(Photo:DIEGO CUEVAS)
元大統領であり、元上院議員でもあるアルバロ・ウリベ・ベレス(Álvaro Uribe Vélez)は、贈賄および司法手続詐欺の罪により、第一審において12年の自宅軟禁刑(prisión domiciliaria)を言い渡されている。それにもかかわらず、同氏は再びコロンビア共和国における最も保守的な勢力を自らのもとに結集させようとしている。その一環として、2026年の国会議員選挙への出馬の意向を表明した。
この発表は、同氏が創設し、現在は終身名誉代表を務める政党「民主中道党(Centro Democrático)」の現代表であるガブリエル・バジェホ(Gabriel Vallejo)によって、2025年9月10日(水)に突然明らかにされたものである。
バジェホは記者団に対し、「現在のところ、唯一確定している候補者はアルバロ・ウリベ・ベレスであり、上院議会の候補者名簿において25番目に配置される予定である」と述べた。
メデジン出身の73歳のウリベは、21世紀におけるすべての主要な選挙において、直接的または間接的に主役を担ってきた人物である。来年実施される立法選挙および大統領選挙においても、その影響力は例外ではない。
ただし、同氏の立候補は依然として司法判断に左右される状況にある。というのも、今回の立候補表明は、「世紀の裁判(el juicio del siglo)」と称される事件に関連し、現在係争中の控訴審において判決が確定した場合に適用される、公職就任禁止8年間という処分への挑戦でもあるからだ。
名簿の25番という後方順位は象徴的である。これは、コロンビア右派を代表する政党である民主中道党が、現在の19議席から少なくとも25議席への議席拡大を目指すという強い意志を示すものである。
アルバロ・ウリベ、左派政権を強く非難
元大統領アルバロ・ウリベは、第一審での有罪判決を受けた先月の公判中、自らの発言によって再び注目を集めた。「この年齢になっても、この判決は私にとって、コロンビアのために闘い続け、私に影響を与えているこれらの異常事態を告発し続ける動機となっている。プロセスがこのまま続けば、いずれ他の同胞にも影響を与えるであろうネオ共産主義独裁の確立が進行している」と述べ、現政権に対する強い批判を展開した。
ここで言及されたのは、コロンビア共和国の左派政権を率いるグスタボ・ペトロ(Gustavo Petro)大統領である。ウリベとペトロ大統領はイデオロギー的に対極に位置しており、ペトロ政権の任期は残り1年を切っている。
さらにウリベは、「私に対する有罪判決は、法ではなく政治が優先された結果である」と述べ、司法の中立性に疑問を呈した。
分断の象徴、それでも政治の最前線に立ち続ける
「強い手と大きな心(mano firme y corazón grande)」というスローガンで知られる元大統領は、コロンビア現代政治において、最も評価が分かれ、かつ最も情熱的な支持と激しい反対を集める人物の一人である。同氏は、1991年憲法により導入された決選投票制度(balotaje)の下で、第二回投票に至ることなく、第一回投票で過半数を獲得して当選した唯一の大統領である。また、在任中には憲法を改正し、自身の再選を可能にした実績も持つ。ウリベ派(uribismo)は今回の判決を受け、より攻撃的な言動を強めており、指導者への支持を訴えるデモを組織するなど、「政治的迫害」であるとの訴えを一層強調している。
和平反対の急先鋒
アルバロ・ウリベ・ベレスは、2010年に8年間の大統領任期を終えて退任した後も、コロンビア共和国の選挙政治において重要な現象であり続けてきた。後任のフアン・マヌエル・サントス(Juan Manuel Santos)大統領の2期(2010年〜2018年)においては、旧コロンビア革命軍(Fuerzas Armadas Revolucionarias de Colombia:FARC)との和平交渉に対する最も強硬な反対派として行動し、2016年末に締結された和平合意にも最後まで強く反対した。
この政治的対立の中で、ウリベは宗教保守派や右派勢力を結集させ、自らが創設した政党「民主中道党(Centro Democrático)」のもと、イバン・ドゥケ(Iván Duque)を大統領府(Casa de Nariño)へと押し上げる原動力となった。ドゥケは2018年から2022年まで大統領を務め、現大統領グスタボ・ペトロの前任者にあたる。
歴史的得票と右派運動の確立
同じ選挙サイクルにおいて、ウリベは政党名簿の筆頭候補として出馬し、87万票を獲得した。これは、コロンビア上院議員選挙史上最多得票であり、この結果を受けて、同氏の周囲には実質的に急進右派の立場を体現する政治潮流が形成された。
大統領在任中は極めて高い人気を維持していたが、近年の世論調査においては支持率の持続的な低下が見られる。調査会社「Cifras y Conceptos」による最新の調査によれば、政党支持率において「民主中道党」に親近感を抱くと回答した者は10%にとどまり、左派連合「歴史的協定(Pacto Histórico)」の17%に次ぐ第2位となっている。「歴史的協定」は、グスタボ・ペトロ大統領を政権に導いた政治連合体である。
司法プロセスの発端と逆転劇
ウリベを現在追い込んでいる司法プロセスは、2012年にまでさかのぼる。この年、ウリベ自身が上院議員イバン・セペダ(Iván Cepeda)を告発し、同氏が刑務所内の偽証者を用いてウリベを準軍事組織(paramilitares)の活動に関与させようとする陰謀を企てたと主張した。
しかし、事態は2018年に大きく転換した。コロンビア共和国最高裁判所はセペダの起訴を見送り、逆にウリベ氏自身が証人に働きかけて証言を翻させ、セペダを虚偽告発させた疑いがあるとして、ウリベに対する捜査を開始するよう命じたのである。
ウリベは同裁判所の管轄を避けるため、上院議員を辞職し、通常の司法制度に訴訟の場を移そうとしたが、それによっても裁判の進行は停止されず、長期にわたる審理が続いている。
参考資料:
1. El expresidente Álvaro Uribe vuelve a ser candidato al Senado de la República de Colombia
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