(Photo:Lima Airport)
2025年5月15日木曜日午後7時55分、ホルヘ・チャベス国際空港(Aeropuerto Internacional Jorge Chávez)は歴史における新たな節目を迎えた。それは、アルゼンチン・ブエノスアイレス発のアルゼンチン航空(Aerolíneas Argentinas)の航空機は約160名の乗客を乗せ初めてホルヘ・チャベス国際空港の新ターミナルに着陸したためである。これにより、最新鋭のターミナルにおける「試験運用(マルチャ・ブランカ)」の正式な開始が宣言された。試験運用は国際便に必要なすべてのシステムの運用開始も意味している。例えばチェックイン、出入国管理、安全検査、税関業務、搭乗・降機、トランジット中の乗客対応サービスなどである。
最初の乗客たちが出入国審査を通過する数分前、新ターミナルの構内放送システムから次のような歓迎のアナウンスが流された。「新しいホルヘ・チャベスへようこそ。本日、私たちはこの新ターミナルの扉を開き、より多くの目的地、より多くの物語、そしてより多くの人々をつなげるという感動と共に歩みを始める。この離陸の一部となってくださり、ありがとうございます。あなたの旅はここから始まる」。
22歳の若者であるゴンサロ・ワイスマン(Gonzalo Waisman)は、新空港に最初に到着し、施設を体験した外国人として特定された人物である。彼は起業家であると自己紹介し、新ホルヘ・チャベス空港のインフラに驚いたことを語った。彼は「空港はとてもモダンで、とても素晴らしい。たくさんのプレゼントももらって、とても嬉しい」と述べた。また、到着時に受けた温かい歓迎に対する喜びも表現し、「ペルーの皆さん、新しい空港おめでとうございます。ここに来られてとても嬉しい」と語った。この若者は、到着時に受け取ったプレゼントについてもコメントしており、チョコレートなどの贈り物のほか、まだ開封していないサプライズもあると述べた。一方、空港の一部のシステムはまだ完全には作動しておらず、手続きは手動で行われたことも明かした。しかしながら、彼は目にした技術レベルについて次のように称賛した。「全体的に非常にテクノロジーが発達している印象だ。ペルーにおめでとうを言いたい」と。
運輸通信大臣セサル・サンドバル(César Sandoval)は、この初運航の到着を監督し、経済大臣ラウル・ペレス・レジェス(Raúl Pérez Reyes)、観光大臣ウルスラ・レオン(Úrsula León)、カヤオ市長、ドイツ大使と共に立ち会った。また、運輸副大臣イスマエル・スッタ(Ismael Sutta)、民間航空局長ドナルド・カスティジョ(Donald Castillo)をはじめとする各関係当局の職員も参加した。この試験運用の段階は、すべての運用プロセスを精査・最適化し、6月1日に予定されている新ターミナルの全面的な運用開始に向けた、安全かつ効率的な移行を確保する上で極めて重要である。初の出発便もアルゼンチン航空によって運航され、目的地はブエノスアイレスであり、午後10時40分に出発した。
新空港の公式な開業は6月1日である。それに先立つ試験運用では、リマ空港パートナーズ(Lima Airport Partners:LAP)および航空関係コミュニティと協力しながら、新空港の機能が正しく作動することを確認する。この期間中は、限られた航空会社の機材を用いて運用テストを実施し、潜在的な問題点を洗い出して修正することを目的としている。
この段階に参加している航空会社は以下の5社で、1日あたり平均して8〜10便が運航される見込みである:
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アルゼンチン航空(Aerolíneas Argentinas)
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エア・ヨーロッパ(Air Europa)
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ボラリス(Volaris)
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アラジェット(Arajet)
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ウィンゴ(Wingo)
新ターミナルへのアクセスを円滑にするために、運輸通信省(MTC)は、総距離4.2キロメートルのモラレス・ドゥアレス通り(Avenida Morales Duárez)の全面近代化工事を完了させた。投資額は4,000万ソル(約15億円)を超え、新舗装、最新の交通標識、スマート信号機システムなどが整備された。新ターミナルは現行の空港に隣接しているが、完全に異なるインフラ構成で運営されていることから、乗客や送迎者にとっての交通や物流の流れの再編成が求められている。
6月1日には、午前0時から正午12時までの間に、旧ターミナルから新ターミナルへの最終的な運航移行が行われる。この移行期間中、空港サービスは一時的に停止される予定であり、これは国際的にも一般的な運用移行手続きと一致している。この作業は、安全で秩序ある効率的な始動を確保するために、綿密に計画されている。
この画期的な出来事により、運輸通信省は、国内航空輸送の近代化と、世界水準の空港インフラの提供に対する責任と取り組みを改めて表明した。
新ターミナルにおける電子ゲートの利用
ペルー国家移民監督庁(Superintendencia Nacional de Migraciones)は、6月1日から、ホルヘ・チャベス国際空港の新ターミナルにおいて、19台の電子ゲートおよび新しいデジタル事前登録システムを稼働させると発表した。これにより、旅行者はより迅速かつ安全に出入国審査を行うことが可能になる。
内務省(Ministerio del Interior)に属するこの機関は、このサービスがペルー国民および国内在住の外国人のうち、成人かつ有効期限まで少なくとも6か月以上残っている有効な電子パスポートを所持している者を対象に提供されると述べている。
これにより旅行者は長蛇の列に並ぶことなく、また、審査官と直接接触することなく、数分で出入国審査を行うことができるようになるとされている。
この制度の利用にあたっては「ミグラチェック(Migracheck)」というプラットフォームから手続きを行うこととなる。旅行者は国際線フライトの出発の48時間前以内に事前登録オンラインで行う。なお、事前準備として移民監督庁(Migraciones)の公式ウェブサイト(www.gob.pe/migraciones)にアクセスしアカウントの作成が必要となる。一度アカウント作成した後は、以下の3つの手順を完了することで、電子ゲートを利用できるようになる。手続きのプロセスは以下の通り。
初回のみ:
www.gob.pe/migraciones にアクセスしアカウントを作成する。
毎回実施:
1. パスポートまたは渡航書類の情報を登録し、認証する。
2. 簡単な出入国審査用の質問票に回答する。
3. フライト情報(便名および直近の目的国)を確認する。
新ターミナルの出入国エリアには、19台の電子ゲートが設置され、事前登録を完了した利用者専用として稼働する。この自動化への移行期間中は、他の乗客にも対応できるよう、窓口数および審査官の人数が増員されている。
なお、事前登録で申告された情報はインターポール(Interpol)、手配書、ならびに太平洋同盟(Alianza del Pacífico)のデータベースなど、国内外の警戒システムと自動的に照合される。このプロセスにより、阻害要因のない乗客の通過が容易になり、安全性と効率が一層高まることが保証されている。
上述の通りこのシステムは、ペルーに居住する18歳以上の者のみに適用される。子どもや青少年、またはペルーに居住していない外国人と共に旅行する乗客の場合には、従来の窓口を通じた出入国審査が継続して実施され、また、該当する書類の確認も行われる。
参考資料:
1. Migraciones pondrá en funcionamiento prerregistro digital y puertas electrónicas en el nuevo aeropuerto Jorge Chávez
2. MTC: Primer vuelo internacional arriba con éxito al nuevo Aeropuerto Internacional Jorge Chávez
3. Aterriza primer avión en el nuevo Jorge Chávez: vuelo llegó desde Argentina
4. Primer pasajero en llegar al nuevo Aeropuerto Jorge Chávez quedó fascinado: “en Argentina no tenemos, parece Europa”
5. Nuevo Aeropuerto Jorge Chávez se encontrará listo para operar a partir de diciembre del 2024
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