キューバ:アレイダの歌う「Barquito de papel」とエンリケタ・アルマンザ・ランス

アレイダ・ゲバラ(Aleida Guevara)が初来日した時、運良く時を一緒に過ごすことができた。革命家チェ・ゲバラ(Che Guevara)の面影が見え隠れする。有名だからと威張ったり人と一線をおこうとなんて決してしない。それはきっとチェもそうだったのではないかと思う。彼女の太陽のような笑顔を見ていると心がぽかぽか温まり、彼女の優しさに全てを委ねたくなるほどだった。

彼女は講演会の最後にキューバの民謡を歌ってくれた。 素敵だからと選んでくれた 「紙の小舟(Barquito de papel)」(作詞:セリア・トリエンテ)には、平和と連帯の意味も込められていると言うから、キューバの歌、彼女らしい選曲だなとも思った。彼女の美声をお裾分けすることとしよう:

BARQUITO DE PAPEL

Barquito de papel
mi amigo fiel
llévame a navegar
por el ancho mar.

Yo quiero conocer
a niños de aquí y allá
y a todos llevar
mi flor de amistad

Abajo la guerra
arriba la paz
los niños queremos
reír y cantar

作曲家エンリケタ・アルマンザ・ランスという人物

「紙の小舟」は女優ホルヒナ・アルマンザ(Georgina Almanza)の姉で、作曲家、編曲家、オーケストラの指揮者、著名キューバ人歌手たちの伴奏ピアニスト、プロデューサーでもあったエンリケタ・アルマンザ・ランス(Enriqueta Almanza Lanz)によってメロディが作られた。ハバナに1934年6月15日に生まれた彼女は、1940年代末にラジオ局RHCカデナ・アスール(RHC Cadena Azul)でデビューし、同局で子ども向け番組「ミミの物語(Los cuentos de Mimi)」を持っていた。1955年から1957年にかけては、スペインの興行師ハイメ・カミノ(Jaime Camino)に招かれ、ヨーロッパに滞在した。このツアーの最初の公演は、バルセロナ(Barcelona)のキャバレー「リオ(Rio)」で行われた。

その後キューバに戻り、とりわけ1960年代から1970年代にかけて「フィーリン(Movimiento del feeling)」運動に参加した。長年にわたり、歌手エレナ・ブルケのピアニストを務め、「生きるために(Para vivir)」「痛み(Duele)」などの名曲の伴奏を手がけた。1965年には「ミュージック・ホール・デ・クーバ(Music Hall de Cuba)」の一員としてヨーロッパ各国で成功裡に公演を行った。1970年代には、ロス・パピネス(Los Papines)の2枚のアルバムにも参加している。

キューバの子ども向け歌の定番ともいえる楽曲は、彼女によって創り出された。このことから、テレシータ・フェルナンデス(Teresita Fernández)と並び、エンリケタ・アルマンザ・ランスはキューバでも最も多作な児童音楽の作曲家の一人と見なされている。また、彼女は劇場音楽やバレエ音楽も手がけ、キューバの偉大なピアニストの一人にも数えられる存在であった。エンリケタ・アルマンザは1996年8月11日、ハバナ(La Habana)にて62歳で死去した。

#CheGuevara

参考資料:

1. CANCIONES INFANTILES … CUBANAS?

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