エクアドル:豪雨により3名死亡・1万人超が被災、6県で赤色警報

(Photo:@Riesgos_Ec / X)

エクアドルは2026年1月以降、過去数年で最も厳しい冬季豪雨に見舞われている。国家リスク管理局(Secretaría Nacional de Gestión de Riesgos:SNGR)の2月23日付最新報告によると、国内23県で914件の異常気象事象が記録され、163の郡(Cantones)と442の教区(Parroquias)が影響を受けた。被災者は合計で10,343人に上り、そのうち9,207人が被害者(Afectados)、1,136人が災害被災者(Damnificados)として分類されている。

エクアドルの冬季豪雨による被害状況は以下の通りである:

主な被害と死者

  • 死者:コトパクシ県(Cotopaxi)、チンボラソ県(Chimborazo)、アスアイ県(Azuay)で土砂崩れにより3名死亡。農作業中や住宅が埋まったケースが報告されている。
  • 負傷者:全国で12名
  • 災害の種類別割合
    • 土砂崩れ:39.06%
    • 洪水:35.45%
    • 集中豪雨:11.16%

インフラ被害

  • 被災住宅:2,597軒
  • 全壊住宅:35軒
  • 道路損壊:14.56 km
  • 橋梁:危険状態の橋5橋、崩壊した橋9橋

赤色警報が発令された県

  • エスメラルダス県(Esmeraldas)
  • ロス・リオス県(Los Ríos)
  • ピチンチャ県(Pichincha)
  • カルチ県(Carchi)
  • グアヤス県(Guayas)
  • ロハ県(Loja)

 

エクアドルの豪雨は住民生活や交通網に大きな影響を与えており、政府と地方当局は緊急対応を続けている。全国で15地域に「オレンジレベル」の警戒が続いている。人口への影響が大きいのは以下の通り:

  • エスメラルダス県:2,857人
  • グアヤス県(Guayas):2,227人
  • エル・オロ県(El Oro):1,260人

国家緊急作戦委員会(Comité de Operaciones de Emergencia:COE)の本部が引き続き対応にあたり、10県、37郡、3教区の支部も運営されている。

沿岸部は事実上の非常事態

現象「エルニーニョ」は現在、不活性または中立段階とされるが、沿岸部では強い降雨が続いている。国立気象水文学研究所(Instituto Nacional de Meteorología e Hidrología:INAMHI)は、沿岸部を中心に中〜強度の雨や雷雨、突風が今後も続くと警告している。

直近24時間の被害状況(2月23日時点)

  • エル・オロ県サンタローサ(Santa Rosa, El Oro)
    同名の河川と運河が氾濫し、複数の住宅に被害が発生。サンタローサ–マチャラ間の道路は部分的にしか通行できず、マチャラ市中心部は依然として浸水状態が続く。
  • マナビ県(Manabí)
    アグアフリア(Agua Fría)およびプロスペリナ(Prosperina)運河が氾濫し、サンパブロ・デ・プエブロヌエボ(San Pablo de Pueblo Nuevo)の一部地域が冠水。約60世帯が被災し、運河は依然として河道外にあふれている。
  • グアヤス県デュラン(Durán, Guayas)
    エルレクレオ(El Recreo)やパノラマ(Panorama)などの地域で水が48時間以上滞留。住民は道路に浮かぶゴミや移動困難を訴えている。
  • ボリーバル県グアランダ郡(Bolívar, Guaranda)
    第三級道路が沈下し、予防的に通行止めに。8世帯が影響を受けた。
  • ロハ県(Loja)
    アチラル(Achiral)での土砂崩れによりセリカ–アラモル(Celica – Alamor)道路が封鎖。代替ルートのセリカ–ポズル–ピンダル(Celica – Pozul – Pindal)も土砂崩れで閉鎖され、地域は道路網から孤立している。

 

アラウシにおける断続的な土石流の発生、観光鉄道も一時運休

2026年2月18日午後、チンボラソ県アラウシ(Alausí)でシュシルコン(Shushilcon)の上流部から郡庁所在地にかけて土石流(aluvión)が発生した。今回の災害による死者は報告されていないが、住宅や道路、鉄道、上下水道に被害が出ており、地域住民の生活に影響を及ぼしている。

 

土石流は泥水や岩石、植生を伴い、マトリス教区(Matriz)の少なくとも7地区(チタキス、ラ・エレガンシア、ムリンキスなど)を直撃した。負傷者は子ども2人、成人5人の計7人で、いずれも救護後に退院している。影響を受けた住民は90人、被害世帯は15世帯、甚大被害世帯は32世帯にのぼる。住宅被害は32棟で、泥や石による損害が確認された。

 

交通網への影響も大きい。地域の主要幹線であるE35号線(Ruta E35)とE47号線(Ruta E47)は通行止めとなり、鉄道では観光列車「悪魔の鼻(Nariz del Diablo)」方面の線路約30〜40メートルが土砂で塞がれた。ラ・エレガンシア(La Elegancia)地区では給水管の破損も発生している。

この影響で、観光鉄道「悪魔の鼻」ルートは一時的に運休となった。交通省(Ministerio de Transporte)は2月19日、運行を「再開未定」として停止すると発表。アラウシ自治体(GAD de Alausí)と連携し、安全確保と復旧に向けた技術評価を進めている。郡内の複数地区が被災していることから、利用者と鉄道スタッフの安全を最優先とする予防措置だとしている。

 

臨時避難所として「サン・フランシスコ・デ・サレス教育施設(Unidad Educativa San Francisco de Sales)」が開設され、5世帯が予防的に避難し、人道支援キットを受け取った。県政府、自治体、運輸公共事業省(Ministerio de Transporte y Obras Públicas)の重機による土砂撤去作業が進められ、地域住民も参加する「ミンガ(Minga)」活動では少なくとも130人が動員された。

アラウシ市長レミヒオ・ロルダン(Remigio Roldán)は、土石流の原因を「郡上流部での豪雨による排水路超過」と説明している。上流部には依然として土砂が残っており、今後の降雨による二次災害のリスクは高い。緊急事態対応委員会(Comité de Operaciones de Emergencia:COE)は非常事態宣言の可能性も検討している。

 

マトリス教区では2010年以降、今回を含め34件の自然災害が記録されている。特に2023年3月の土砂崩れでは、65人が死亡、44人が負傷、10人が行方不明となり、800人以上が間接的な被害を受けた。今回の土石流では、その記憶が住民の迅速な避難行動につながったとみられている。

エクアドル国内外から観光客を集める象徴的な鉄道ルート「悪魔の鼻」の運行再開時期は、今後の復旧状況次第となる。この路線は2025年8月に復旧して営業が再開されていたものの、豪雨災害により再び停止したという状況だ。

 

参考資料:

1. Tres fallecidos, más de 10.000 afectados y seis provincias en alerta roja por las lluvias en Ecuador
2. Alausí suma 34 eventos adversos desde 2010; nuevo aluvión deja 90 afectados
3. Suspendido temporalmente el Tren de la Nariz del Diablo por aluvión en Alausí

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