メキシコ:ミチョアカンにいったらカルニータを食べるべし

メキシコというと誰もが連想するタコス。実は奥が深くバリエーションも豊かだ。土地ごとに名物があるし、最近はおしゃれに着飾ったり、アレンジされたものもあり、とにかく楽しめる。是非ソウルフードのタコスを色々と味わってみてほしい。

さてそんな私も久しぶりにミチョアカン州を訪れたこともあり、ここ名物のタコスを食べたい、そんな衝動に駆られた。

 

ミチョアカンのタコスと言えば具はカルニータス。ミチョアカンの中でもキロガ(Quiroga)はそのレシピで有名でカルニータスの聖地とも言われている。何世代にもわたって職人たちが美味しさの継承を行っていると言うわけだ。

カルニータスとは、銅の鍋でラードもちいて豚肉を弱火で長時間煮込んだものの名称である。マチザ(骨、皮、内臓のないきれいな肉)を様々なハーブ、水、塩で味付ける。食す部分は肺、腹、頬、心臓、精巣、皮、肝臓、トリッパ、舌、耳などだ。タコスの王様とも言われるカルニータスは広くメキシコ国民から支持を得ている。店によっては隠し味にオレンジジュースやコーラ、ローリエ、ペッパーコーンなどのスパイスが加えられることもある。余談にはなるが、我が家でも母親はコーラを用いて肉を調理することがある。

カルニータスの歴史は古く、そのルーツはアステカにまでさかのぼる。事実500年以上前の文献にもそれに関する記載がある。当初よりこの食べ物はクレオール料理として出来上がった。というのも、コロンブス以前の時代においてメキシコには豚がいなかったことによる。豚はクリストファー・コロンブスが新世界から持ち込んだものである。コロンブスがイスパニョーラ島に持ち込んだ豚をメキシコに持ち込んだのは、征服中のエルナン・コルテス自身だとも言われている。1521年にアステカ王国を征服したコルテスがコヨアカンの宮殿で行う宴で指示して用意させたのがカルニータスの原型、豚をラードで揚げたものだったという。これに当時はとうもろこしのパン、つまりトルティーヤが一緒に提供された。料理に多くのスパイスを使ったのは他の食べ物同様保存と風味付けのためだったという。

フィデル・カストロがキューバ風トルタを世界史上初めてそれを食べたようにスペインの征服者コルテスも世界初カルニータスを食べたということになった。この土地にコロンブスや、コルテスがやってこなかったらカルニータスは存在していなかったかもしれないから考え深い。

 

美味しいカルニータスはもちろん現地ミチョアカンでと思うも、メキシコシティでも味わうことができる。例えば以下の通り。なお、ミチョアカン州の州都モレリア(Morelia)でももちろんそれを提供する屋台もあるから、手軽に手に入る。

 

Enrique

1944年10月4日に創業。バルバッコア(バーベキュー)で名物な店ではあるが、カルニータスも欠かせない。時間がない時は2号店となる「la Taqueria」で、カルニータス・ア・ラ・オルデンなどを楽しむことができる。

Insurgentes Sur 4061, Tlalpan, 14000 Tlalpan, CDMX
Tel: 55 5573 9988

 

Los Panchos

ミチョアカン州出身の夫婦によるお店。サンタクララ・デル・コブレ出身のドン・フランシスコ・チェシッツ(Francisco Cheschistz)は、完璧なるカルニータスのレシピをもってやってきた。

Calle Tolstoi 9, Miguel Hidalgo, Anzures, 11590 Ciudad de México, CDMX

 

El Tarasco

40年近い歴史を持つこのレストランは、美味しいカルニタスとチャモロスのタコスで人気。週末にはライブミュージックも提供される。チキンのマリネも有名。

Eje 1 Ote, Av. Andrés Molina Enríquez 4932, Nueva Sta Anita, Iztacalco, 08210 Ciudad de México, CDMX
Tel: 55 90 08 07
mail: contacto@eltarasco.restaurant

 

 

参考資料:

1. EL ORIGEN DE LAS DELICIOSAS CARNITAS (Y SUS DETALLES)
2. Carnitas michoacanas, receta y origen
3. Dónde comer las mejores carnitas de la CDMX

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