モレノ前エクアドル大統領、ボリビアのクーデターを支援か

(Photo : De Agencia de Noticias ANDES – CENA LENIN MORENO, CC BY-SA 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=39206257)

 

レニン・モレノ(Lenín Boltaire Moreno Garcés)は2021年5月24日、4年間の大統領任期が切れその職を辞した。辞職したからかどうかはわからないが、当時の政権に関する内部告発があった。それは他国に対する武器貸与に関するものでボリビアのクーデターや政府による市民虐殺を支援するためのものとされている。ボリビア政府の捜査では2019年の大統領選挙直前、エクアドルはボリビア軍・警察に弾圧用の催涙ガスと銃弾を貸与、またボリビア国営情報機関(ABI)が公表した2020年5月27日付の公文書ではエクアドル警察のエルナン・パトリシオ・カリージョ・ロセロ(Hernán Patricio Carrillo Rosero)司令官が、ボリビアの軍事駐在員であるホセ・ルイス・フリアス(José Luis Frías)に対する武器返却依頼においても、GL-302手榴弾5,000個、音響閃光弾500個、口径37MMの長距離機関砲弾2,389個、口径37MMの短距離機関砲弾560個が当時納入されたと書いてあった。これらはクーデターを支持し、2019年11月にボリビア政権を乗っ取ったジェニン・アニェス政権に提供したものである。ボリビア政府は臨時政権中にそれらがどのように使われたのかを詳しく調査すると発表している。なおこの期間にはエクアドルだけでなく、コロンビア、ブラジルからも武器類がボリビアに送り込まれている。

 

ボリビアでは2019年10月20日の選挙直後、集計結果を待たずして国内のさまざまな場所での暴力的なデモが発生、施設が焼かれ、政治的危機に陥った。

ただ、エボ・モラレス(Juan Evo Morales Aima)辞任の原因となった危機は自然発生的なものではないのは、すでに明るみになっている事実だ。市民共同体(CC)の元大統領候補であるカルロス・メサ(Carlos Diego Mesa Gisbert)はモラレスが正式な選挙結果の無視、公共施設への破壊行為や襲撃、社会的混乱を招くよう呼びかけた証拠はすでに出ていて、自身も「民主主義回復のための私たちの役割」と題した映像を2019年12月16日(月)19:29から配信しその事実を認めている。

Desconocí el proceso electoral, pedí y convoqué a la movilización de ustedes, que fueron los verdaderos protagonistas del proceso político, en el que participaron de manera muy protagónica también los movimientos cívicos y otros sectores de la sociedad

 

なお2019年の選挙に関して最高選挙裁判所(TSE)が発表した公式データによると、エボ・モラレス(MAS)は288万9359票を獲得、有効投票数の47.08%を占めている。一方、第2位のカルロス・メサの得票数は2,240,920票で36.51%を占める。

 

さて話を少し戻す。エクアドルはこのモレノ政権における武器密輸操作については積極的なようだ。エクアドル内にも議会委員会が設立される予定ですべての捜査に協力する意思を表明しているという。両国間での情報共有を通じ、軍需品が不法に送られた経緯を明らかにしていくこととなる。エクアドル国内でも本事案を非常に重大な事件として扱っている。他国への軍事機器の密輸は公有財産の横領や着服などの犯罪として扱われる可能性がある。モレノ個人の話ではなく、マリア・パウラ・ロモ政府大臣(当時)、軍隊やエクアドル警察の司令官の関与もありうるからだ。これほどまでのことを容易にできるわけはなく、各オペレーションの指示はもちろんのこと、武器の管理、軍用機の手配、航空総局への着陸許可など範囲は多岐にわたる。

エクアドルの実際的な武器密輸の周辺でも色々と起こっている。2019年10月02日から13日まで行われたエクアドル国内のナショナル・ストライキ、ここで期限切れの催涙弾が使用された。さらに、デモの制圧において、国から過剰な武力行使が行われいてた。その結果当時の担当大臣マリア・パウラ・ロモ(María Paula Romo Rodríguez)は解任された。なお期限が切れてもそれを利用した理由として彼女はメーカーからの証拠、論証を提示した。メーカーやコンドル社によると期限切れの催涙弾を使用しても、デモ参加者や国家警察の隊員の健康に害を及ぼすことはなく、期限切れを使うことで問題になるのは仕様からの逸脱、効率の低下、故障だとしている。一方これに反対論を投じていた議員は爆弾が使用期限を過ぎれば、保管状態にかかわらず、化学変化を起こして、デモ隊と国家警察の両方にとって「致命的な武器」になりえるとの証言を提示した。ロモがどの時点で期限切れ武器の安全性を調べたのか私にはわからないが、いずれの場合においても在庫がなかったことから期限切れのものを利用したとしているのに、その1ヶ月後には彼らが持っていなかったはずのこの武器が大量にボリビアに送りこまれていることには違和感しかない。これについても解明されていくのだろうか。

クーデターの背景にはボリビア国外の戦略も潜んでいるようだ。それは、ボリビアに眠るリチウムの利権獲得を他国が狙っているというもので、トランプ元政権がボリビアの右翼保守派と連携、財界主導の軍部、警察クーデターを助長したなどといった話は米共和党のリチャードブラック上院議員やイーロンマスクなど元政権に近い人々からも出ている。テスラ社もまたクーデターはに資金を与えたと語っている。電気自動車の登場は世界における車産業内での各社のポジションを変えたと言われているが、リチウムは電気自動車に欠かせないし、EVへの移行が進めば、その役割はますます重要になってくることが想定される。またリチウム電池はスマートフォン、ノートパソコンの材料としても欠かせない。ボリビアはアルゼンチン、チリに並ぶリチウムの産出国で、この3国で世界の供給量の約半分を占めている。私自身もウユニ塩湖を訪れた際にリチウムの話は現地ガイドからされており、その際にも某自動車メーカーが偵察に来たことを彼らは語っていた。ウユニ塩湖一帯には2100万トンものリチウムが埋まっているとされている。

 

2019年11月当時のモラレスは暗殺の危機にもあったことをこの度、元内務大臣のカルロス・ロメロ(Carlos Gustavo Romero Bonifaz)が明らかにした。この内容は別途共有する予定。

 

参考資料:

1. Denuncian que Lenín Moreno apoyó golpe de Estado en Bolivia
2. Congresos de Bolivia y Ecuador investigarán entrega de armas de Lenín Moreno durante el golpe contra Evo
3. Cámara pide a Fiscalía boliviana citar a Carlos Mesa por golpe de Estado de 2019
4. Huellas que incriminan a Carlos Mesa en la conspiración
5. Ecuador: acusan a Lenín Moreno por material antidisturbios en Bolivia
6. El juicio político en contra de la ministra de Gobierno, María Paula Romo, por uso de bombas lacrimógenas caducadas en el paro de octubre de 2019, pasa al pleno de la Asamblea Nacional
7. Los informes sobre octubre se acumulan sin gestión legal o política
8. Presidente de diputados pide que Lenín Moreno se “disculpe” con Bolivia
9. Ecuador | Destituyen a la ministra de Gobierno por uso de bombas lacrimógenas caducadas en las protestas de 2019

 

No Comments

Leave a Comment

CAPTCHA