メキシコ:仏アパレル、メキシコ先住民とその文化軽視と批判の対象に

1月8日(土)、フランスのアパレルブランド セザンヌ(Sézane)は、オアハカ州テオティトラン・デル・バジェ(Teotitlán del Valle)で先住民サポテカ(zapoteca)の年配女性に同社のコレクションである緑のジャケットを着せ、踊らせ、それを広告キャンペーンに用いたとしてソーシャルネットワーク上で批判の対象となっている。先住民たちへの対価は200ペソ(1200円程度)だった。

 

 

メキシコの伝統的な衣服を普及させる団体Lienzos Extraordinariosもこれを「盗作がだめなら、元の先住民を文化資本として使おう(と考え)、また先住民文化をショーケースから選べるもののように扱い敬意を払うこともしない。倫理観もない。」とし非難した。撮影にあたってセザンヌのカメラマンやクリエイターから「人の邪魔をするな」と言われたことに対しても嫌悪感を感じたとも付け加えている。

国立先住民族研究所(Instituto Nacional de los Pueblos Indígenas:INPI)のアデルフォ・レヒノ・モンテス(Adelfo Regino Montes)所長も今回の出来事を嘆き、先住民の尊厳を傷つけるであり、文化遺産を悪用し、彼らの尊厳を攻撃するこのような風潮が続いていることは大変遺憾だとコメントをするとともに、先住民やアフロ・メキシカンの人々やコミュニティを文化資本として搾取することを止めるよう企業に要求した。それは先住民が衣服の対象ではなく、公法の対象であり、膨大な文化遺産と伝統的知識の所有者だという考えからだ。

オアハカのミヘ(mixes)族、サポテカ族、マサテコ(mazatecos)族、チナンテカン(chinantecos)族は、サラ(Zara)、リーバイス(LEVI’S)、アンソロポロジー(Anthropologie)などのブランドの海外デザイナーから、彼らのアイデンティティを構成する要素やグラフィックパターンをしばしば盗用されている。それを受け2021年8月、オアハカ州議会は地方自治法第16条第4項の改正を承認している。この改訂は、先住民族とアフロ・メキシカンの人々の物質的・非物質的文化遺産の略奪を罰し、集団の知的財産とそれを構成する要素を保護することが目的だ。

INPIは法律に従い行動するための調査を開始、トラコルーラ(Tlacolula)州当局も見解を求めるとともに、フランス政府当局に連絡し、その権限の範囲内でこの問題に介入することも否定していない。

俳優のマヤ・サパタ(Maya Zapata)やテノク・ウエルタ(Tenoch Huerta)も「何している、セザンヌ。オアハカの人々を搾取しにやって来たのか。200ペソを払って、自分たちのブランドの非倫理的利益のために、人々のイメージや仕事を搾取しているのか。」と痛烈に批判し、連邦文化省(Secretaría de Cultura)、外務省(Secretaría de Relaciones Exteriores:SRE)、労働・社会福祉省(Secretaría del Trabajo y Previsión Social :STPS)の支援を要請した。

非難の数時間後、メディアはフランスのアパレルブランドが発売キャンペーンを中止したと報じたが、同社はその立場を明らかにしていない。

 

参考資料:

1. Oaxaca: Denuncian a marca francesa ‘Sezane’ por fotografiar y vestir con su prenda a mujer indígena | Video
2. La marca francesa Sézane pagó 200 pesos para manipular a zapotecas en Oaxaca
3. Una marca francesa de ropa ridiculiza y explota la imagen de una mujer indígena en México y causa un fuerte repudio
4. Acusan a la marca francesa Sézane de manipular y explotar a indígenas mexicanas | Video

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