ペルー:大統領ペドロ・カスティージョ、罷免を免れる

(Photo by Presidencia Perú

右派野党が多数を占めるペルー議会は10時間の討議を経て、ペドロ・カスティージョ大統領の「道徳的無能力」を理由に弾劾の動議を取った。彼に対する質問は汚職、センデロ・ルミノソ(Sendero Luminoso)のようなテロ組織とのつながり、あるいは司法記録のある役人の任命などの非難を含む20項目から構成されており、それを背景として弾劾の要求がある。もともと76人の議員の支持を得て審議に入った空位動議(詳細はこちら)は結果、賛成55票、反対54票、棄権19票で、憲法が定める大統領解任のための3分の2(87票)には届かず否決となった。これは客観的に見れば、野党の敗北である。否決されたもののホルヘ・モントヤ下院議員によると「警鐘を鳴らす」のに本動議は役割を果たしたと主張し、またカスティージョの弾劾動議を推し進めた右派政党(Renovación Popular)の国会議員アレハンドロ・ムナンテ(Alejandro Muñante)も、「我々はこれを敗北とは受け止めていない」と述べた。エピセントロTV(Epicentro TV)のジャーナリスト、ダニエル・ヨベラ(Daniel Yovera)は、野党ベンチが再び大統領を罷免しようとするだろうことを確信していると述べた。

ペドロ・カスティージョは就任後わずか8ヶ月で、2回目の弾劾訴追案(1回目は審議されなかった)を提出されている。今回もなんとか辞職を逃れることができた。

 

23時過ぎに行われた投票の後、議会議長の野党指導者マリア・デル・カルメン・アルバ(María del Carmen Alva)は「共和国大統領職の空席を宣言する決議は承認されなかった」と述べた。

ペルーにおける各種メディアは、急進的な反対派が52歳の田舎の学校の教師を政権から追放するのに必要な票を得られないと予想していた。そのためこの投票結果は驚きに値しない。

弾劾決議のための議会においてカスティージョに続き、弁護士のホセ・フェリックス・パロミノ(José Félix Palomino)が「大統領と汚職行為を直接結びつける証拠はない」と述べた。大統領は「立憲国家とその支配手段に対する最大限の敬意を示す」ために議会に出ることを決めたと振り返り、自分の闘いは「今は一時的な権力への執着のためではなく」、「国に奉仕するため」であると述べた。

カスティージョは投票後にツイッターで「良識と責任と民主主義が勝ったことを歓迎する。私は、空席に反対票を投じた国会議員を認識しており、その決断を尊重する。このページを閉じ、この国が直面する大きな課題に対して、皆さんと一緒に取り組んでいくことを呼びかける」と、述べた。

 

 

解任されていたら、カスティージョは、2020年11月に議会によって追放された中道派のマルティン・ビスカラ(Martín Vizcarra)や、2018年3月に2度目の弾劾裁判に耐えられないことが明らかになり辞任した右派のペドロ・パブロ・クチンスキー(Pedro Pablo Kuczynski)の2人と似た運命をたどっていたことだろう。この国においては2017年12月以来、議会は6回も大統領弾劾の要求を起こした。

大統領と議会は広く信用を失っているのが現状だ。3月上旬にイプソス(Ipsos)が行った調査でも、ペルー国民の66%が大統領の仕事ぶりに、70%が議会の仕事ぶりに不支持を表明している。一方ペルー人の53%がカスティーヨ大統領は辞任すべきと考え、43%が2026年まで統治すべきと言う調査結果も出ている。

https://twitter.com/ipsosperu/status/1503013258357268491

 

エドゥアルド・ダルジェント(Eduardo Dargent)は野党は自らの弾劾案が否決されたのみならず「野党の不幸の多くが(本採決を通じて)露呈した」と言い、「ひどい演説、内部抗争、議論のレベルが非常に低い」と列挙している。行政府と立法府の戦いに政治的な解決策がない場合、統治能力を生み出そうとする軍事クーデターや、議会の信用失墜に乗じて大統領が議会の閉鎖を決断するなど、あらゆる可能性が出てくる」。これはペルーの政治の 『ベネズエラ化(venezolanización) 』につながる」とDWのルイス・ベナベンテ(Luis Benavente)は警告している。

 

先週月曜日から、ペドロ・カスティージョの甥2人とブルーノ・パチェコ(Bruno Pacheco)前官邸事務局長の所在が不明である。3人ともタラタ橋(Puente Tarata)事件で出された予備的逮捕状に含まれている。El Comercio紙によると、国家元首の親族であるフレイ・バスケス(Fray Vásquez Castillo)とヒアン・マルコ(Gian Marco Castillo Gómez)は出国した記録がない。議会監視委員会は甥2名についてはMininter Rewards Programmeに含めるよう要請していた。本事件を通じてはテルミレックス(Termirex)社のサミル・ビジャベルデ(Zamir Villaverde)、ビクトル・バルディビア・マルパルティーダ(Víctor Valdivia Malpartida)、へオルへ・パサペラ(George Pasapera)の3人が逮捕されている。

タラタ橋事件とは2021年12月、反汚職検察官のカルラ・セセナロ(Karla Zecenarro)が、サン・マルティン地方でプロビア・ナショナル(Provías Nacional)が招集した公共工事の入札委員会のメンバーに圧力をかけたとし影響力行使の罪の疑いで調査しているものだ。運輸通信省は今年1月、サンマルティン(San Martín)地方のマリスカル・カセレス(Mariscal Cáceres)県にあるワジャガ(Huallaga)川にかかるタラタ自動車橋の建設に関する契約番号089-2021-MTC/21の無効を宣言している。この決定は、同契約が国との契約に関する法律第30225号の単元条文第11条に違反して締結されたこと、および真実性推定の原則に違反したことの2つの無効宣言の根拠が認められたことによる。局長決議第008-2022-MTC/21号で中止された。

エル・コメルシオ(El Comercio)紙によると、カレリム・ロペス(Karelim López)が政府宮殿を訪問した後、同地域のConsorcio Puente Tarata III(彼とつながりのあるTermirex S.A.で構成)が2億3250万Sドルで昨年10月に受注している。公式記録によると、これまでロペス・アレドンド(López Arredondo)はペドロ・カスティージョの事務所に3回、ブルノ・パチェコにも複数回を提示していたとのこと。本内容についても大統領は30日、質問を受けていた。

 

参考資料:

1. Pedro Castillo se queda como presidente de Perú tras el rechazo del Congreso a su destitución 
2. Congreso de Perú rechaza destituir al presidente Castillo
3. Pedro Castillo y la vacancia: ¿va Perú hacia la “venezolanización”?
4. Encuesta El Comercio-Ipsos: El 61% de informados cree que lo declarado por Karelim López es cierto
5. Caso Puente Tarata: juez realizó control de identidad al empresario Zamir Villaverde y otros detenidos

 

 

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