カフェへの入店と同時にまるで古きよきベトナムへとタイムスリップをしてしまったかのような感覚に陥った。ベトナム人ではなければ、彼らの歴史を説明できるほど潤沢な知識も持ち合わせていない私が、なぜこのような状態になったかはわからない。でも確かに独特で、それでいてとても懐かしい感覚を覚えたのだった。
このカフェの名前はコンカフェ(Cong Caphe Co., Ltd)という。ベトナムのハノイで開業したコーヒーのチェーン店である。コンカフェという名前自体はベトコン(ベトナム戦争当時のゲリラの名前)やベトナム・コンサン(ベトナム共産主義)から来ているらしい。そして、「配給制度下のハノイ」をお店のコンセプトとして経営しているらしい。
コンカフェは今日のベトナムにおいてコーヒー文化を牽引するリーダー的役割を担っているといっても過言ではないだろう。ハノイでオープンして以来、若者に支持され、その人気はうなぎのぼりである。ハノイを中心とし次々に店舗展開を進めていたが、いまや異なる文化圏である南の地域(ホーチミンなど)にも、そのビジネス領域を拡大しているらしかった。そのおかげで今回、ホーチミンでこの素敵なカフェと出会うことが出来たというわけだ。
1950年代~1970年代のハノイの写真やキッチュな品々が惜しげもなく店舗では飾られ、かつて一世を風靡したチャンコンコン柄のカーテンやクッションが店内に彩を与えている。一方、店内では現代的な曲が流れており、すべてが「当時のもの」といったわけではなさそうだ。きっと全てが古いわけではないからこそ、若者はこの新旧がうまい具合に混じった空間を気後れすることなく消費することができているのだろう。そしてこれこそが、コンカフェを人気たらしめている要因なのではないかと思った。
毎晩このカフェは地元の若者や観光客でいっぱいになる。だから、もしゆっくりとこの空間を味わいたいのであれば、朝や日中に行くのがよいだろう。ちなみにこのカフェの看板メニューはフローズンココナッツミルクの乗ったコーヒー(Cot Dua Ca Phe/コッズア・カフェ)とヨーグルトコーヒーだ(Ca Phe Sua Chua/カフェ・スアチュア)。
コンカフェは現在(2017.04)、ホーチミンに4店舗あるらしい。(実際4店舗を町歩きをしている間に発見した。)私のお気に入りの店舗はマック ティ ブオイ(Mac Thi Buoi)通り店でとても便利な場所にある。さらに、フォトジェニックだし、満足度も高い。事実、このブログの写真はすべてこの店舗で撮ったものである。是非ベトナムに行くことがあれば、コンカフェに一度は立ち寄ってみてほしい。コーヒーもおいしいし、何よりもベトナムらしさを満喫できるから。
ホーチミンにあるコンカフェ
1F, 26 Ly Tu Trong St. Dist.1. Ho Chi Minh
1F and 2F, 2 Mac Thi Buoi St. Dist.1. Ho Chi Minh
1F and 2F, 127-129 Bui VIen St. Dist.1. Ho Chi Minh
1F, 336 Truong Sa St. Word 2. Dist.Phu Nhuan
リートゥーチョン通りのコンカフェ(ホーチミンにおける第一号店)の様子も知りたい方はこちらもご覧ください。 コンカフェの詳細はオフィシャル・ホームページをご覧ください。
No Comments