メキシコと中米政府は国際的な人身売買ネットワークへの共闘を示す

メキシコのチアパス州で密入国を試みていた移民55人が死亡した事故を受け、関連地域の政府は「即時行動グループ(grupo de acción inmediata)」を設立、密輸ネットワークのメンバーを調査し逮捕するために動き出すことを発表した。

12月9日、チアパ・デ・コルゾ(Chiapa de Corzo)で密入国を試みた人々が乗ったトレーラーが横転、「少なくとも」55人が死亡し105人が負傷した。気温は30度を超え、換気もトラックの荷台の屋根にある小さな開口部だけ、鮨詰め状態で時速100キロで走行していたトレーラーはカーブでコントロールを失い、橋に衝突し横転した。プエブラに向かう途中だったという。死者の国籍についての発表はないが、負傷者の内訳は、グアテマラから95名、ドミニカ共和国から3名、エクアドルから1名、ホンジュラスから1名、メキシコから1名、国籍が特定できないもの4名とされている。

 

国際移住機関(Organización Internacional para las Migraciones :OIM)は2014年から国境越えに関する死亡事例の記録をしている。2021年に最も死亡率の高い移動ルートはメキシコと米国間の国境越えで、少なくとも650人の非正規移民が米国領土に到達しようとして死亡していて、2014年以来最も多い人数となっている。

各人権擁護団体は、米国への亡命や合法的な入国を希望する人々に対して、正規的な手続きが閉ざされていること、国境に国家警備隊の兵士が配備されていることが故に、このような密入国事案が後を立たず、移民たちはますます危険な状況の中、安全と自らの命と引き換えに移動せざるを得なくなっていると述べている。

本件について各国政府は国際的な人間の密輸ネットワークの犯罪行為を非難すると述べ、必ず処罰すると付け加えた。加盟国政府は犯罪ネットワークの解体に向け各国が自国内で実施するとしている。

なお、グアテマラのペドロ・ブロロ・ビラ(Pedro Brolo Vila)外相はより厳しい姿勢を示しており「人身売買に対する罰則を強化しよう」と呼びかけ、米国政府に対しては、引き渡し条約の一環として、連邦犯罪として取り入れるよう求めている。

 

参考資料:

1. Accidente en Chiapas: al menos 55 muertos tras volcar en México un camión que transportaba migrantes centroamericanos
2. Los supervivientes de la tragedia en Chiapas: “Era un bulto de gente muerta. Tuve que salir de entre 20 cadáveres”
3. Llaman defensores de derechos a replantear la política “de contención”
4. Gobiernos de México y Centroamérica crean “grupo de acción inmediata” contra tráfico de migrantes

 

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