ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(Comunidad de Estados Latinoamericanos y Caribeños:CELAC)に加盟する32カ国のうち6カ国の外務大臣が7月24日土曜日の午後、メキシコシティのチャプルテペック宮殿で、ラテンアメリカ・カリブ宇宙機関(Agencia Latinoamericana y Caribeña del Espacio :ALCE)の設立協定に署名した。
▶️Concluyó la XXI Reunión de Cancilleres de la CELAC desde el Castillo de Chapultepec, en Ciudad de México.
¡La @PPT_CELAC por la unidad regional y el diálogo latinoamericano y caribeño en favor de la cooperación y el desarrollo! pic.twitter.com/9mY7C2S9VQ
— Relaciones Exteriores (@SRE_mx) July 24, 2021
メキシコのマルセロ・エブラルド(Marcelo Ebrard)外務大臣は、CELACの臨時議長として、この機関が航空宇宙研究のための資源を増強することを強調した。
署名した国は、アルゼンチン、ボリビア、コスタリカ、エクアドル、メキシコ、パラグアイだ。マルセロ・エブラルド外相は、土曜日にメキシコで行われた会議では、キューバ、ニカラグア、ベネズエラとの間に存在する一部の国のイデオロギーの違いに影響されることなく、9月18日の各国首脳会議で発表され、重要な合意に達するだろうことを述べた。
https://twitter.com/SRE_mx/status/1419057078082101250
パラグアイの外務大臣であるユークリッド・アセベド(Euclides Acevedo Candia)は「軌道に乗せる衛星はまだないものの、成功の敵、失敗の使徒、憤慨している人、平凡な人たちを軌道に乗せるための取り組みはすでに始まっている」と語った。
署名した外務大臣は、この宇宙機関の活動は、農業や医学の発展のための研究や、人工衛星を建設して軌道に乗せることに加えて、各国が航空宇宙知識の発展に取り残されることを避けることができると説明した。
ALCEの設立は、1950年代に始まり、1975年に欧州宇宙機関(Agencia Espacial Europea:ESA)の革新によって終わった欧州の宇宙統合プロセスに基づいている。このヨーロッパのプロジェクトでは、政府間や多国間での取り組みによるスケールメリットが、各国の機関の参入障壁を下げることにつながると考えていた。ALCEは、地域のメンバー間の学術的な協力関係を強化し、さらには欧州宇宙機関などの他の宇宙機関との連携を図ることを目的としている。なお、7月24日の会議に先立ち、今年の10月9日、国連の「世界宇宙週間」の枠組みの中で、メキシコのマルセロ・エブラルド外相とアルゼンチンのフェリペ・ソラ外相が主導するバーチャル会議でもALCE機関の設立のための協定に署名していた。なお、今回の合意は2020年7月2日に行われた「宇宙に関するラテンアメリカ・カリブ会合」、2020年10月9日のアルゼンチン、メキシコによる「宇宙分野における協力メカニズムの構成に関する宣言」への署名プロセスなどを経て行われた。この宣言では宇宙技術を、情報社会の目的の追求と達成、交通インフラの強化、環境保護の促進のための優先的な要素と発表されていた。
ラテンアメリカ・カリブ地域における宇宙プロジェクトでは若い人材の育成を通じて、プロジェクト自体の数を増やすとともに、リソースの効率的な利用を実現することが期待されている。また、官民によるパートナーシップを強化することで、コストとリスクを分散化させ、公的機関の財政負担軽減を目指す。
上述の通りこの地域では各国何らかの関わりを宇宙と持っている。メキシコにおけるそれを、少しみてみることとしよう。
1957年12月メキシコは宇宙開発への参加を表明、サンルイスポトシ物理学校の教授たちが、大気の特性を学ぶためにメキシコ初の観測ロケットを打ち上げた。1961年米国はメキシコのソノラ州グアイマスに追跡局を設置するよう要請、NASAのジェミニ計画やアポロ計画にも使用された宇宙船からの信号を捕捉できるようにした。2013年メキシコ宇宙庁(AEM)は、は米国航空宇宙局(NASA)と初の協力協定を結び、メキシコの大学生および大学院生がNASAのインターンシッププログラムに参加できるようにした。2016年に第67回国際宇宙会議でメキシコ宇宙庁が、南米諸国が通信データの交換を強化して地域のデジタルデバイドを減らすために、地域機関の構築を提起したことに言及した。2018年アルゼンチンが主催し「第3回国際宇宙フォーラム ラテンアメリカ・カリブ支部」を開催。2019年AEMとプエブラ大衆自治大学の学者と学生のグループの指揮のもと超小型衛星「AztechSat-1」を打ち上げた。目的はすでに地球を周回している通信衛星のネットワークと「対話」し、この伝送戦略に関する新しいデータをキューブサットと呼ばれる小型衛星の開発者に提供することだった。
ちなみに、宇宙開発に当たってはアルゼンチンもアドバンテージをもともと持っていた。事実米国が1969年に人類初の月面着陸を実現させてから数カ月後に、人類に近しい存在である猿のフアンを宇宙に送り出しているからだ。この成功はアメリカとフランス、ソ連に次いで4番目の成功経験となる。
この土曜日に署名した外務大臣は、エブラルドの他に、アルゼンチンのフェリペ・ソラ(Felipe Solá)、コスタリカのロドルフォ・ソラノ(Rodolfo Solano)、ボリビアのロへリオ・マイタ(Rogelio Mayta)、エクアドルのマウリシオ・モンタルボ(Mauricio Montalvo)、パラグアイのユークリッド・アセベド・カンディアだ。
この機関の設立にあたっては、この地域で最も宇宙開発が進んでいるブラジルの協力は得られないことが想定されれる。同国外相のエルネスト・アラウージョ(Ernesto Araújo)によると、CELACの加盟国における民主主義を守るための成果を上げることができなかったからだとし、CELACを脱退したことによる。
参考資料:
1. What is AzTechSat-1?
2. CELAC constituirá Agencia Latinoamericana y Caribeña del Espacio
3. Agencia Latinoamericana y Caribeña del Espacio, una nueva etapa en la búsqueda del conocimiento en pro de la humanidad
4. La Agencia Latinoamericana y Caribeña del Espacio (ALCE): ¿el camino hacia la integración espacial?
5. Seis países de Celac constituyen Agencia Latinoamericana y Caribeña del Espacio
6. Brasil confirmó que abandonó la Celac
7. Encuentro Latinoamericano y Caribeño del Espacio CELAC 2020 | AEM Agencia Espacial Mexicana
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