米州人権委員会、原住民によるイースター島の所有権を認める

「ラパ・ヌイ(Rapa Nui)のコミュニティは、我々の歴史や事実を受け入れた米州人権委員会(Comisión Interamericana de Derechos Humanos:CIDH) の決定に非常に満足しており、国が腰を据えて我々と交渉することを望んでいる」と述べたのはペドロ・エドマンズ・パオア(Pedro Edmunds Paoa)市長だ。米州人権委員会によってなされた「イースター島におけるラパ・ヌイ族先祖代々の領土の所有権を認める」という決定は彼らの勝利を意味するものだった。

先住民たちはラパ・ヌイ族の承認と自治を求めて125年以上も実施する必要のない要求を共和国に対し何度も行ってきた。その要求は過去一度も真剣に取り上げられたこともなく、今もなおパスクア島(Isla de Pascua)の70%以上が国によって管理・所有されている状態だ。1世紀以上先住民の生活様式や発展に取り返しのつかないダメージを与えてきた。

CIDHへの訴訟を主催している弁護士の一人シロ・コロナブラ(Ciro Colombara)は、長老評議会とラパ・ヌイ議会の申し立ては、イースター島の領土及びそれが抱える天然資源に対する民族の集団財産権、および自治権の侵害の疑いで国の国際的責任を主張している。南米の沿岸から3,600キロ以上離れたポリネシア文化を持つ人々によって提出された訴状に記載されている内容が裏付けられれば、共和国は米州条約第4条(生存権)、第8条(司法的保証)、第12条(良心と宗教の自由)、第21条(財産権)、第25条(司法的保護)、26条(経済的、社会的、文化的権利)を侵害していることとなる。

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「私たちは、1989年の原住民及び種族民条約(第169号)をはじめとする国際条約への違反や、ラパ・ヌイ族の財産所有権への違反があると信じている。1888年にラパ・ヌイの人々が行ったことは、島の完全かつ絶対的な主権を、保護国であるチリに「永遠に何の留保もなく」渡すことであり、同条約の中では、我々の任命権と財産に対する権利も留保されると記載されている」と語るのは島の共同体長だ。

ラパ・ヌイ長老評議会と議会が、イースター島の先祖代々の土地を認めるよう、共和国を訴えたのは2015年。それに対する回答が日曜日(8月22日)に出たということだ。

 

先住民たちも訴訟を望んでいるわけではない。むしろ話し合いでの紛争解決を求めてきた。それでも歴代政府は実施してこなかった。島の住民との関係について新しい取り決めをすることを約束してきたにも関わらずである。

今回の決定を受け委員会は最終報告書を送付、米州人権裁判所(Corte Interamericana de Derechos Humanos)の審査を受ける前に国はCIDHへ答弁書を提出する必要がある。そのための準備期間は4ヶ月間だ。その後米州人権裁判所でのプロセスが始まる。

 

今回の決定はチリのみならず、各国における土地と先住民、そしてそれを管理する国と言った関係に大きな影響を与える。マプチェなども本先例に従い自分たちの土地の自治権を回復するために動く可能性がある。

ラパ・ヌイは広い大地という意味。世界のへそを意味するテ・ピト・テ・ヘヌア(Te pito o te henua)と呼ばれるこの島は1722年、イースターの日曜日にオランダ人提督ヤーコプ・ロッヘフェーン(Jacob Roggeveen)に見つけられた。それゆえ、イースターと呼ばれている。1770年にはペルーのスペイン総督の探検隊によって再び発見され、1774年にも、イギリス人探検家ジェイムス・クック(James Cook)船長がここを訪れた。西洋人に見つかったことで、この土地の人々は奴隷として連れて行かれたり、土地を都合よく利用されてきた。憧れの観光地としてここを多くの人が訪れることもあり環境を含めた持続可能性が脅かされている。持続性を保ち、また人の流入で増えてきた犯罪抑止のために2018年8月1日、この島における滞在をラパ・ヌイ以外の人間については最長で30日間と定めた。

 

参考資料:

1. La decisión de la CIDH sobre el pueblo Rapa Nui que podría incidir en la discusión constitucional
2. CIDH admite demanda sobre terrenos en la Isla de Pascua
3. CIDH declara admisible demanda de Rapa Nui para recuperar autonomía: Podría marcar precedente para otros pueblos

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