エクアドル:ゲリベルト家はサンタ・エレナを支配しているのか

(Imagen: Radio Pichincha)

行政総局長官であり、与党系政治運動・国民民主行動(Acción Democrática Nacional:ADN)の全国代表を務めるシンシア・ゲリベルト(Cynthia Gellibert)の親族が、公職に就く一方でメディア運営にも関与していることが明らかになっている。これらの事実は、サンタ・エレナ県において同家が強い政治的権力と影響力を有していることを示している。

ゲリベルトは、ダニエル・ノボア(Daniel Noboa)大統領の最側近の一人とされる人物であるが、ラ・リベルタ市(La Libertad)が所有する93ヘクタールの市有地を300万米ドルで売却しようとした案件をめぐるスキャンダルにも関与したとされている。この取引で購入者とされたのは、経済活動の記録や社会保障機構(IESS)への加入履歴を持たない、当時24歳のジェニー・ラミレス(Jenny Ramírez)であった。

さらに、ラミレスの母であるシャーリー・パルマ・ビジョン(Shirley Palma Villón)がゲリベルト家のために働いているとされていることも判明している。これは、アンコン(Ancón)のラタクンガ地区(Latacunga)に住む住民の証言によるものであり、市有地購入の背後関係をめぐる疑念を一層強める結果となっている。

 

 

公職に就く親族たち

 

ラジオ・ピチンチャ(Radio Pichincha)はその調査でシンシア・ゲリベルトの親族が複数の重要な公職に就いている上にサンタ・エレナ県におけるメディア運営にも関与していることを確認している。

妹のジャンニーナ・アナベル・ゲリベルト・モラ(Jeannina Annabelle Gellibert Mora)は、2024年1月4日から教育省(Ministerio de Educación)の地区局長を務め、月額報酬は2,115米ドルである。

母親違いの兄弟であるジャンカルロス・ゲリベルト・ビジャオ(Giancarlos Gellibert Villao)は、2025年7月1日からラ・リベルタ(La Libertad)サン・ホセ・デ・アンコン教区(San José de Ancón)の政治副官(teniente político)に就任した。同氏はそれ以前、同年5月31日までサンタ・エレナ県庁で運転手として勤務していた。

この政治副官職の前任者も兄弟のワルテル・バレンティン・ゲリベルト・ビジャオ(Walter Valentín Gellibert Villao)であり、同職はダニエル・ノボア政権下で任命された。現在、ワルテル・ゲリベルト・ビジャオは、ラ・リベルタにおいてパシフィック銀行(Banco del Pacífico)の法務部門に勤務している。

姉妹のラウラ・パウリナ・ゲリベルト・ビジャオ(Laura Paulina Gellibert Villao)は、サンタ・エレナ公共事業・資産・サービス公社(Empresa Pública de Obras, Bienes y Servicios Santa Elena E.P.)の管理者であり、教育省サンタ・エレナ地区第24D01局の教員としても活動している。

一方、兄弟のワルテル・アルフレド・ゲリベルト・ビジャオは、サンタ・エレナ県立半島大学(Universidad Estatal Península de Santa Elena)の教員であり、同県庁の連携担当局長を務めている。監査庁(Contraloría)は、ワルテル・アルフレド・ゲリベルトがラ・リベルタ郡の市議を務めていた当時、鉱業生産協同組合エル・タビアソ(Cooperativa de Producción Minera El Tabiazo)との協定に関連して、8,070,483.14米ドルの過失による民事責任があると認定している。

また、カルラ・モニカ・ゲリベルト・ビジャオ(Karla Mónica Gellibert Villao)は、ラ・リベルタ自治分権市政府(Gobierno Autónomo Descentralizado Municipal del cantón La Libertad)の市監査官を務め、ホルヘ・ワルテル・ゲリベルト・ビジャオは、サンタ・エレナ県司法評議会(Consejo de la Judicatura)の職員として勤務している。

また、甥・姪についても要職についている。例えばロイ・モラ(Roy Mora)は人間開発省(Ministerio de Desarrollo Humano、旧社会包摂省(MIES))のサリナス市(Salinas)局長を務め、エベリン・モラ(Evelyn Mora)は、サンタ・エレナ県ラ・リベルタにおいてパシフィック銀行の信用・消費・中小企業部門の副支店長を務めている。

 

メディア事業

シンシア・ゲリベルトの父親は2021年に死去しているが、生前はラジオ局サンタ・エレナRSE(Radio Santa Elena RSE)、ラジオ・ヘニアル(Radio Genial)、ラジオ・SER(Radio SER)、および新聞エル・インフォルマティーボ・ペニンスラル(El Informativo Peninsular) の所有者であった。また、エクアドル放送事業者協会(Asociación Ecuatoriana de Radiodifusión:AER)サンタ・エレナ県支部 の支部長も務めていた。

現在、これらのラジオ局の株主および運営責任者は、ジャンニーナ・アナベル・ゲリベルト・モラとワルテル・ヘナロ・ゲリベルト・ビジャオである。ワルテル・ゲリベルト・ビジャオは、現在エクアドル放送事業者協会サンタ・エレナ県支部 の会長を務めている。

 

「プロトコルなし」と題したポッドキャスト

人間開発相サイダ・ロビラ(Zaida Rovira)と、行政公共・内閣担当書記官シンシア・ゲリベルトは、「プロトコルなし(Sin protocolos)」と題したポッドキャストを開始した。番組では、公職者としての立場を脇に置き、職務外の活動や個人的なエピソードについて語っている。第1回は2026年1月21日(水)に公開された。収録はサンタ・エレナ県サリナス市のレストランで行われ、YouTubeに新たに開設されたチャンネルで配信された。番組は約35分間で、冒頭でゲリベルトは次のように語った。

「今日はサンタ・エレナ県にいます。私はここ出身で、アンコン教区(Ancón)の人間です。今日は初めての社会分野セクター別内閣会議の日です」。

番組中、両大臣は笑い声や食事を交えながら、食文化やロビラの食生活、結婚状況、学生時代、公務に費やす労働時間、さらにはダニエル・ノボア大統領の内閣の一員として働く経験について語った。

ゲリベルトは大統領についてこう述べた。「彼は世界一の上司です。非常に優れた人間で、人々のニーズを感じ取る共感力があります。とても厳しく、すべてを“昨日までに”求めるタイプですが、私も同じなので、相性が良いのです」。さらにこう続けた。「彼の話を聞くのが好きです。教授のようで、黒板を使ってとても細かく説明してくれます。まるで教師のようです」。ロビラも同意し、大統領を「聡明で完璧主義者」と評価した。

 

対談では公務外の時間についても話題となり、週末の過ごし方や余暇についても語られた。ゲリベルトは笑いながら次のように述べた。「週末は必ずしも完全に自由になれるわけではありません。責任から100%離れることはできません。でも私は休むのが好きで、パジャマを着てベッドにいるのが大好きです。薄手で、少し穴が空いているようなパジャマです」。

これに対し、ロビラは冗談交じりに返した。「それって、色気を殺すパジャマとか、ゴムが伸び切った蚊帳パンツみたいなやつでしょ。近所に一日中パジャマで歩いているおばさんみたいな」。

その後、話題は私生活、特に恋愛状況に移った。ゲリベルトは「独身ではあるが、ひとりではない」と説明し、「どう解釈するかは皆さん次第です」と付け加えた。ロビラは「何年も前に離婚しており、幸せな離婚です」と語り、ゲリベルトも離婚経験者であることを明らかにした。

番組の締めくくりとして、ゲリベルトは透明性を強調した。「私について何を言われようとも、家族や上司が知っていること以外は問題ではありません。上司は、私がどこから来たのか、誰であるのか、何を持ち、何を持っていないのかを理解しています。それで十分です。ほかのことが、私の夢を少しでも奪うことはありません」。

これに対し、ロビラは人間性の重要性に言及し、社会的に弱い立場にある人々の状況に総合的に向き合うには、強い感受性と共感力が不可欠であると述べた。

 

国家政府、公共サービス改善と汚職対策に向けた措置を強化

行政公共・計画・内閣担当書記長官のシンシア・ゲリベルトは、ダニエル・ノボア大統領率いる国家政府が、汚職撲滅と公共サービスの質向上に向け、より断固とした措置を講じる方針であると発表した。特に国内の病院で深刻な不正が確認されたことを受け、医療制度の改善に重点を置くとしている。

ゲリベルトは、グアヤス県(Guayas)、ロス・リオス県(Los Ríos)、エル・オロ県(El Oro)を巡る業務視察の一環として、地方自治体の当局者と会合を重ね、現地での視察を通じて市民対応の実態を確認した。

マチャラ訪問時には、病院運営における重大な問題点を指摘した。患者向けの医薬品が不足しているとされる一方で、実際には病院内で保管されていた事例が確認されたという。

ゲリベルトは次のように述べている。「ある病院を視察した際、職員から『薬がない』と言われ、患者が外部の薬局に送られていました。しかし実際には、医薬品が病院内で段ボール箱に入れられたまま保管されていたのです」。

同長官は、汚職や非効率が市民に悪影響を与え続けることを政府は容認しないと強調し、公立病院において尊厳ある迅速な医療を保証するための具体的な対策を実施すると断言した。さらに医療分野にとどまらず、治安の強化、公共インフラの改善、そして雨季到来を見据えた防災・リスク管理体制の強化に向け、関係機関の連携を進めていることも明らかにした。

今回のエル・オロ県での業務視察は、公共行政の強化と国民のニーズに直接応えることを目的とした政権戦略の一環である。国家政府は、継続的な現地視察や病院・教育機関への監査、ならびに国家機関間の連携を通じて、公共サービスの改善に取り組む姿勢を改めて示している。しかし自らの政府に対する汚職問題については棚に上げるとともに、国民の目が他者へ行くよう尽くしている。

 

ゲリベルト一家への警護

2026年1月16日以降、行政公共・計画・内閣担当書記長官のシンシア・ゲリベルトおよびその家族には、大統領府軍事局(Casa Militar Presidencial)による特別警護が付けられている。これは、ダニエル・ノボア大統領が発令した大統領令第281号に基づく措置である。

この警護措置は、市民革命運動(Revolución Ciudadana)所属の国会議員モニカ・パラシオス(Mónica Palacios)が、ラ・リベルタ郡にあるゲリベルトの母親の自宅を訪問したことに端を発している。パラシオス議員は、ラ・リベルタ市有地93ヘクタールの売却問題に絡む汚職疑惑を調査しており、購入者ジェニー・ラミレス(Jenny Ramírez)の母親がゲリベルト家の被雇用者である可能性について情報収集を行っていた(詳細はこちら)。

 

参考資料:

1. ¿La familia Gellibert controla Santa Elena?
2. Cynthia Gellibert y Zaida Rovira estrenan pódcast para hablar de sus actividades fuera del cargo
3. Gobierno Nacional toma acciones para mejorar servicios públicos y combatir la corrupción

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