ペルー大統領選2021 : 決選投票1週間前の支持率調査

いよいよペルーの大統領選挙まで残すところ1週間となった。そろそろ勝敗が見えてきてもいいのではと思うも、なおさらにどっちに転ぶかわからない状況となってきた。

Datumが5月25日から27日に行った調査によるとペドロ・カスティージョとケイコ・フジモリの差はあっという間に縮まり1ポイントを切った。

https://twitter.com/DatumPeru/status/1398396068212232192

確実に言えることは、カスティージョが自身の支持をこの1週間で大きく失ったことだ。それも全ての地域においてであり、支持基盤とする中部、南部すらもだ。2.9ポイントも彼は失ったが、一方のケイコは1.6ポイントも積み上げた。白票へ投じる人も増えたのが特徴でもあろう。有効票だけで見ても支持は1.0ポイントの差でしかなく、もはや蓋を開けてみないとというレベルに達している。

Perú Libreのこの失速、というか票減らしは5月複数の専門家の分析によると、VRAEMでのテロ事件への対応が良くなかった、さらには自身のテクニカルチームに著名な人間を組み込めなかったこととしている。VRAEMの事件については後述するとして、5月23日に行われたテクニカルチームによるディベートの評価がPerú Libreは悪すぎる。全体で見てもFuerza Popularの勝ちだとした人間は全体の過半数以上に及ぶ。

そもそもPerú Libreが一枚岩になっていないというのも背景にはあるかも知れない。選挙3週間前調査項目(詳細はこちら)と聞き方が異なっているから純粋なる比較はできないが、それでもえんぴつ党が優位であった貧困現象への期待もケイコたちの発表内容の方が今回はよく映ったようだ。

 

次にVRAEMで起きた事件に対する有権者の考えだがセンデロ・ルミノソ(Sendero Luminoso)が決選投票のボイコットを促すために実施したとするものが全体の24%を占め、同テロリストがケイコ・フジモリへの投票阻止のためにやったとするものが22%、そして、そもそもそれはセンデロ・ルミノソの犯行では無いとする人が20%とほぼ均衡している。(よくわからないも23%)

繰り返すようだが5月24日におきたこのVRAEM虐殺の実行犯についての見解は分かれている。軍はその犯人を左翼ゲリラMPCP(センデロ・ルミノソの残党)と早々に発表、一方での専門家、現場に駆けつけた自衛団、地元住民はそうではない可能性を指摘している。そもそも、今回のジェノサイドが組織の手口とは違いすぎているし、殺人鬼は証拠と証言に基づきより分析されることなく特定されたと考えているからだ。とは言え、公式機関である軍が反抗を左翼ゲリラによるものとしたことは、大きな効力を持つ。というのも、ケイコは一貫してテロ対策を主張してきし、父アルベルト・フジモリ時代に行ったテロ殲滅のための運動は、センデロ・ルミノソを明らかに弱体化させたという実績がある。さらに、同組織と対抗馬との関係をかねてから結びつけるという作戦をケイコが取ってきたことを思うと、16人の犠牲はFuerza Popularにとって優位に働きそうだ。

 

次にケイコによるネガティブキャンペーンと、過去の清算についてはついてはどう思っているだろう。オレンジ党の主張「カスティージョが大統領になったら、ベネズエラみたいな政府になる」に対してはその可能性を支持する人がが40%に及ぶ。(そうならないと考える人間も逆に46%いる。)

また、ペドロ・カスティージョとセンデロ・ルミノソに関係があると考える人の数は、関係ないと考える人より多くなっている。疑いようもなくボディーブローのようなキャペーンは効果をなしているといえよう。

ただし、残念ながらケイコが行ってきた謝罪(父親であるアルベルト・フジモリ政権やクチンスキー(Pedro Pablo Kuczynski)政権が行った不誠実な行為)は信用されていない。(65%が不支持)これは先住民や貧困層に対して勝手に政府が行った不妊治療を、彼女たちのためだとしたこともその理由の一つと言えよう。 

 
VRAEMはテロに屈しることないようにと市民は連帯を訴えているとともに、セキュリティ対策のために陸軍・海軍の合同部隊はこの地に軍事基地を建設するとした。現地住民による自衛団も強化される。
 
なお、5月30日には最後(2度目)の両候補による公開討論会がアレキパ(Arequipa)で開催される。両者の指示が接近されている今、このイベントは疑いようもなく重要であり、その結果が投票結果に大きく関与してくると言えよう。
 
 

全て見るには長すぎるが、一旦Equipos Técnicosによるディベートも共有しておこう。

 

参考資料:

1. César Hildebrandt: “Con Keiko la democracia está en peligro”
2. Matanza en el Vraem: Identifican a todos los fallecidos y sobrevivientes se acgen a programa de protección de testigos
3. Vraem: las matanzas terroristas perpetradas en los últimos 13 años
4. Datum: Pedro Castillo cae a 42.6%, mientras que Keiko Fujimori sube a 41.7% en tercer simulacro
5. Elecciones 2021: hoy se realiza el debate presidencial entre Castillo y Fujimori en Arequipa

 

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