(Photo: @petrogustavo / X)
2026年2月4日、ホワイトハウスで米国大統領ドナルド・トランプ(Donald Trump)と会談したコロンビア大統領グスタボ・ペトロ(Gustavo Petro)は、会談後のインタビューで率直な感想を語った。
会談終了後、ワシントンのコロンビア大使公邸では、「会談は良くもなく、非常に良かったわけでもなく、『素晴らしかった』」との声が聞かれた。代表団の一人は前日、会談の結果が「予測不可能」と述べていたが、ペトロ自身は「並外れたもの」と評価した。
会談は順調に始まった。ペトロは紺色のスーツに金色のネクタイを着用し、予定時間の午前11時直前にホワイトハウスに到着した。大統領執務室に入る前、互いに過去に批判し合ったことのある両首脳が礼儀正しく握手する姿が見られた。
ペトロによると、会談で氷を破った瞬間は、自身が2018年から訴え続けている暗殺未遂の話題を取り上げた時だった。トランプも2024年の大統領選挙中に同様の経験をしており、共通の体験を通じて“生存者としての共感”が生まれ、そこから会談がスムーズに進んだという。
両首脳は麻薬組織のトップ層への対策についても議論した。ペトロは、最上位層のボスは国内ではなく、「ドバイ、マドリード、マイアミ」など海外にいると述べ、国際的な協力の必要性を訴えた。
ペトロは会談について次のように述べた。「緊張はこれからもあるだろう。これまでにもあったし、これからもある。しかしその緊張は、トランプと私の間にあるのではなく、異なるやり方、異なる文明や文化の違いに起因する。この大陸をどのように共に共有していくかを理解しなければならない」
また、単数形の「アメリカ大陸」ではなく、複数形の「アメリカ大陸諸国」としての連帯を強調する「大いなる生命のための協定」の可能性にも言及。トランプから贈られた赤い帽子には“S”を付け加えて「Américas」と表記し、複数の大陸諸国の重要性を示したという。
ペトロは会談を総括し、「会談は良いものだった。これからも緊張はあるだろうが、同じ大陸でともに生きる術を学ぶだろう」と語った。

Photo: @petrogustavo / X
麻薬対策の成果と今後の見通し
ペトロ大統領は、麻薬対策の成果について説明した。米国からの認定を目標にはしていないが、数字を確認し、効果的な政策を構築することが目的だという。「効果的」とは、コカ栽培面積や輸出向けコカイン量を実際に減らすことを指す。
さらに、コロンビア、エクアドル、米国との間で協力を得る必要があると述べた。根絶(植え付けではなく植物を根から除去する方法)には農民の協力が不可欠だという。ペトロは、自身が提示した写真や映像で、数百人、場合によっては数千人の農民が自発的にコカ植物を根から抜いている様子を示し、コロンビアがより効果的な段階に入っていると強調した。また、この取り組みは隣国エクアドルへの影響もあるため、全面的な協力が必要だと述べた。
ベネズエラとの協力とエネルギー統合
ベネズエラの政治プロセスについては「国民自身の問題」と前置きした上で、エネルギー統合の可能性について語った。コロンビア北部のクリーンエネルギーを既存の送電線を通じて西ベネズエラに供給し、石油・ガス・電力分野での経済活動を再活性化できるという構想だ。
ペトロは、国営石油会社エコペトロが重要な役割を果たす可能性に触れ、同社社長を会談に同席させ、トランプにプレゼンテーションを行わせた。内容は好意的に受け止められたという。
さらに、ガス・電力・石油の協力や港湾利用の可能性にも触れ、ラ・グアヒラによるクリーンエネルギーの生産やグリーン水素の輸出など、将来的ポテンシャルの大きさを強調。これらは単なる計画ではなく、既存の能力とインフラを活用する現実的な取り組みであり、地域全体の安定化にも寄与すると述べた。
会談の雰囲気と議題の焦点
ホワイトハウスで行われたグスタボ・ペトロ大統領とドナルド・トランプ大統領の会談には、副大統領J.D.ヴァンス(J. D. Vance)、非常に批判的なバーニー・モレノ(Bernie Moreno)、上院議員時代から批判的だったマルコ・ルビオ(Marco Rubio)も同席した。
しかし、ペトロ大統領によれば、これらの側近らはほとんど発言せず、会話の流れを妨げることはなかった。会談はあくまでトランプ大統領とペトロ大統領の直接対話を中心に進められ、双方の意思疎通が円滑に行われたことがうかがえる。
また、会談で今年のコロンビア大統領選挙については一切話題に上がらなかったとペトロ大統領は述べている。その他の個人的・政治的問題も取り上げられず、議論の中心は主にベネズエラの情勢に置かれた。
このように、緊張が伴う会議でありながらも、直接対話に集中することで建設的な議論が行われたことが確認された。
米国との協力強化、麻薬対策で具体的成果
両者の会談後、同会議に同席したペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)国防相は、この場での対話が非常に有意義であったと語り、米国側が国内の主要武装勢力リーダーの所在特定に向けた情報協力を申し出たことを明らかにしている。
サンチェスによれば、会談ではこれまでの両国間の麻薬取引対策での協力についても議論され、今後さらに強化される見通しだという。米国はコロンビア革命軍(Fuerzas Armadas Revolucionarias de Colombia:FARC)残党のネストル・グレゴリオ・ベラ・フェルナンデス(Néstor Gregorio Vera Fernández)、ゴルフ・クラン(Clan del Golfo)の最高指導者ジョバニス・デ・ヘスス・アビラ・ビジャデゴ(Jobanis de Jesús Ávila Villadiego)、通称チキート・マロ(Chiquito Malo)、さらに民族解放軍(Ejército de Liberación Nacional:ELN)のグスタボ・アニバル・ヒラルド・キンチア(Gustavo Aníbal Giraldo Quinchía)、通称パブリート(Pablito)の所在把握支援を約束した。
これらの人物は、コロンビア当局が現在最も追跡している重要対象であり、会談後2か月以内に所在特定を行うことが両国で合意されている。
さらに、ペトロ政権が取り組む麻薬対策の成果も共有された。2026年初までに、コカイン3,172トン、評価額92億米ドルに相当する量が押収され、約48億回分の個人使用量が米国市場に流通しなかったと報告された。また、麻薬製造用の実験室18,500か所が破壊され、国内では平均40分ごとに1つのラボが摘発・破壊されているという。
サンチェス国防相は、今回の会談により両国間の協力関係がさらに強化される見通しであると述べ、ペトロ大統領自身も、この会談が過去数か月間にわたる両首脳間の緊張緩和に役立ったと語った。
今回の成果は、単に情報共有や軍事協力の枠を超え、麻薬取引や武装集団への具体的な対策に直結するものであり、コロンビアの安全保障と国際協力の両面で重要な節目となった。
ホワイトハウスでの会談、対話による外交の勝利と評価
コロンビアと米国の外交関係は、ここ数年で最も緊張した状態にあった。しかし、2026年2月4日にホワイトハウスで行われたコロンビア大統領グスタボ・ペトロと米国大統領ドナルド・トランプの会談を通じて、対話に基づく外交が勝利したとの評価が広がっている。
ごく最近まで、トランプ大統領はペトロ大統領に対して厳しい言葉を繰り返し、軍事行動も辞さない可能性を示唆していたという。しかし、会談後の発言は一変した。トランプは会談を「大いなる名誉」と称し、「コロンビアを愛している」とまで述べた。わずか1ヶ月足らず前の状況からの大きな転換である。
この結果は、国際社会や国内外の専門家が予想していたものとは異なっていた。会談は簡単に失敗しうるものであり、過去にトランプ大統領はペトロを「病んだ男」と呼ぶなど批判を繰り返してきた。また、関税の脅しや制裁の適用もあり、コロンビア国内の企業や有権者に不安を与えていた。このような背景から、両国関係には大きな懸念材料があった。
しかし、対話を重ねることと慎重な準備が外交的成功をもたらした。コロンビアの外務省やワシントン大使館は、静かで徹底的な外交努力を続け、米国との関係修復のための基盤を築いた。結果として、会談は最良の結果へと結実したと評価されている。これは、ペトロ大統領自身の慎重で熟練した会話運営だけでなく、コロンビア政府全体の努力の成果でもある。
会談がもたらした意味は大きい。両国は依然として思想や政策の違いを抱えているものの、対話によって緊張を和らげ、共通の利益を模索する道筋を示した。この結果は、コロンビア側にとって外交的勝利と評価されるだけでなく、複雑な地域課題に対して建設的に取り組む必要性を両国が再確認した象徴的な出来事となった。
ホワイトハウスから公開された写真には、笑顔でリラックスしたトランプ大統領の姿が映っている。同時に、ペトロ大統領も大きく笑っており、両者の表情からは過去の緊張が和らいだことがうかがえる。コロンビア大使館もペトロ大統領自身も、この会談が「完全な成功(éxito rotundo)」だったと述べている。成功の要因は、共通の目標に集中し、対話の相手を尊重し、両国関係の修復がすべてのコロンビア国民にとって最も重要であると認識したことにある。ペトロ大統領は明確な目的を持って会談に臨み、それを果たしたことで、コロンビア全体に安堵をもたらした。
特筆すべき成果として、民族解放軍(Ejército de Liberación Nacional:ELN)などがベネズエラに逃れているリーダーに対して協力して打撃を加えることに成功した点が挙げられる。コロンビア政府は、トランプ大統領が組織犯罪や麻薬取引に関心を持っていることと、土地を自発的にコカ栽培から転換しようとする農民がゲリラや違法集団に追われるという悲劇を結びつけた。何度も指摘されているように、コロンビアと米国の間の情報共有や軍事協力は、法の支配の外にある集団に対する勝利において鍵となってきた。この視点を提示することで、ペトロ大統領はトランプ大統領に、米国がどのようにコロンビアを支援できるか、そして最終的にトランプ側の政策目標達成にどう寄与できるかを示したのである。
対話こそが鍵であった。外務省からワシントン大使館に至るまで、コロンビア外交の静かで規律正しく効率的な働きぶりは称賛に値する。選挙戦に利用しようとする者もいるかもしれないが、ペトロ大統領がコロンビア全体を代表してホワイトハウスに赴いたという事実は揺るがない。結果はまさに卓越している。
参考資料:
1. Llegó la cita, y el presidente pudo representarnos
2. Petro tras cita con Trump: “Habrá más tensiones, pero aprenderemos a convivir”
3. E.E.U.U. ayudará a ubicar a alias Iván Mordisco, Chiquito Malo y Pablito: mindefensa

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