ドナルド・トランプ政権によるベネズエラ大統領ニコラス・マドゥロ(Nicolás Maduro)の拉致、ならびにカラカス(Caracas)への侵攻と爆撃を受け、ベネズエラ国民とその諸機関は再編と立て直しを進めている。このような後退と再組織化の状況の中で、ベネズエラ最高裁判所(Tribunal Supremo de Justicia:TSJ)はデルシー・ロドリゲス(Delcy Rodríguez)を暫定大統領に任命した。
ベネズエラで新たに暫定大統領を務めているデルシー・ロドリゲス(Delcy Rodríguez)は閣僚評議会の招集を呼びかけるとともに、アメリカ合衆国が本当に麻薬密売と闘う意志があるのであれば、ラテンアメリカにおける主要なコカイン生産国に目を向けるべきであると強調した。例えば彼女が言うように「もし麻薬密売と闘いたいのであれば、世界のコカインの70%が輸出されているエクアドルに行くべきだ」。これは、ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権の二重基準に対する、ベネズエラ大統領の反応である。また、彼女はホワイトハウスにとっての主要かつ真の動機は石油であるとの認識を示している。
地政学的な利益を持つ地域に焦点を当てる際の、北米の二重基準に驚くことは、もはや少なくとも無邪気に過ぎると言える。そのため、数百トン規模のコカインをアメリカ合衆国へ密輸した罪で有罪判決を受けた人物、すなわちホンジュラス元大統領フアン・オルランド・エルナンデス(Juan Orlando Hernández)を恩赦する一方で、ニコラス・マドゥロを同様の罪で非難していることも、誰にとっても驚くべきことではない。
デルシー・ロドリゲスによれば、アメリカ合衆国が掲げる麻薬テロとの闘いも同様であるという。ドナルド・トランプがベネズエラを麻薬取引の拠点であると指摘する一方で、ラテンアメリカにおけるコカイン生産量の多い国々を無視している点が、その例である。こうした主張は、ソーシャルメディアX(X、旧Twitter)上の投稿でも言及されている。
一方、アメリカ合衆国によるベネズエラ侵攻と大統領拉致に対する抗議運動も拡大している。これらの行為は国際法への明白な違反であるとされ、フランス、スペイン、バスク地方、さらにはアメリカ合衆国国内でも抗議が行われている。
抗議者たちは、ドナルド・トランプが経済的および地政学的な動機によって、主権国家の内政に自国を巻き込んでいると訴えている。その動機の一つであり、かつ最大のものとして挙げられているのが石油である。
この点において、グティエレスは疑問を投げかけた。グティエレスは、「もし彼ら、すなわちアメリカ合衆国が本当に麻薬密売と闘いたいのであれば、世界のコカインの70%が輸出されているエクアドルに行くべきである。そして、共和国大統領府を調べるべきだ。そこには、バナナ流通工場の中に隠された、世界最大のコカイン輸出企業が存在している」と述べた。なお彼女の主張、つまり、エクアドル大統領一家が運営する企業が麻薬取引に利用されていることは事実であり、麻薬カルテルとのつながりも、国民含め皆が知っている事実である(詳細は例えばこちら)。
一方で、ニコラス・マドゥロは、自身の無実を主張し、妻であるシリア・フローレス(Cilia Flores)とともに自らを戦争捕虜であると位置づけている。マドゥロは、アメリカ合衆国司法省によって起訴される目前にあるとされている。
起訴状には、麻薬テロ共謀(conspiración narcoterrorista)、コカイン輸入共謀(conspiración para importar cocaína)、機関銃の所持(posesión de ametralladoras)、および破壊装置の所持(dispositivos destructivos)などの罪状が含まれているという。
ベネズエラ最高裁判所(TSJ)によって指名されたデルシー・グティエレス(Delcy Gutiérrez)が、ドナルド・トランプの麻薬戦争における真の関心について疑問を呈している点に関連し、国連薬物犯罪事務所(United Nations Office on Drugs and Crime:UNODC)が発表した「世界薬物報告書2025(Informe Mundial sobre las Drogas 2025)」(詳細はこちら)の内容に言及する必要がある。
同報告書によれば、ラテンアメリカ地域においてコカインおよびカンナビス・サティバ(cannabis sativa)の消費量が最も多い国は、ウルグアイ、アルゼンチン、ブラジル、チリである。一方、生産国としてはエクアドル、ペルー、ボリビアが当該薬物の主要な生産国となっている。こうした生産の結果、消費においては大陸北部のアメリカ合衆国が最大の消費国となっている。
現在、ドナルド・トランプの発言は、「民主主義の回復」を促進することよりも、石油を掌握する意図に向けられているとされている。これは、メディア上で語られるベネズエラ領内へのアメリカ合衆国の介入の位置づけとも重なるものである。
同様の流れの中で、北米の大統領であるドナルド・トランプは、軍事行動に協力しない場合にはロドリゲスに対して警告を発した。この軍事行動は、80人の死者を出したものであったことが想起される。
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