エクアドル全国ストライキ2025:2日目には何が予想されるか

(Photo: API)

全国ストライキは9月23日、二日目を迎えた。二日目は初日と比較して、さらに規模の拡大が見込まれている。初日には、インバブラ(Imbabura)県、ピチンチャ(Pichincha)県、コトパクシ(Cotopaxi)県内の複数の道路が封鎖された。

今回の全国的な抗議行動には、農民団体、先住民団体、学生団体が参加しており、ディーゼル燃料補助金の打ち切りおよび資源開発プロジェクトに対する反対の意思を示している。

 

全国ストライキ2日目の様子

アスアイ(Azuay)県では、農村先住民組織連盟(Federación de Organizaciones Campesinas e Indígenas:FOA)をはじめとする諸団体が、大規模鉱業に反対する無期限ストライキの開始を発表した。これは、キムサコチャ(Quimsacocha)の環境保護と、カナダ企業ダンディ・プレシャス・メタルズ(Dundee Precious Metals)が運営するロマ・ラルガ計画(Proyecto Loma Larga)への反対を中心とするものである。

住民らは水資源の保護を訴える「水のための行進」に参加するため、街頭に集結した。先住民コミュニティは水の防衛を目的として動員を行っており、労働組合もクエンカ(Cuenca)での行進を通じてこの動きに加わっている。

FOAの会長ラウロ・シグチャ(Lauro Sigcha)は、「我々は8月13日に“水のための蜂起”を宣言し、9月6日にはトゥリ(Turi)、ビクトリア・デル・ポルテテ(Victoria del Portete)、ヒロン(Girón)の水組合との集会でその意思を再確認した。行進後に大統領がライセンス撤回を発表すると期待していたが、そうはならなかった。よって、明日から蜂起を開始する。この運動は、政府からの応答があるまで、必要とされる限り継続される」と述べ、動員を宣言した。同氏は、カナダの企業が政府の発表にもかかわらず依然として現地で操業を続けていると指摘し、「ダニエル・ノボア(Daniel Noboa)大統領は、プロジェクトは停止されたと発言したが、それは虚偽だった」と非難した。

ダンディ・プレシャス・メタルズが高地湿原地帯(palamo)における工事を継続していると住民たちは主張している。運動側は、タルキ(Tarqui)およびモジェトゥロ(Molleturo)の各教区を抗議活動の中心地点とする予定であり、段階的な道路封鎖の可能性も示唆している。

同時に、統一労働戦線(Frente Unitario de Trabajadores:FUT)も抗議行動を発表しており、指導者のオスカル・レイノソ(Óscar Reinoso)は、同23日16時30分よりクエンカ市内にて、ロマ・ラルガ鉱山の採掘中止を求める地域社会を支援する行進を実施すると述べた。ラタクンガ(Latacunga)においても、抗議活動は継続的に展開される予定である。

これらの行動により、アスアイ県における社会的緊張は一層高まっている。地域住民は、自らの領土を潤す水源を守るための闘いであると強調しているが、政府はロマ・ラルガ計画に関連する環境ライセンスの撤回について、依然として明確な回答を示していない。

 

 

首都キト(Quito)では、大学生らが全国ストライキへの参加を表明し、市内主要道路でのデモ行進を呼びかけている。「尊厳は取引されるものではなく、街頭で守られるべきものである」との声明が出されている。統一労働戦線(FUT)は、他の社会団体と連携し、首都キトの主要道路においても抗議行動を実施する予定である。

コトパクシ県では、同県の先住民運動が、ディーゼル補助金を撤廃した政令の撤回がなされるまで、ダニエル・ノボア大統領政権に対する抗議行動を継続すると表明した。コトパクシの先住民・農民運動は全国ストライキをキラ・ライミ(Killa Raymi)の日に開始すると設定しており、一方、開始までに必要な商品を備蓄するよう「抗議活動で予期しない事態を避けるために、事前に備えておいてほしい」と警告していた。

前副大統領候補のパチャ・テラン(Pacha Terán)は、例えばコタカチ(Cotacachi)において同じ日にストライキに参加することを明言した。この文脈において、テランは先住民指導者がオタバロに属するワイコポンゴ(Huaycopungo)、カルキ(Carchi)、エスペホ(Espejo)の各地域で、最近の抑圧に対しコミュニティ内で非常事態宣言を出したことの重要性を強調した。「家に入り込んで指導者を引きずり出し、殴ったのだ。それゆえ、私たちは人権擁護者への呼びかけと先住民警備隊の活動を求めている」と彼女は述べた。

キラ・ライミとは女性性を讃える先住民の祝祭であり、9月21日から22日の間に始まるものである。「これは種まきの時期に始まるため、最初の水を大切にしなければならない」と彼は付け加えた。この概念に基づき、抗議行動は日曜日から段階的に始まる予定である。

インバブラ県においては、オタバロ、コタカチ、イバラ(Ibarra)の先住民団体も、「闘いは続く」との姿勢を明確にしており、道路封鎖および平和的なデモ行進が計画されている。

エクアドル先住民族連盟(Confederación de Nacionalidades Indígenas del Ecuador:CONAIE)は、全国ストライキが継続されることを改めて確認し、各地域がそれぞれの地方集会において独自に方針を決定し、要求事項を追加していくことを明言した。これらの要求は、公衆衛生の危機への対応から政府の経済政策に対する反対に至るまで多岐にわたっている。

 

ラタクンガでの政府支持派の集会と警備体制

9月23日朝、コトパクシ県知事府はバリケードで囲まれ、警察によって厳重に警備されていた。現地メディア『エクストラ(Extra)』によれば、約1,000名の警察官および兵士が抗議活動を阻止していたという。

一方、ダニエル・ノボア大統領の支持者たちも、チンボラソ(Chimborazo)、ボリーバル(Bolívar)、グアヤス(Guayas)、ロス・リオス(Los Ríos)の各県からラタクンガに集結し、同日午前10時に県知事府へ向けて行進を行った。その後、県外のキンタ・ロコア(Quinta Locoa)地区へ移動し、ノボア大統領は観光業従事者に対しマイクロクレジット(小口融資)を提供するイベントを実施した。

#DanielNoboa #CONAIE #エクアドル全国ストライキ2025

 

参考資料:

1. ¿Qué se espera en el segundo día del paro nacional indígena en contra del Gobierno?
2. Paro nacional iniciaría con el Killa Raymi
3. Así avanza el paro en Ecuador: protestas, vías cerradas y detenidos

 

 

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