エクアドル:ギジェルモ・ラッソ内閣における役人の相次ぐ辞任

3月29日午後ギジェルモ・ラッソ(Guillermo Lasso)大統領顧問で報道官のカルロス・ヒホン(Carlos Jijón)が自身のTwitterアカウントを通じ職を辞したことを発表した。そこには「私はラッソ大統領が愛国者であると信じているし、貧しい人々のための彼のたゆまぬ努力を目の当たりにしてきた。きっと彼の政権は成功する。エクアドルに神のご加護がありますように」と書き添えてあった。

 

 

弁護士でジャーナリストのカルロス・ヒホンは、2021年10月21日、刑務所の危機(詳細はこちら)に直面していたラッソ政権に参加した。またヒホンの辞任に加え、今週水曜日からアレクサンドラ・ベラ(Alexandra Vela)行政府長もその職を離れるなど、他の変化も予想されている。なおベラの後任は非公式情報によると経済開発委員会(Comisión de Desarrollo Económico)の一員である機会創出運動(Movimiento Creando Oportunidades:CREO)のフランシスコ・ヒメネス(Francisco Jiménez)議員であるとされている。

 

現在ギジェルモ・ラッソの内閣は、国民議会との意見の相違から分裂状態にあり、これらの人物の辞職はこれに起因している。ベラが行った最後の公的活動は、3月29日に議会によって認められた恩赦に対する違憲訴訟の憲法裁判所への提出で、これは2019年10月の抗議に参加したCorreístasと先住民族の指導者に恩恵を与えるものだった。彼女は立法府との軋轢の中、政府省を去ることになった。彼女は今まで議会で代表されるさまざまな政党と対話し、行政の安全保障政策を指示してきた。その一方でいずれの問題でも、政界や市民から「成果がない」と批判されきた。また、癌で亡くなったCREOの創始者セサル・モンへ(César Monge)の後任として2021年7月に同省に就任していた。政治アナリストのメダルド・オレアス(Medardo Oleas)は、ラッソ政権の議会との関係について明らかに「関係の断絶」が起きており、これはラッソ側の「重大な過ち」であると結論付けている。

ラッソ政権が発足してからの10ヶ月間、いわゆるパンドラ文書に対するラッソの監査、税制改革の扱い、市民参加と社会統制評議会(Consejo de Participación Ciudadana y Control Social:CPCCS)のメンバー4人を統制当局の任命で起訴する意図など、両機関は意見の相違があった。大統領は、「国に背を向けた」立法府の閉塞状況を鑑み、政令や規則で統治する一方、投資法(先週否決)や労働改革など、大統領が重要と考える問題を盛り込んだ大衆的な協議プロジェクトの微調整を続けていくと述べている。

ここ数週間、投資法案への支持を求めて、ラッソは翻弄した。承認されなかった本法案をめぐってはパチャクティック(Pachakutik :PK)の下院議員5人を経済的利益を求めたとし、また、民主左派(Izquierda Democrática:ID)で元大統領候補のシャビエル・ヘルバス(Xavier Hervas)も投資法案へのIDによる賛成票と引き換えに課税しないよう要請したと非難し、国税庁(Servicio de Rentas Internas:SRI)に調査を要請している(詳細はこちら)。ラッソとシャビエルとの本法案をめぐる会談に際してシャビエルは「大統領、私にできることはこれ(投資法のメリット)を議員に伝えることだ。なぜなら私は議員ではなく、投票もできないからだ。まず党の代表と話をするつもりだ」だったと言う。なおシャビエルは大統領からの言われのない誹謗中傷に対しどんな法的措置が適切か弁護士に確認しているところだと述べた。

 

アレクサンドラ・ベラへの退任を受けラッソは彼女への労いとともに、「政府は、国民の福祉、民主主義の保護、およびすべての人に機会と安全をもたらす国づくりのために、永久に活動を続ける」と述べた。

 

3月29日ラッソは「ENCONTRÉMONOS POR LA CIUDADANÍA 」で、ラジオ・スセソス(Radio Sucesos)のジャーナリスト、ベロニカ・ラレア(Verónica Larrea)とラジオ・エクサ(Radio Exa)のアルバロ・ロセロ(Álvaro Rosero)と、国民議会、自然災害や汚職問題に対する行動などの問題について話しており、この際にも内閣の人事について調整すると述べていた。

 

参考資料:

1. Carlos Jijón renuncia al cargo de consejero del presidente Guillermo Lasso
2. Guillermo Lasso ‘rompe’ relaciones con la Asamblea Nacional, a la que acusa de ‘bloqueo’
3. Xavier Hervas: No me esperaba que el presidente invente una calumnia; estoy viendo con mi abogado la acción legal pertinente

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