ラテンアメリカ:新たな蓄積メカニズムのための土地の集中と外国資本による土地取得

(Photo:FAO)

ラテンアメリカおよびカリブ地域における土地所有の問題は、地域における構造的対立の中核の一つであり続けている。何世紀にもわたり、土地は争奪、収奪、そして抵抗の対象となってきた。その結果形成された土地の高度な集中構造は、現在に至るまで維持されており、最も根深い不平等の一形態となっている。

同地域は、広大な肥沃な土地を有し、推定50,000立方キロメートルの淡水資源を擁する世界最大の水資源保有地である。また、戦略的鉱物資源も豊富であり、確認埋蔵量の60%のリチウム、50%の銀、45%の銅、そして世界の約20%の石油を保有している。さらに、地球上で最も豊かな生物多様性を誇る地域でもある。

しかしながら、このような豊かな資源の存在にもかかわらず、数百万にのぼる農民、先住民族、およびアフリカ系住民コミュニティは、依然として安全かつ恒久的に土地へアクセスする権利を持たない状況に置かれている。

一方で、生産可能な土地の大部分は、企業、国内エリート、さらには国外の多国籍アクターといった少数の手に集中している。このような土地の集中は、社会的・経済的格差を助長するだけでなく、政治的、環境的、文化的にも深刻な影響を及ぼしている。

近年の研究によれば、ラテンアメリカおよびカリブ地域において、最も大規模な農場の1%が農業用地の50%以上を支配していることが明らかとなっている。この逆進的な土地所有構造は、近年の新たな蓄積メカニズムによってさらに強化されており、問題は一層複雑化している。

具体的には、自然資源の金融商品化(financiarización de la naturaleza)、越境的な土地の囲い込み(acaparamiento transnacional)、生態系サービスの市場化(mercantilización de servicios ecosistémicos)、投資資産としての土地の集中、そして地籍・土地台帳のデジタル化といった新たな動態が加わっている。

事実として、土地はもはや単なる生産財ではなく、グローバルかつデジタル化された金融資本にとっての戦略的基盤へと変貌を遂げている。投資ファンド、保険会社、銀行、および大手アグリビジネス企業は、もはや単なる生産者ではなく、地域における「領域ポートフォリオ(portfolios territoriales)」の運用者として機能している。

これらの主体は、地理情報システム(GIS)、衛星モニタリング、デジタル登記といった高度な技術インフラを駆使し、土地の取得・管理・投資のあらゆるプロセスを効率化・金融化しているのである。

ルカス・アギレラ(Lucas Aguilera)が著書『新たな段階(Nueva Fase)』の中で定義するように、この「新たな資本主義の段階」は、抽象的な手段、精密技術、そして法的構造を通じて領土支配のメカニズムを拡張している。これらは、土地へのアクセスを民主化するどころか、むしろ過去から続く収奪のプロセスを制度化・合法化する役割を果たしている。

 

このような状況において、現在の土地所有がどのように構成されているのかを理解するには、目に見える土地の集中傾向だけでなく、不可視化された支配や排除の装置も含めて分析する必要がある。土地がエコロジー、エネルギー、食料の各転換において中核的役割を果たしている現代において、土地をめぐる争いはますます戦略的かつ激烈なものとなっている。

本報告書は、ラテンアメリカおよびカリブ地域における土地所有の現状に対し、包括的かつ批判的な視座を提供することを目的としている。実証データ、事例研究、国際機関の文書などを通じて、関与する主要アクター、その蓄積の論理、領域的影響、そして下から湧き上がる抵抗の形態を明らかにしようとするものである。また本報告は、領土を「生の空間」「アイデンティティの場」「文化的再生産の基盤」として捉え、その防衛を中心に据えるオルタナティブな提案を可視化することも目指している。気候、食料、民主主義といった複合的危機の時代において、土地所有体制を再考することは、もはや技術的課題ではなく、政治的な緊急課題である。

本報告書は「農業研究センター(Centro de Estudios Agrarios)」によって作成された。報告書の全文を閲覧するには、月額制のコミュニティへの登録が必要である。

 

『新たな段階』ではどのようなことが述べられているのか

『新たな段階』の著者は、同著においてアルゼンチンの政治過程を扱っており、そこでは社会的な不安が常に表出していることを示している。また、彼のテキストには技術が人類に対して行使する支配も含まれている。

アギレラは人工知能(Artificial Intelligence:AI)が人類に取って代わることは不可能であると考えている。「我々の歴史に対する認識、歴史性は我々自身のものである」と強調し、技術は決して人間の本質や精神性を置き換えることはできないと断言している。しかし、AIが人々を鎖や手かせなしに奴隷状態に置いているという明白な証拠が存在するとも述べている。技術の到来によって、演劇や書籍の発表、芸術作品といったもっとも単純で日常的な楽しみが奪われてしまった。アルゼンチンの作家は「認知的な時間のうちどれだけを携帯電話に費やすのか」と問いかけている。さらに、人間は自己のために生き、思索や精神性、娯楽などを通じて知的に養われる時間を活用すべきであると強調している。そのため、技術を通じて「革命的な情報、人類を目覚めさせる情報」が流通すべきであると考えている。

ラテンアメリカ・カリブニュース(Noticias de América Latina y el Caribe:Nodal)編集長のパウラ・ヒメネス(Paula Giménez)は、活動的な省察から、本書が「資本主義のデジタル化(digitalización capitalista)」と呼ぶものによってもたらされた変革を示そうとしていると説明した。彼女はマルクス主義が本書の創作を導いた理論的枠組みであり、「新たな段階がいかに人民の権力構築や野蛮な資本主義に対する抵抗のルールを変えるのか」という仮説を提示していると述べている。

 

参考資料:

1. Concentración y Extranjerización de tierra en Latinoamérica
2. Lucas Aguilera plantea en “Nueva Fase” la necesidad de humanizar al mundo

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