中立性から、この空間を提供する。今日、私たちは、多様性、尊重、表現の自由を保証する立場をとり、選挙プロセスの利己的なファシズムから遠く離れ、異なる政治的表現の平和的、客観的、合理的発展を支持する」と挨拶をした。なお討論会は「若者の課題」「薬物政策」「ジェンダー平等」の3つのテーマで展開され、出席した候補者は、薬物の合法化、兵役義務、女性の政治参加、高等教育などの問題を取り上げながら、自らの取り組みを観客と交流し、学界からの質問にも答えた。

 

コロンビアのオンブズマン・ネットワークのパブロ・ブストス(Pablo Bustos)会長は、ジョン・ミルトン・ロドリゲスを候補者ら除外するよう国家市民状況登録局()に要請した。第1回大統領選の立候補者が発表され1日経った日のことである。同団体はジョン・ミルトン上院議員が唯一の大統領候補として選出されたコロンビア公正自由党の大会が、全国選挙管理委員会の大多数の判事によって違法とされたにもかかわらず、未だ全国登録局に登録しているという事実に基づいている。団体は選挙カードからの削除に加え、その副大統領候補であるサンドラ・デ・ラス・ラハス・トーレス(Sandra de las Lajas Torres)へも選挙制度に対する不正の可能性について、それぞれの懲戒処分と刑事捜査を行うよう要請した。3月29日にもこの件に関する公聴会が開かれたが、ロドリゲスは大学主催の大統領討論会に出席していたため欠席した。一方選挙組織の情報筋は、同党の法定代理人が出席したことを確認している。状況が確定するまでの間、ロドリゲスとデ・ラス・ラハスは候補者名簿に乗り続けることが可能だ。

大麻を合法化している国はウルグアイ、カナダ、メキシコだ。

コロンビア大統領選に関する記事はこちらから。

 

参考資料:

1. El candidato Luis Pérez propone colocar la hoja de marihuana en la bandera de Colombia
2. La insólita propuesta de Luis Pérez: declarar la marihuana como hoja nacional e incluirla en bandera nacional
3. Piden excluir del tarjetón electoral a John Milton Rodríguez y a su fórmula vicepresidencial

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