ベネズエラ:油田法部分改正案を可決─石油産業の法制度に変化の兆し

ベネズエラのデルシー・ロドリゲス(Delcy Rodríguez Gómez)大統領代行は、自身が2026年1月15日に国民議会(Asamblea Nacional)に対し提出した油田法(Ley Orgánica de Hidrocarburos)の部分改正案を積極的にフォローしていると発表した。この改革案は、同国のエネルギー主権を強化し、未開発油田の開発や投資誘致を通じて経済成長を促進することを目的としている。ロドリゲスによる提出は「国民への年次報告(Mensaje Anual a la Nación)」の場で行われ、彼女はそこで承認を求めた。

ロドリゲスは、自身のテレグラム(Telegram)公式チャンネルでも、「現在のニーズに適応する法律を整備し、投資を呼び込んでこれまで開発されてこなかった油田の開発に取り組む必要がある」と述べており、「こうした資源開発はベネズエラ国民の幸福につながるべきだ」と強調している。また、この改革は法的枠組みの現代化に不可欠であり、投資環境を改善することでエネルギーセクターへの資金流入を促進し、経済の活性化に寄与することを説明した。

今回の改革案は、国営石油会社(Petróleos de Venezuela, S.A.:PDVSA)の役割を維持しつつ、国内外の企業が油田開発に参入しやすくする仕組みを整えることを狙っている。改正案には、既存の法律を一部修正する条項と新たに18本の条項が盛り込まれており、中でもシェブロン(Chevron)との契約で機能する参加型生産契約(Contratos de Participación Productiva)の導入が特徴となる。このモデルでは、企業が自らの費用とリスクで操業し、環境管理なども自社責任で行うことが前提となる。国は負債を負うことなく、産出量に応じてオペレーターが報酬を受け取る仕組みである。

 

ホルヘ・ロドリゲス(Jorge Rodríguez)国民議会議長は、2026年1月21日に行われた立法活動について、「この法案と他の2本の法案は、国が直面する要求に応じて法的枠組みを調整する必要に応えている」と説明した。議会はこれを「緊急立法(urgencia legislativa)」として迅速に審議しており、国の経済・行政制度に即した形で法整備が進められている。

その他の二つの法案は以下の通りである:

  • 社会経済的権利保護法(Ley de Protección de los Derechos Socioeconómicos)
    経済的困難の中でも国民が基本的な商品・サービスにアクセスできるよう、法的保護を強化することを目的としている。

  • 公的機関の手続き・行政手続き迅速化法(Ley Orgánica para la Aceleración y Optimización de los Trámites y Procedimientos Administrativos de la Administración Pública)
    国民が行政手続きを効率的に進められるようにし、不要な負担や混乱を軽減することを目指す。

 

デルシー・ロドリゲス大統領代行は、油田法改正案の審議を国営石油会社(PDVSA)の労働者と共に注視し、「この改革はベネズエラの発展に資するものであり、国民の福祉向上に寄与する」、また、これら法案が「国が必要とする法的枠組みを強化し、変化する経済・社会情勢に対応するためのもの」と述べ、議会の緊急立法としての対応を説明した。ロドリゲスによると改革案は国内外の投資を呼び込み、未開発油田やインフラ整備の進んでいない地域への資金流入を促すものである。

副石油相のパウラ・エナオ(Paula Henao)は、この改革を「非常に適切なもの」と評価し、ベネズエラにはまだ開発されていない巨大な石油埋蔵量が存在すると指摘した。「この改革はこれから開発される油田の責任ある開発を促進し、国民の生活の質を向上させることを最終目標としている」と述べている。

国民議会は22日に油田法改正案を第一回の審議として可決した。今後、第二回審議を経て、デルシー・ロドリゲス大統領代行が署名すれば、新法として成立する見込みである。公式支持者は、今回の改正が石油セクターの近代化と投資促進につながり、社会インフラ整備など経済全体の発展に寄与すると評価している。支持者は、法改正が投資を呼び込み、原油生産・輸出を拡大することで経済を強化すると期待している。特に未開発地域での油田開発が進めば、ベネズエラの国際競争力を高め、国民の福祉にも寄与するとされている。一方、法改正には慎重な見方もあり、議会内外で引き続き議論が続く構えである。一部報道では、今回の改革により国家管理の緩和や外資企業の参加機会の拡大が進む可能性も指摘されている。

 

米国にとってベネズエラは搾取対象地のみならず未知兵器の実験場だった

ベネズエラのウラジミール・パドリーノ・ロペス(Vladimir Padrino López)国防・主権担当副大統領は、2026年1月22日、首都カラカス(Caracas)のフエルテ・ティウナ(Fuerte Tiuna)で行われた軍教育機関の指導部交代式典において、同国が米国による攻撃で「未知の兵器の実験場」となったと述べた。

パドリーノ・ロペス副大統領は、スイス・ダボス(Davos)で開催されている世界経済フォーラム(World Economic Forum)年次総会に関連する発言を引き合いに出し、米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が語ったとされる「前例のない兵器」が、2026年1月3日に行われた米国による軍事行動で使用されたと主張した。

副大統領は、「我々が今いるこの場所で、世界最強の核保有国である米国による軍事攻撃が仕掛けられた」と述べ、その攻撃で使用された兵器について「これまでの戦闘では誰も使ったことのない技術だ」と強調した。また、この攻撃の結果としてニコラス・マドゥロ(Nicolás Maduro)大統領とその妻であるシリア・フローレス(Cilia Flores)が拘束されたと主張した。

さらにパドリーノ・ロペスは、ベネズエラ軍事大学(Universidad Militar Bolivariana de Venezuela:UMBV)のペレス・ラ・ロサ大将に対し、教育計画「アヤクチョ変革計画(Plan de Transformación Ayacucho)」の見直しを指示したことを明らかにした。副大統領は、教育体系は単に戦闘兵士を育成するだけでなく、戦争の現実を認識できる社会的・人間的な視点を持った人材を育成する必要があると述べ、「今日、戦争は私たち一人ひとりの心の中にある。したがって戦争は認知的な事象であり、それを研究する必要がある」と説明した。

また、ベネズエラ武装軍(Fuerza Armada Nacional Bolivariana:FANB)の最近の組織変更については、「軍の発展と強化の方針に一貫性を持たせるための措置である」と述べ、ベネズエラ武装軍(FANB)の名誉と尊厳は完全に保たれており、義務を果たしていると強調した。また、マドゥロ大統領とフローレス夫人をベネズエラに戻すよう強く求めた。

パドリーノ・ロペスの発言は、米国がベネズエラで高度な兵器を使用したとする政府見解に基づくもので、国際的には独立した検証は示されていないが、ベネズエラ政府はこの主張を国内外に向けて発信している。また、これを受けてベネズエラ軍内部では新たな教育・訓練の必要性が提起されていることも明らかになった。

#DelcyRodríguez #石油 #シェブロン

 

参考資料:

1. Una ley para el desarrollo de Venezuela
2. Presidenta Encargada presenta Proyecto de ley de reforma parcial de la Ley Orgánica de Hidrocarburos
3. Padrino López: Venezuela fue el laboratorio para usar armas desconocidas

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