穏健左翼で元学生運動指導者のガブリエル・ボリッチ(Gabriel Boric)が12月19日(日)に行われた決戦投票で次期大統領になることが確定した。競合だったホセ・アントニオ・カスト(Jose Antonio Kast)を破っての当選だ。
18時に投票が締め切られ開票が順調に進んでいった。99.66%が集計された時点でボリッチとカストの得票率は各々55.86%、44.14%という状態になった。接戦が予想されたし、直前にピノチェト元大統領の夫人ルシア・イリアルト(María Lucía Hiriart Rodríguez)が他界し同情票がカストに対して積み増されるのではないか(詳細はこちら)という予想もあった中でのボリッチの大勝利となった。11月の選挙における両者の差は14万6000票でカストの方が票数が優っていたが、今回はそれが逆転した形となる。
直近30年間、7期にわたる政権を維持していた与党(チリ・バモス(Chile Vamos)および旧コンセルタシオン(Concertación))は、決選投票に候補者を擁立することはできなかった。
ボリッチは国家手動での経済活性化や、社会サービスの財源となる増税、独裁政権との離別と、当時から継続されてきた私的年金制度の廃止を提案していた。サルバドール・アジェンデ政権(1973-1990)以来の左派的な大統領である。
なおカストは敗戦を認めている。
なお現大統領セバスティアン・ピニェラ(Sebastián Piñera)もテレビ放送を通じボリッチに電話をかけ「我々は皆、彼がすべてのチリ人のために非常に良い政府を持っていることを望んでいる」という言葉とともに祝辞を送った。
参考資料:
1. Elecciones en Chile 2021: segunda vuelta en vivo y en directo | Boric gana las elecciones con más del 99% escrutado y Kast reconoce la derrota
2. Boric derrota a Kast y será el Presidente más joven en asumir el cargo
3. Elecciones Chile 2021: Gabriel Boric derrotó a José Antonio Kast y fue electo presidente
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