アマゾニア先住民族:犯罪拡大の告発とグローバルな行動を国連でで呼びかける

(Photo:Amazon Watch)

毎年4月、ニューヨーク市の中心で国連先住民族問題常設フォーラム(Foro Permanente de las Naciones Unidas para las Cuestiones Indígenas:UNPFII)が開催される。このイベントでは、世界中の先住民族が集まり、彼らの領土における権利の状況を可視化し、共同での権利主張を推進する方法について議論する。

先住民族問題常設フォーラム第24回会期においては、アマゾンの先住民族リーダーたちから明確で緊急のメッセージが伝えられた。犯罪組織と違法経済がアマゾンを荒廃させ、先住民族の生存を脅かしているというものだ。

エクアドル・アマゾンのナポの先住民族組織連合(Federación de Organizaciones Indígenas del Napo:FOIN)で教育・文化・女性問題担当のリーダーであるネリー・シグアングオ(Nely Shiguango)は、ラテンアメリカ全体の34の先住民族組織を代表し、国連で発言した。彼女は、麻薬密売、違法鉱業、人身売買、その他の違法活動の拡大について具体的な回答を求める集団書簡を発表した。

「これらの犯罪経済は私たちの川を水銀で汚染し、私たちの食糧源を破壊し、私たちの健康と生計を損ない、コミュニティに恐怖を撒き散らします。リーダーを殺し、若者を勧誘し、私たちを領土から追い出している」。一方「私たちが先住民族の権利宣言を実施することについて話すことができるのは、私たちが殺されていることを認めるときだけである」とシグアングオは本会議で述べた。

 

先住民族の地球の守護者への連帯

先住民の逆境に対する勇気は、我々が先住民族の命を守り、アマゾン熱帯雨林と我々の地球気候を守るために努力を倍増させるインスピレーションを与えるものである。

シグアングオは、フォーラムに対して、アメリカ大陸人権委員会(Comisión Interamericana de Derechos Humanos:CIDH)に対して、犯罪組織が先住民族に与える影響に関する専門的な報告書を作成し、先住民族の領土ガバナンス、異文化健康、安全なコミュニティ、伝統的な生計の保護を強化するための具体的な提言を求めた。

彼女の証言は、最近発表された報告書『金、ギャング、ガバナンス:犯罪組織による支配下にある先住民族コミュニティ(Oro, pandillas y gobernanza: comunidades indígenas bajo el control del crimen organizado)』に基づいている。この報告書では、ナポ県での違法鉱業活動の急増について詳述しており、わずか1年で金鉱採掘が500ヘクタール以上拡大し、スマコ・ナポ・ガレラス国立公園(Parque Nacional Sumaco Napo-Galeras)のような保護地域にも侵入してきていること、さらに、水銀汚染がナポ川を汚染し、キチュアのコミュニティと地域の生物多様性に深刻な影響を与えていることが報告されている。

ペルーアマゾンから、シピボ・コニボ族の指導者であり、アマゾン先住民族開発機構(Asociación Interétnica de Desarrollo de la Selva Peruana:AIDESEP)副会長のミゲル・ギマランエス(Miguel Guimarães)は、影響を受けた地域からの強い声明でこの呼びかけを強調した。

「フォーラムは、犯罪組織と麻薬密売や違法鉱業といった違法経済が私たちの民族にとって存在の脅威であることを正式に認めるべきである。私たちは環境犯罪に関する国際プロトコルの策定に参加すべきであり、先住民族の守護者の保護メカニズムと先住民族主導の経済的代替案への資金提供が必要である。これらの措置が取られなければ、私たちの領土での軍事および警察の介入が引き続き私たちの命を危険にさらし続けることになる。私たちに尊厳ある生計がなければ、文化も領土も守れない」と彼は語る。

最近のウカヤリでの出来事が、先住民族リーダーたちの訴えに深い影響を与えている。フロール・デ・ウカヤリ(Flor de Ucayali)のコミュニティで農場を運営していた先住民族リーダー、ホセ・ウゴ・ブリオネス・タリクアリマ(José Hugo Briones Taricuarima)を武装した攻撃者が3度も銃撃した。このコミュニティはミゲルのコミュニティでもあり、この攻撃は違法なコカのプランテーションの拡大と、それに対抗する国家主導の積極的な撲滅措置によって引き起こされたものであり、地域全体で警鐘が鳴らされている。ウカヤリ・アフルエンテス先住民コミュニティ連盟(Federation for Ucayali and Afluentes Native Communities:FECONAU)や法律擁護協会(Instituto de Defensa Legal:IDL)などの先住民族組織やその支援者は、暴力を公に非難し、即時の保護と正義を求めている。この事件は、先住民族の守護者が直面している危険な状況を浮き彫りにし、ミゲルが強く呼びかけている国際的なメカニズムの必要性を強調している。

その週、先住民族代表団は、メキシコとデンマークの常駐代表団の代表者、そして現在国連常設先住民族問題フォーラムのメンバーであるダリオ・メヒア(Darío Mejía)との高レベルの会談を行い、提案に対する支援を表明し、国際的な場での先住民族の継続的な参加の重要性を強調した。

フォーラムに提出された主な提言は以下の通りである:

  • 犯罪組織と違法経済を先住民族にとっての存在的脅威として正式に認識すること。
  • 国連薬物犯罪事務所(UNODC)や国際組織犯罪防止条約(UNTOC)における先住民族の恒久的な代表を保証すること。
  • 環境犯罪に関する国際プロトコルの策定に先住民族代表を参加させること。
  • 先住民族の守護者や先住民族主導の経済的取り組みに対する効果的な保護措置と資金提供を確立すること。

代表団はまた、「アマゾンの地下世界(Inframundo Amazónico)」という最新の調査結果も共有した。この調査は、犯罪組織がアマゾンの先住民族領土の62%以上に浸透していることを明らかにしている。この報告書では、これらの違法経済がどのように人権を侵害し、コミュニティの結束を弱め、重要な生態系を破壊しているかが記録されている。

この代表団の国連での活動は、アマゾン・ウォッチ(Amazon Watch)のような支援組織によって実現した。この協力は、先住民族のリーダーシップを強化し、制度的な脅威を暴露し、正義を守るために私たちが継続的に行っている仕事の一例である。犯罪組織と抽出産業がアマゾンに対する攻撃を強化する中、アマゾン・ウォッチは先住民族主導の抵抗を支援し、グローバルな責任追及を促進するという決意を持ち続けている。

#UNPFII

 

参考資料:

1. Pueblos indígenas denuncian expansión criminal en la Amazonía ante la ONU y llaman a la acción global

No Comments

Leave a Comment

CAPTCHA


This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

error: Content is protected !!