エクアドル:MICC、レオニダス・イサ元CONAIE代表に対する「暗殺未遂」を告発

(Photo:@LeonidasIzaEc / X)

エクアドルのコトパクシ県にある先住民農民運動(Movimiento Indígena y Campesino de Cotopaxi:MICC)は、同国の先住民団体「エクアドル先住民族連合(CONAIE)」の元代表であるレオニダス・イサ(Leonidas Iza)に対する「暗殺未遂事件」を告発した。事件は、エクアドル警察の情報機関の職員によって行われたとされている。また、同団体は、政府のダニエル・ノボア(Daniel Noboa)政権がその指導者たちの命に対するあらゆる攻撃に責任を負うべきであると述べている。

「我々は、8月18日に発生した出来事について、絶対的な強さで告発する。エクアドル警察情報機関の職員がサン・イグナシオ(San Ignacio)のコミュニティに侵入し、恐怖を撒き散らし、我々の同志レオニダス・イサの命を狙った」と、同団体の声明は述べている。

 

 

イサは、2023年8月9日までCONAIEの議長を務めており、7月20日の選挙で新しい指導者マルロン・バルガス(Marlon Vargas)が正式に組織の指導権を受け継いだ。また、イサは最近行われた大統領選挙で、ダニエル・ノボアに次ぐ第3位となった。

 

レオニダス・イサも自身のXを通じて本事象を告発している。当人によると8月18日(月)の午後2時40分頃、コトパクシのトアカソ(Toacaso)区プランチャロマ(Planchaloma)にあるイサの自宅の外で、3人の情報機関職員がイサの活動を追跡し、無断で写真や動画を撮影していた。この行為は、地域の政府による事前の許可や認識を得ていないものであった。

エクアドル共和国憲法は、先住民の領土をコミュニティ政府によって統治される管轄地として認めており、誰であったとしてもその地域に入るには地域政府の協力を得る必要がある。しかし、これら情報機関職員はその規定を無視し、私邸周辺で監視活動を行っていた。イサがその行動について問いただすと、彼らは高速で逃げようとするとともに、イサをひき殺す危険をもたらした。

この事件は、イサの人権に対する新たな政治的迫害である。諜報者たちに撮影された映像を見せるよう求めたところ、彼らの電話には少なくとも今年1月からの追跡記録があり、イサの自宅だけでなく、国内のさまざまな場所でも監視活動が行われていたことが判明した。

このような行為は、イサが不当に投獄されたり、2025年6月の暗殺未遂事件をはじめとする過去の被害と同様に、イサの人権を侵害するものである。この新たな脅迫行為と、政府の情報機関を用いた迫害および犯罪化に対して断固として反対する、とイサは強調している。

イサはエクアドル政府に対して、イサ自身、妻、子供たち、そして家族やコミュニティの他のメンバーに何かが起きた場合、その責任を取るように求めている。このような人権侵害が、権力による不正義に対する先住民の声を黙らせるわけではない。そう述べ、イサは関係機関に対し、イサを含む家族の安全、コミュニティ、組織への脅威に対する調査を求めている。

 

MICCもまた「この犯罪は孤立した出来事ではない。それは、我々の組織構造や、経済的エリートに仕える政府に対して声を上げる者たちに対する、体系的な迫害、嫌がらせ、死の脅迫、名誉毀損の政策の継続である」と、指摘している。同団体は、現在エクアドルで起こっている状況について「これは民主主義ではなく、富裕層によって偽装された独裁制であり、国家の暴力と恐怖によって支えられている」と断言している。

 

体系的な追跡

イサは、CONAIEの指導者であった頃、すでに追跡を受けていたことを明かしたが、組織の指導権を交代させた際、それが終わったと思っていたと語った。しかしそうではなかった。「これは体系的な迫害である」と、彼は記者会見で述べた。先住民元指導者は、コトパクシにある自分のコミュニティに戻る決心をしたことを明かし、8月18日(月)に新しい住まいの修理をしていた際、車に乗った男たちが通りかかり、自分を撮影していることに気付いたと話した。

イサによると、「2人の警察官」がアンバト(Ambato)からタクシーを使い、彼の動向を追跡し、監視していた。男たちは彼が住む場所を3度にわたり撮影したことから、イサは車を止めるために外に出て警察官に声をかけ、行動の理由を問いただそうとした。警察官は運転手に対して「ひき殺せ」と命じ、「さっさと通り過ぎろ」と要求した。しかし、運転手は車を停止させ、拒否したという。

車が停止した後、イサはその車の乗客になぜその場所にいたのかを尋ねたところ、男たちは警察で、自分たちが国家情報機関の命令で行動していたと告白したという。彼らによると情報機関のシステムには、彼の命を狙う攻撃の警告があったため、「内部手続きとして『私(イサ)の命を守るために来た』と言ってきた」。しかしそのすぐ後に、イサが「公に声明を出したことが理由で、国の政府や上層の警察官が、詳細な追跡を指示した」、イサの命を奪うのが目的でもあったと語ったという。国家警察や政府はこの件についてまだ声明を出していない。

イサによると「インテリジェンス法の施行が、こうしたことを可能にしている」と断言した。インテリジェンス法は、政府が推進した三つの物議を醸す法案の一つであり、最近、社会団体や労働組合が提出した違憲訴訟の結果、憲法裁判所によって一時的かつ部分的に停止された。コトパクシの先住民運動は、「ダニエル・ノボアの部下たちがこの作戦に関与していることを公に暴露し、情報機関の関与者を処罰し、先住民に対する政治的迫害の機構を止めるまで、永久的かつ無期限に警戒態勢を維持する」と宣言した。

 

先住民司法の審理準備

レオニダス・イサに対する諜報活動を行なっていた3人の警察官は現在、サン・イグナシオコミュニティのメンバーによって調査されている。国家警察も状況を分析し、警察官を解放するための方法を模索している。

これらの警察官は、市民安全と公共秩序のための国家情報部隊(Unidad Nacional de Inteligencia para la Seguridad Ciudadana y Orden Público)に所属していたとされている。

イサの記者会見によると3人の警察官はこの後、先住民司法のプロセスにかけられる。また、19日(火)には彼らが弁明するための公開審理が行われる。「現在、彼らは先住民司法の調査プロセスにかけられている。ここでは誘拐されているわけでも、拘束されているわけでもない…コミュニティが行っていることは、ただ調査をしているだけだ」とイサは述べた。

MICCは、33の組織と510のコミュニティを代表し、「情報機関職員に対する処罰が行われ、先住民に対する政治的迫害の機構が停止されるまで、無期限の永久集会を開く」と宣言した。また、エクアドルの先住民や国際社会に対し、「国家の権威主義とテロリズムが国に導入されることを防ぐため、警戒を怠らないよう呼びかけた」。また、エクアドルの先住民や国際社会に対し、「国家の権威主義とテロリズムに警戒し、反応するよう呼びかけた」。

CONAIEは声明を通じてこの情報を確認し、これらの行動は憲法および国際労働機関(OIT)の第169号条約に基づく先住民の管轄権に従って行われることを再確認した。また、地域社会や基盤団体によって採られた行動を支持しており、これらの団体は「事実を解明するために調査とコミュニティ司法のプロセスを開始した」と述べている。

コトパクシ北部農民組織連盟(Unión de Organizaciones Campesinas del Norte de Cotopaxi:Unocanc)は、火曜日の午後3時30分に、17時からコミュニティによる先住民司法の審理が開催されることを発表した。審理内容は以下の通りである:

  • 先住民司法裁判所の設立と審理の開始

  • サン・イグナシオコミュニティでの「情報機関職員の浸透」に関する決定

  • 先住民判決の読み上げと承認

#LeonidasIza #DanielNoboa

 

参考資料:

1. Indígenas de Ecuador denuncian un «intento de asesinato» contra exdirigente Leonidas Iza
2. Tres policías retenidos en Cotopaxi tras el supuesto intento de asesinato a Leonidas Iza
3. Denuncian en Ecuador intento de asesinato a líder indígena Iza
4. Iza denuncia supuesto intento de asesinato; policías enfrentarán audiencia de justicia indígena

 

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