(Photo:Ministerio de Telecomunicaciones y de la Sociedad de la Información)
エクアドル副大統領のマリア・ホセ・ピント(María José Pinto)と内務大臣のジョン・レイムバーグ(John Reimberg)は2026年3月11日、米連邦捜査局(Federal Bureau of Investigation:FBI)のエクアドル初の常設事務所設置を正式に発表した。発表は、エクアドル副大統領府で行われた覚書(Memorándum de Entendimiento)の署名式にあわせて行われたもので、米国大使館臨時大使ローレンス・ペトロニ(Lawrence Petroni)や、FBI地域長アレン・パック(Allen Pack)も出席した。
この覚書は、犯罪捜査や越境型組織犯罪への対応における両国の二国間協力を強化するものである。犯罪情報(inteligencia criminal)、捜査分析(análisis investigativo)、人的情報(inteligencia humana)など主要分野でのプログラム推進の枠組みを定め、エクアドル国家警察(Policía Nacional del Ecuador)の技術的・運用能力を向上させることを目的としている。
レイムバーグ内務大臣は署名式で、「この覚書の署名は戦略的進展を意味し、捜査協力を強化し、越境型組織犯罪により効果的に対処することを可能にする」と述べた。また、「組織犯罪は国境を認めない。国際協力はこれらの脅威に立ち向かうために不可欠である」と強調した。
副大統領ピントは、「本日署名したのは文書上は覚書と呼ばれるが、実際には信頼と共同作業という重要な意味を持つ」と述べ、両国間の組織犯罪対策における協力の価値を指摘した。
米国側では、ペトロニ臨時大使が「米国は長期的にエクアドルの戦略的パートナーである。この署名は明確なメッセージであり、FBIの常設拠点の成果が早期に現れることを期待する」と述べた。FBI地域長パックも、エクアドルと米国の協力により、国境を無視して活動する犯罪組織に対して資源、経験、能力を調整して対応できると指摘した。
新事務所は法務附属機関(agregaduría legal)の形態で運営され、特別捜査官(agentes especiales)や支援職員が国家警察の専門部隊と連携して活動する。主な活動は、法執行(米刑事法の適用と関連国際組織への司法支援)、情報交換(捜査情報の継続的共有)、専門訓練(先進的捜査技術や法の支配に関する研修)、運用支援(逃亡者捜索や危機・災害時の技術支援)である。
FBIは国内では逮捕権を持つが、海外では権限を持たず、現地治安部隊との緊密な連携が不可欠である。今回が初の物理的事務所であるが、FBIはすでにエクアドル国内の複数の重要事件で支援してきた。例として、2023年8月の大統領候補フェルナンド・ビジャビセンシオ(Fernando Villavicencio)暗殺事件や、2018年のエスメラルダス県(Esmeraldas)サン・ロレンソ(San Lorenzo)での車爆弾事件の鑑定がある。
新設事務所の目的は、テロ脅威(terrorismo)、外国の諜報活動(inteligencia extranjera)、および地域に影響を与える組織犯罪(crimen organizado)に対して共同で対処することである。今回の設置により、エクアドルはアメリカ大陸でFBIの公式拠点を持つ10か国の一員となる。既にコロンビア、ブラジル、チリなどが含まれる。
FBI公式ウェブサイトによれば、アメリカ大陸には10か所のFBI事務所があり、1940年代以降、各国に特別捜査官や支援職員を派遣してきた。FBIのエージェントは上述の通り逮捕権は持たないが、技術支援(tecnología)、捜査分析(análisis investigativo)、専門訓練(entrenamiento especializado)を提供することで、現地治安部隊の能力向上に貢献するとしている。
今回の覚書署名と事務所開設は、エクアドルが治安機関の強化、市民の安全保障、法の支配の擁護に寄与する国際的連携を推進するコミットメントを再確認するものとなった。ペトロニ臨時大使は、「この協力関係は戦略的かつ運用的であり、FBIの常設拠点設置は歴史的節目(hito)である」と述べた。
参考資料:
1. Se inaugura primera oficina del FBI en Ecuador
2. ECUADOR Y ESTADOS UNIDOS FORTALECEN COOPERACIÓN EN SEGURIDAD CON MEMORANDO DE ENTENDIMIENTO ENTRE EL MINISTERIO DEL INTERIOR Y EL FBI (Boletín Nro.- 14, 11 de marzo del 2026)

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