エクアドル:アフロ系子孫の国際デーを記念して初のフォーラムとガストロノミーフェアを開催

(Photo:C.R.E. Satelital)

2025年8月31日、国際連合が2020年12月16日の第75/170号決議により制定した「アフリカ系の人々のための国際デー(International Day for People of African Descent)」を記念し、グアヤキル市の政府庁舎(Gobierno Zonal)講堂にて、「第1回アフロ系子孫記念フォーラム(el Primer Foro Conmemorativo por los Afrodescendientes)」が開催された。

この催しは、諸民族・諸国民の管理と発展を担う事務局(Secretaría de Gestión y Desarrollo de Pueblos y Nacionalidades:SGDPN)によって企画され、同事務局の長官であるフリア・アングロ・ヒロン(Julia Angulo Girón)が主導した。アングロ長官は、アフロ系エクアドル人の権利を可視化し、擁護することの重要性について「2022年には、アフロ系住民に対して統計的ジェノサイドが行われた。実際には71万人以上のアフロ系エクアドル人が存在していたにもかかわらず、統計上から排除され、人口比率は7.1%からわずか4.8%にまで減少させられた。本来であれば8%を超えているはずである。だからこそ、アフロ系エクアドル人の伝統、歴史、文化、そして権利の可視化と回復のために、今すぐ行動を起こす必要がある」と強調している。

 

記念行事の一環として、アフロエクアドル料理のガストロノミーフェアが開催され、地元の7人の起業家が参加し、エスメラルダ県の料理の豊かさと多様な味わいを紹介した。

さらにSGDPNは、以下のアフロ系エクアドル人の著名人に表彰を贈った。

  • イバン・ウルタード(Iván Hurtado)(元サッカー選手・元ナショナルチームキャプテン、国の歴史に残る守備者の一人)

  • マリー・キニョネス(Mary Quiñónez)(集団的権利と市民参加の擁護で知られる社会運動指導者)

  • レニン・ウルタード(Lenin Hurtado)(弁護士・政治家、1999年に暗殺された初のアフロ系国会議員ハイメ・ウルタード・ゴンザレス(Jaime Hurtado González)の息子)

 

この取り組みにより、同事務局はアフロエクアドル人の包摂、承認、権利擁護を推進する公共政策の実施に対するコミットメントを再確認し、その歴史的・文化的遺産と、国の発展における貴重な貢献を称えている。

 

第2回サレジオコミュニティの若者交流会

2025年8月29日から31日にかけて、エスメラルダス市で「第2回サレジオコミュニティの若者交流会(el segundo encuentro juvenil de la comunidad salesiana)」も開催された。この交流会は、アフロ系エクアドル人の若者たちの社会文化的現実を議論することを目的としている。この交流会にはグアヤキル、サント・ドミンゴ・デ・ロス・ツァチラス、サン・ロレンソ、エスメラルダスの3つの州から約200名の若者が参加した。

8月29日に、フィスコミショナル・マリア・アウシリオドーラ教育施設(Unidad Educativa Fiscomisional María Auxiliadora)で開催された活動では、参加者がグループに分かれて、自身のアフロのアイデンティティに基づく脆弱な状況について、ポスターを用いて体験を共有した。

サンタ・マルタ地区、エスメラルダス川のほとりに住むサヨア・エスコバル(Sayoa Escobar)は、約20人の若者が週に3回、サン・フェリペ・ネリ(San Felipe Neri)プログラムのリハーサルや文化表現活動に参加していると述べた。この組織はサレジオ・コミュニティに属し、エスメラルダス市の中心部で、リスクのある子どもたちを対象に、遊び、音楽、スポーツなど多様な活動を通じて社会的影響を与える事業を展開している。

サン・ロレンソ・デル・パイロン(San Lorenzo del Pailón)出身のカルロス・バレンシア(Carlos Valencia)は、グアヤキルのナイジェリア地区でアフロ系若者と共に活動している。暴力やグローバリゼーションの影響によって困難な状況にあるため、アフロエクアドル人の民族文化とルーツを守るために逆風に立ち向かって活動していると述べた。また、アフロ系エクアドル人の若者たちは、健全な環境、正義、教育、そしてまともな仕事へのアクセスを求めているとした。

 

アフロ系の若者にとって肌の色で汚名を着せられないことも重要である。アフロ系住民は主にグアヤキルの(西部)郊外、イスラ・トリニタリア(Isla Trinitaria)、エスメラルダス・チキート(Esmeraldas Chiquito)、ラス・マルビナス(Las Malvinas)、ソシオ・ビビエンダ(Socio Vivienda)、クリスト・デル・コンスエロ(Cristo del Consuelo)などの地区に居住している。そこでサレジオ会が支援活動を展開しているとバレンシアは述べた。

サン・ロレンソ・デル・パイロン(San Lorenzo del Pailón)、エスメラルダス北部の国境地域にあるマリンバ(marimba)グループのロマリオ(Romario)とカタレヤ(Kataleya)にとって、高校卒業後に直面する最初の問題は高等教育へのアクセスである。

これに加え、新しい世代のダンスやマリンバを支援・促進するための当局や機関からのサポートの欠如も課題であると、6月5日地区(barrio 5 de Junio)のグループのメンバー、ベレニス・ソリス(Berenice Solís)は語った。

アフロ系エクアドル人の若者人口は国内で5%未満と推定されており、主にコスタ(Costa)地方に集中している。彼らは差別、貧困、教育や雇用といった基本的サービスへのアクセス不足などの課題に直面している。

エスメラルダスのアフロ系女性と多様な女性のネットワーク(Corporación Red de Mujeres Afro y Diversas de Esmeraldas)コーディネーターのレインディ・ベネット(Leindy Bennet)は、この組織の貢献の一つとして、黒人コミュニティのルーツとアイデンティティの強化に重要な役割を果たすこうした場の提供を挙げた。

エスメラルダス県においては、教育省(Ministerio de Educación)と連携し、36校の民族教育(etnoeducación)学校の設置が実現されたことが詳細に報告された。この取り組みの目的は、先住民族およびアフロ系子孫の民族と国民の文化的アイデンティティおよび認識を強化し、彼らの知識、知恵、そして世界観を教育システムに統合することである。

サレジオ会プロジェクトのコーディネーターであるマリオ・ラモス(Mario Ramos)は、この活動がエスメラルダス・アフロ・パストラル(Pastoral Afro Esmeraldas)と調整されており、協会グループ(grupos asociativos)と共に活動していると述べた。これはモロナ・サンティアゴおよびボリバルの先住民ネーション(nacionalidades indígenas)とも同様に行われている。代表団は誇り高く伝統衣装をまとい、観客を魅了するダンスパフォーマンスも披露した。文化的豊かさ、精神性、そして友情に満ちたこの若者の一日は、アフロ系ミサで8月31日に締めくくられた。

#Afrodescendiente

 

参考資料:

1. Gobierno conmemoró Día Internacional de los Afrodescendientes con primer foro y feria gastronómica
2. Jóvenes afrodescendientes debaten vulnerabilidades y soluciones en encuentro salesiano
3. Secretaría de Pueblos y Nacionalidades conmemora el Día Internacional de los Afrodescendientes con Foro y Feria Cultural

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