(Photo:Montecruz Foto/ Flickr)
2014年に失踪したアヨツィナパ(Ayotzinapa)の学生43人の親族数人の弁護士であるビドルフォ・ロサレス(Vidulfo Rosales)は、メキシコ連邦検察総局(Fiscalía General de la República:FGR)が、この事件に関与したとされる軍関係者16人が捜査のための16件の逮捕状を再活性化することができたと語った拘留を命じたことを語った。9ヶ月前に彼らの逮捕は要請されていたが当時の要請は撤回されていた。
これは6月14日にトルーカの連邦刑事訴訟第二地裁判事のラケル・イベッテ・ドゥアルテ・セディジョ(Raquel Ivette Duarte Cedillo)が組織犯罪と強制失踪の罪に問われている第41歩兵大隊の元司令官ラファエル・エルナンデス・ニエト(Rafael Hernández Nieto)大佐を含む兵士たちに対する要請を認めたことによる。兵士のうち8人はすでにメキシコシティの第1軍事キャンプにある軍事刑務所で拘束されているとされている。それら人物が誰かはわかっていない。なおFGRは9ヶ月前に逮捕状が取下げられていた文民官僚の一人についても、刑事訴訟を起こし、逮捕状を取っている。
ドゥアルテ判事が逮捕を命じた兵士は第27歩兵大隊と第41歩兵大隊のメンバーである。
オマール・トーレス・マルキージョ(Omar Torres Marquillo)
ウリ・ヤシエル・レイエス・ラソス(Uri Yashiel Reyes Lazos)
グスタボ・ロドリゲス・デ・ラ・クルス(Gustavo Rodríguez de la Cruz)
フアン・ソテロ・ディアス(Juan Sotelo Díaz)
サンティアゴ・ムニョス・ピロ(Santiago Muñoz Pilo)
フランシスコ・ナルバエス・ペレス(Francisco Narváez Pérez)
ラミロ・マンサナレス・サナブリア(Ramiro Manzanares Sanabria)
エロイ・エストラダ・ディアス(Eloy Estrada Díaz)
フアン・アンドレス・フローレス・ラグネス(Juan Andrés Flores Lagunes)
オスカル・クルス・ロマン(Oscar Cruz Román)
エセキエル・カレーラ・リファス(Ezequiel Carrera Rifas)
ホエル・ガルベス・サントス(Joel Gálvez Santos)
フェリペ・ゴンサレス・カノ(Felipe González Cano)
ロベルト・デ・ロス・サントス・エドゥビゲス(Roberto de los Santos Eduviges)
エンリケ・マルティネス・チャベス(Enrique Martínez Chávez)
この16人の勾留はアヨツィナパでの失踪した43人に関与したとされる当局者、軍、警察に対する83件の逮捕状の一部である。この逮捕状はエンリケ・ベルトラン・サンテス(Enrique Beltrán Santés)判事が当時所長を務めていた同地方裁判所に対して要請したもので、83通の逮捕状のうち、20通は組織犯罪と強制失踪の罪で軍関係者に対するものであった。しかし、FGRは2022年8月中旬、アヨツィナパ事件を捜査する政府部門が請求した83件の逮捕状のうち、少なくとも21件の取り消しを求めていた。
具体的には第27歩兵大隊および第41歩兵大隊の隊員に対する16件を取り消すよう文書で要請しており、9月14日に取り消された。また、イニャキ・ブランコ・カブレラ( Iñaky Blanco Cabrera)元司法長官とランベルティナ・ガレアナ・マリン(Lambertina Galeana Marín)元上級裁判所長官を含む5人の元ゲレロ州当局者に対する令状の取り消しも要請している。
ロサレスは今回の勾留を受け「連邦政府が踏み出した重要な一歩だ。我々はメキシコ軍に恨みはなく、この組織を弱体化させたくはない(中略)43人の若者の失踪に関与したいかなる組織も裁判にかけられ、訴追され、責任が明確にされなければならない」と述べた。
メキシコ政府もまた若者たちの失踪を「国家犯罪」であり、犯罪グループ「ゲレロス・ウニドス(Guerreros Unidos)」のメンバーと「メキシコの様々な国家機関のエージェント」が関与していると発表している。
El @GIEIAYOTZINAPA elaboró este artículo que compartimos aquí. @ClaudiaPazyPaz @fcoxvial Ángels Buitrago, Carlos Beristain. https://t.co/pLG0iG6AR6
— GIEI Ayotzinapa (@GIEIAYOTZINAPA) October 10, 2022
内務省のアレハンドロ・エンシナス(Alejandro Encinas)人権・人口・移民次官は、イグアラ(Iguala)のイシドロ・ブルゴス師範学校(Escuela Normal Isidro Burgos)を出発してから失踪するまで、市、州、連邦当局は「学生たちの動員を把握していた」と述べている。当局によると、行方不明になった学生たちは2014年9月26日夜から27日未明にかけてデモの準備をしていたところ、麻薬密売組織と関係する犯罪者に襲われた。この背景に警察やその他の関係者がおり、それらを含む数十人が拘留されている。
ヘスス・ムリジョ・カラム(Jesús Murillo Karam)元メキシコ司法長官もまた、アヨツィナパ事件における強制失踪と拷問の容疑で拘束され、2度目の裁判を受けている。ムリジョ・カラム被告の弁護側は過去に、このような犯罪の存在を認めておらず、依頼人に対する告発は当時の司法長官がこの事件について行った発言に基づくもので、「文脈から外れた」ものだと述べている。ムリジョ・カラムはエンリケ・ペニャ・ニエト(Enrique Peña Nieto)大統領時代にメキシコ司法長官を務め、2014年9月にゲレーロ州イグアラのアヨツィナパで起きた43人の学生失踪事件の初期捜査を指揮した。彼はこの事件に関して当時当局が行った説明として知られている「歴史的真実」を提示し、擁護した。最初の説明とは学生たちは犯罪グループ「ゲレロ・ウニドス」のメンバーによって誘拐され、その後ゲレロ州コクラのゴミ捨て場で殺害され焼却されたというものである。現在当局は学生の失踪を犯罪グループとさまざまな国家機関のエージェントが関与した国家犯罪とみなしている。
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参考資料:
1. Caso Ayotzinapa: Jueza ordena detención de 16 militares; 8 ya están en prisión militar
2. Fiscalía de México logra reactivar 16 órdenes de captura contra militares supuestamente implicados en el caso Ayotzinapa, dice abogado de familiares de los 43 estudiantes
3. Dictan prisión preventiva y vinculan a proceso por segunda vez al exprocurador general de México Jesús Murillo Karam por acusaciones de desaparición forzada y tortura en caso Ayotzinapa
4. Ayotzinapa Case: Key Points to Understand the Mexican Government’s New Actions
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