エクアドル:ギジェルモ・ラッソ PK議員5名を票の売買疑惑で

エクアドル大統領ギジェルモ・ラッソ(Guillermo Lasso)は、パチャクティック(Pachakutik)に所属する5名の下院議員を調査するよう司法省に要請する。対象はナポ選出のロサ・セルダ(Rosa Cerda)、スクンビオのエドガル・ケサダ(Edgar Quezada)、モノラ・サンチアゴのセレスティノ・チュンピ(Celestino Chumpi)、コトパクシのヒセジャ・モリナ(Gisella Molina)、そしてトゥングラワのクリスチアン・ユカイジャ(Cristian Yucailla)だ。5人は3月24日に国民議会本会議によって否決された投資法案をめぐるもので、本法案への支持と引き換えに「経済的利益」を要求したと言う。立法アドバイザーであるマルセロ・ロセロ(Marcelo Rosero)に対してもまた表の買収疑惑で調査対象となっている。法案の第70条は先住民領土における石油および鉱業抽出が原因で発生した汚染に対する免責を関連企業に対して与えている。エクアドルは過去において何度も開発が故に痛みを被ってきた。シェブロンによる事件(詳細はこちら)も度重なる原油流出事故(詳細はこちら)もまたそうだ。

 

ラッソによる調査要請は、憲法127条で議員がその職務に見合わない手当やその他の収入を受け取ることを禁止していること、また有機統合刑法典(Código Orgánico Integral Penal:COIP)第281条も、「(中略)義務のない義務、会費、寄付、収入、利息、給与、ボーナスの納入を要求した」役人に5年以下の懲役を科すとしていることにも由来する。

 

法案否決後に行われた大統領の告発に対して野党は「脅迫者」の特定を呼びかけていた。その結果出てきた名前が5名+1名で、これを受け民主左派(Izquierda Democrática:ID)の代表であるマルロン・カデナ(Marlon Cadena)は「もし、票をポストや病院と交換するような、この種の慣行や策略に携わる議員がいるならば、彼らはこの議会にいることはできない」と述べるとともに、議会のイメージが「汚される」ことがないようぱチャクティックのグアダルペ・ジョリ(Guadalupe Llori)議会議長がしっかりと行動することを要求した。

パチャクティックのサルバドル・キシュペ(Salvador Quishpe)は、ラッソによる告発は検察庁に対して実施されるべきものであるとし、そこへ行くように促したと言う。それは「彼が糾弾していることは犯罪行為である。だから、このまま嘘の内容を言い続ける(隠蔽工作を続ける)か、本来あるべきところに告発するか、どちらかだ」とと考えていることによる。また調査の結果、違反が証明された場合には、法律の定めるところにより、責任者を処罰すると述べている。

 

ラッソはこの事件を「極めて深刻」であり、「黙っているわけにはいかない」と表現した。そうでなければ、共和国大統領としての義務を裏切ることになり「エクアドルの政治における悪しき慣習としての不正を追放するためにエクアドル国民が私に託した信頼を裏切ることになる」し、「私が告発しなければ、有機統合刑法典の第277条に代表される犯罪を構成する」ことにもなると付け加えた。第277条では、違反行為の情報を知りながら、それを当局に知らせなかった公務員に対して、15日から30日の懲役刑を定めてる。

大統領がSNSでビデオを公開したのは、議会が87票を投じて投資法案を否決し棚上げした数時間後のことだった。大統領は議員たちを「泥棒と腐敗」と非難し、病院や電力会社、省庁の役職と引き換えに票を渡すと「恐喝」してきたと述べている。

 

パチャクティックの反政府組織のマリオ・ルイス(Mario Ruiz)下院議員は大統領に対し、彼の主張の証拠を提示し、「もしそうなら、倫理委員会が仕事をするよう」要求すると述べ、さもなければ「証拠がなく、いつものように中傷であれば、彼が国や正義に答えるべき人物である」と述べた。

ラッソは元大統領候補シャビエル・エルバス(Xavier Hervas)による不正納税申告の疑いを調査するよう国税庁に依頼したことを正式表明した。

 

参考資料:

1. ID, Pachakutik y Unes emplazan a Lasso para que identifique a ‘chantajistas’
2. Guillermo Lasso pide a Fiscalía investigar a 5 asambleístas de Pachakutik
3. Guillermo Lasso solicita a la Fiscalía que investigue a cinco asambleístas de Pachakutik, quienes habrían gestionado supuestos beneficios económicos a cambio de votos

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