食糧サプライチェーンに携わる全ての人に感謝を

COVID-19のパンデミックが世界で止むことなく続いている。多くの人が感染しては命を落とす、そんな日々が今でもまだ続いている。

ファイザー等によって開発されたワクチンは我々の社会に明るい兆しをもたらしてくれている。米国や欧州などワクチン接種が進んでいる国においては、少しづつではあるがそのウィルスがなかった頃の生活に戻りつつある。

ワクチン接種の進捗は国力に比例しているように思う。

ワクチン開発には莫⼤な国の助成⾦が必要で当時のトラ ンプ⼤統領は「ワープスピード作戦」に基づき、約 140 億ドル(約1兆5000万円)を投じた。そのような対策が打てたのは、そもそも医薬品に対する研究開発投資が莫大にあったこと、その結果構築された土壌があったことによろう。もちろんワクチンを手に入れただけでなく、それを各施設に安全に届けられる物流インフラを構築できていたことも要因だ。今や米国はワクチンが余り始め、他国からその摂取を望む人を受け入れてさえいるほどで、いずれにしても国がお金を持っていたからこそできたことだ。

先に述べたようにワクチンにありつける人には残念ながら優先順位があるように思う。それは日本国内に置いて医療従事者や高齢者、ハイリスクを伴う持病を持っている人が優先されている、と言うような話をしたいのではなく、開発途上と言われている国や国力が弱い国、さらには特定の国の方針に基づき、経済封鎖などをされている国等は後回しになってしまっていると言う事実があることである。

そもそも中国やロシアがワクチンを使った外交をしていると非難している人もいるが、その良し悪しや考え方は置いておいて、さらに人道的なものなのか、後々何らかの期待があるのかも置いておいて、高価な薬を手に入れられない人々にとっては間違いなく救済措置の一つになっているのだろう。

前書きが極めて長くなったがここではそのようなワクチンに現時点ではありつけていない、ともすれば政府からも忘れ去られてしまいそうな人々こそが我々の食卓、生活を支えてくれていると言うことを今一度思い、彼らに感謝をしたいと感じ、記事を書いた次第だ。

 

2020年5月1日メーデー、米州農業協力機関(INTER-AMERICAN INSTITUTE FOR COOPERATION ON AGRICULTURE:IICA※)のイニシアチブによりコンサートツアーがはじまった。これこそがCOVID-19のパンデミックという厳しい状況下で働き、アメリカ大陸の国々で食料生産やその輸送など、食卓に上るまでに貢献してくれた全ての労働者に対するトリビュートであり、彼らを讃えるために著名なミュージシャンが集まった。

アルゼンチンではこのイベントを農畜水産省、文化省、社会開発省、飢餓に対するアルゼンチン計画、メディなどが支援した。

出演アーティスト:
León Gieco, Gustavo Santaolalla, Teresa Parodi, Soledad Villamil, Victor Heredia, Hilda Lizarazu,  Lidia Borda, La Charo (Tonolec), Willy Piancioli (Los Tipitos), Agustín Ronconi (Arbolito), Alejandro Davio (Mundo Alas), Anabella Zoch, Peteco Carabajal, Dolores Solá y Acho Estol (La Chicana), Ana Prada y Pata Kramer (Uruguay)

 

アルゼンチンからのバトンはブラジル、ウルグアイ、チリ、パラグアイ、中央アメリカ、カリブ海へと次から次へと繋がった。ブラジルでは、ユネスコブラジルとブラジルスーパーマーケット協会(ABRAS)が支援しキャンペーンを盛り上げた。

いくつかの参加者を紹介しよう。ハヤック(JAYAC)、エクアドル代表だ。ハヤックは海外でも知られた存在で、キトの北東にあるサンビサにルーツを持つ。1989年5月20日にグループを設立した。兄弟や友人からなるこのグループは様々な楽器を用いて様々なジャンルの音楽を奏でる。デビューから30年経った今、民間伝承の古典として様々なアーティストによってその曲を解釈される存在ともなっている。彼ら自身もエクアドル国内で年間100回以上のコンサートを持ち精力的だ。個人的に彼らの別バージョンのオフィシャルムービーが好きなので、それは別途紹介することとする。

 

メキシコからはリラ・ダウンズ(Lila Downs)がオアハカから参加した。彼女はメキシコのさまざまな先住民の言語、例えばミステック(Mixtec)、サポテカ(Zapotec)、マヤ(Mayan)、プレぺチャ(Purépecha)、ナワトル(Nahuatl)を用いてメロディーを奏でるのが得意だ。ラテングラミーのベストフォークアルバムとベストアルバムオブザイヤーに2回ノミネート、2014年には”Raíz”で最優秀フォークアルバムを受賞している。

 

ドミニカ共和国からはシンガーソングライターのXiomara Fortunaが出演。イスパニョーラ島に昔からあるネイティブ音楽の要素を取り入れながら様々なジャンルの音楽とそれを融合させていく。ドミニカでは”La Reina(※) del World Music”、”La Reina de la Fusión” として有名だ。また国における問題の一つとなっている暴力の状況について歌を通じて発表し、男性、女性は社会で共存すべきとする意識を高めることに貢献している。

コンサートはテレビやラジオ、YouTubeなど様々なプラットフォームを通じて伝えられた。キャンペーンに参加するアーティストは続々と増えているから、お気に入りの一曲も見つかることだろう。

今回紹介していないアーティストの作品はYouTube IICAnoticiasのキャンペーンのプレイリストから確認することができる。また、このイニシアチブのためには以下のハッシュタグがソーシャルネットワークでは用いられている。

#GRACIAS
#HEROESYHEROINAS
#PORLOSALIMENTOSENNUESTRAMESA
#OBRIGADO #OBRIGADA
#HERÓISEHEROÍNAS
#PORALIMENTOSEMNOSSAMESA

 
このキャンペーンに関する特別番組もあるので、気になる方はこちらもチェックされたし。(時々ポルトガル語が出てきて、私自身はよくわからない部分もある。)
 

※IICAは米州人権裁判所の農業に特化した国際機関であり、その使命は国際的な技術協力を通じて農業開発と農村の幸福を達成することだ。34の国が加盟している。
※La Reinaとは女王のこと。

 

 

参考資料:

1. EL ECUATORIANO GRUPO JAYAC SE INTEGRA AL HOMENAJE DEL IICA A TRABAJADORES DE LA CADENA ALIMENTARIA
2. Homenaje de la Música Popular a quienes día a día trabajan para que los alimentos lleguen a nuestras mesas
3. La cantante Lila Downs se une a la campaña del IICA para honrar a los trabajadores de la cadena de alimentos
4. MÚSICOS DE BOLIVIA, PERÚ Y ECUADOR SE SUMAN AL HOMENAJE DEL IICA A LOS TRABAJADORES DE LA CADENA DE ALIMENTOS
5. Grandes artistas de las Américas recibieron reconocimiento del IICA por valorizar con su arte al agro y la ruralidad

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