ラ・リベルタ(La Libertad)の市長、フランシスコ・タマリス(Francisco Tamariz)は、2026年1月13日16時から市議会の臨時会を招集した。臨時会の議題は、問題となっている93ヘクタールの市有地売却の手続きについての審議である。この審議は、すでに2025年12月18日の市議会で土地売買契約そのものが賛成4票・反対3票で承認されているにもかかわらず、手続き過程に多数の疑問が生じていることに端を発している。
ラ・リベルタ市の公式ポータルサイトには、この土地売買に関して、24歳の若い女性ジェニー・R(Jenny R)がすでに債務者として登録されていると記されている。対象地はボスケ・デ・ビダ(Bosque de Vida)地区に位置し、サリナス(Salinas)へ通じる側道沿いにある。
公式文書によれば、土地の売買価格は合計で約270万ドルであるが、税金や各種手数料を含めると総額は約340万ドルに達するという。内訳は、土地購入代金が3,466,962.44ドル、アルカバラ税(impuestos de alcabala)が27,383.22ドル、手数料が4ドルとなっている。
とりわけ注目されたのは、購入者が24歳の若い女性であり、支払い能力を裏付ける経済活動の記録が確認できない点である。この点については、地域住民や議員の間で疑問の声が強まっている。
一方で、市長フランシスコ・タマリスは、この取引について「農業観光プロジェクトという重要な投資を地域にもたらすものである」と強調している。
市議ブルーノ・デデ(Bruno Dedé)は取引手続きに疑問を提示している。彼は、ラ・リベルタ市が93ヘクタールの市有地を売却した件について、単に市議会の承認があっただけでは、市のシステムに債務として反映されるべきではないと指摘している。手続きとしては、2025年12月18日に作成された市議会の決議書が書記と市長によって署名され、その後の一連の手続きが完了して初めて土地の権利書が発行され、債務が公式に登録される必要があるとされる。
デデ市議は、価格設定にも問題があると述べている。市議会はこの土地の価格を1平方メートルあたり2.94ドルに設定したが、近隣の土地では1平方メートルあたり9ドルに達するケースもあるとし、価格算定の妥当性に疑問を呈している。加えて、購入者が税務登録番号(RUC)を持たず、中小企業税制(RIMPE)にも加入しておらず、支払い能力を示す経済活動の記録がない点が注目されている。
一方で、革命市民運動(Revolución Ciudadana:RC)の国会議員モニカ・パラシオス(Mónica Palacios)も、購入者に関するさらなる疑念を提示している。彼女は「証拠(evidencia)および情報提供者(fuentes humanas)に基づき」、ジェニー・R(Jenny R.)の母親がシンシア・ジェリバートの家政従業員として勤務している可能性が高く、アクシオン・デモクラティカ・ナシオナル(Acción Democrática Nacional:ADN)と直接つながっていると述べた。これにより、取引の背景に政治的・人脈的な影響力があるのではないかとの疑惑がさらに強まっている。なお、シンシア・ジェリバートは行政事務局の長官でもあり、大統領ダニエル・ノボア(Daniel Noboa)の政権下で高い地位にある人物であることが報じられている。
ラ・リベルタ市の93ヘクタールの市有地売却を巡る論争は、新たな局面を迎えている。2026年1月8日午後、ジェニー・Rは市長フランシスコ・タマリス宛てに土地購入を取りやめる旨の文書を提出した。この文書では、購入契約を中止するだけでなく、その土地の売買を当初予定されていたプロジェクトを支援する企業に譲渡するよう求める内容も含まれていた。しかしこの企業の名称は明らかにされていない。この申し出は、当初ジェニー・Rが自身の身元が偽装された可能性を示唆し、「自分は購入者ではない」と述べていた発言と矛盾するものであった。
ラ・リベルタ市議会は当初、2025年12月18日に93ヘクタールの土地売買を承認していたが、売却価格や手続きの透明性に対する批判が根強いままであった。議会承認後も手続きの過程に疑問が残されており、市内外からの批判が強まっていた。
こうした状況を受けて、2026年1月9日には、革命市民運動(RC)所属の国会議員らが、フランシスコ・タマリス市長および土地売却を承認した市議らに対して告発を提出した。告発内容には、名義貸し(testaferrismo)・利益供与(tráfico de influencias)・公有財産への侵害(atentado contra bienes públicos)の疑いが含まれている。告発者の一人であるクワミン・パラシオス(César Palacios)は、この売却が“略奪(atraco)”に等しいと表現し、検察庁に対してジェニー・Rの所在を明らかにし保護するよう求めた。また、同告発では売却価格が1平方メートル当たり2.94ドルと極端に低く設定されており、近隣では9ドル前後が相場である点も問題視されている。この問題は、市内の住民が検察庁前に集まり真相の説明を求めるなど、市民レベルでも大きな関心と不満を引き起こしている。
行政事務局長のシンシア・ジェリバートは、ラ・リベルタ市の市有地売却問題を巡る監督活動の過程で、国会議員モニカ・パラシオスの行動を強く批判した。ジェリバートは、パラシオス議員が自身の母親宅の外にいたとして、その行動を「虚偽の物語を構築し、意図的に92歳の高齢女性に嫌がらせをしている」と非難している。
ジェリバートは、パラシオス議員の行動についてSNS「X」に投稿し、パラシオス議員が母親宅外にいたとみられる監視カメラの画像4枚を公開した。これに関連してジェリバート氏は次のように述べた。
「これがモニカ・パラシオスの政治のやり方である。最低で、残酷で、卑劣な方法だ。」と強く批判した。
さらにジェリバートは、こうした行為は政治でも監督でもなく、「高齢者に対する嫌がらせ、個人的な追及、暴力である」と断じた。また、母親の健康や安全が損なわれた場合、その責任はパラシオス議員にあるとして、法的な責任を問うと警告した。ただし、ジェリバートの投稿では、ジェニー・Rの母親とジェリバートの母親との関係については直接言及していない。
Esta es la única forma en que @MoniPalaciosZ, sabe hacer política: la más baja, la más cruel y la más miserable.
— Cynthia Gellibert Mora (@CynthiaGelliber) January 9, 2026
Está fuera de la casa de mi madre, construyendo un relato falso y hostigando deliberadamente a una adulta mayor de 92 años.
No es política. No es fiscalización. Es… pic.twitter.com/AaUGyH8I7u
シンシア・ジェリバートによる非難はパラシオス議員が2026年1月9日に、ラ・リベルタ市の93ヘクタールの土地売却を巡る問題を監督するため、ジェリバートの母親宅を訪問したほか、ラ・リベルタ市役所にも出向き土地購入に関する情報を求めたことによる。その後、ジェリバートが勤務するカフェの前にも足を運んだが、本人には会えなかったと報じられている。
ジェリバートはSNSで、パラシオス議員の行動について次のように批判した。「これは政治でも監督でもない。高齢者に対する嫌がらせであり、個人的な追及であり暴力である」とし、92歳の高齢者である自身の母親への影響について、責任を追及すると警告した。
この投稿には、パラシオス議員が母親宅の前で撮影されたとされる監視カメラ映像の画像も添えられており、ジェリバートはこれが彼女の政治手法だと強く非難した。
パラシオス議員は農業観光プロジェクトに関連する土地売却問題の不透明さや、購入者ジェニー・Rとジェリバートとの関連性の疑いを追及している。彼女は、情報源に基づきジェニー・Rの母親がジェリバートと関係がある可能性を示唆し、名義貸しや利益供与の疑いについて調査を求める告発を提出している。
この一連の論争は、ラ・リベルタ市の土地売却問題が単なる行政の手続き論争を越え、政治的・社会的な波紋を広げていることを示している。
🛑 URGENTE 🛑
— Mónica Palacios (@MoniPalaciosZ) January 9, 2026
Fuentes humanas señalan que la madre de Jenny Ramirez, involucrada en la polémica venta de 93 hectáreas de terrenos municipales en La Libertad, Santa Elena, sería empleada doméstica de la señora Cynthia Gellibert, directora nacional de ADN y secretaria de la… pic.twitter.com/8xhrUWS93V
なお、モニカ・パラシオス議員は、エクアドル国会の立法管理評議会(Consejo de Administración Legislativa:CAL)によって科された90日間の無給停止処分中である。これは立法管理評議会(CAL)が議員としての内部規則違反を重く見て下した判断であり、2025年9月25日に決定された。
パラシオス議員への処分理由は、国会の生物多様性委員会(Comisión de Biodiversidad)での発言にある。彼女は当時の大統領ダニエル・ノボア(Daniel Noboa)およびその妻ラヴィニア・バルボネシ(Lavinia Valbonesi)を、利益供与(tráfico de influencias)の疑いで証拠を示さずに公然と非難した。これについて、CALは「会議の進行を妨げた」「侮辱的・差別的・憎悪を誘発する表現を用いた」という理由で、国会内規に基づき「重大な違反(falta muy grave)」に当たると判断し、90日間の無給停止処分を科した。
この無給停止は、同じ期間に複数の制裁措置が相次いでいる背景の中で科されたものであり、パラシオス議員は後にさらに別の31日間の無給停止処分も課されたと報じられている。彼女自身はこれらの処分を「政治的迫害」であると主張している。
国家人間開発省(Ministerio de Desarrollo Humano)のザイダ・ロビラ(Zaida Rovira)長官も、モニカ・パラシオス議員に対する批判に加わった。ロビラ長官は、ラ・リベルタ市の市有地売却を巡る監督活動中にパラシオス議員が取った行動について、「これは政治でも監督でもない。暴力であり、残酷であり、道徳的に卑劣な行為である」と述べた。
ロビラ長官はさらに、パラシオス議員がシンシア・ジェリバートの母親宅の外にいた行動について疑問を呈し、「シンシア・ジェリバート、この女の過去の行動には注意しなさい。家に侵入して盗もうとするかもしれない」とSNSで指摘した。
夜になり、パラシオス議員はジェリバートの投稿に応答し、ジェニー・Rの母親がジェリバートの家で働いているかについて、ジェリバート氏自身が説明するべきだとの疑問を改めて示した。
買収手続きの進行状況
ラ・リベルタ市が所有する93ヘクタールの土地売却を巡り、当初この土地を購入する予定だった24歳のジェニー・Rは上述の通り、売買契約を取りやめる旨の文書を市長フランシスコ・タマリスに提出した。その文書では、売買契約を自身の名義ではなく、当該土地での事業を実行する企業に譲渡するよう求める内容が記されているが、企業名は明らかにされていない。
これに対し市議のブルーノ・デデは、ジェニー・Rによる「売買契約取りやめおよび企業への譲渡要請」について、市議会(Concejo Cantonal)が法的報告書を基に再検討する必要があると説明している。デデ市議は、この再検討には法的審査を含む正式な手続きが求められると述べている。
この93ヘクタールの土地は、サンタ・エレナ(Santa Elena)とラ・リベルタを結ぶ主要道路沿いの開発途中地域に位置している。この道路は2024年に現政権下で整備され、サリナスや主要な交通拠点へのアクセスに用いられている。
関係者と人間関係をめぐる疑念
この案件では、ジェニー・Rの母親と行政事務局長のシンシア・ジェリバートとの関係が政治的に注目された。議員パラシオスは、「情報提供者」に基づき、ジェニー・Rの母親がジェリバート氏の家政従業員として働いている可能性があると指摘した。これが直接の証拠として確定したわけではないが、審議過程に対する批判が高まる要因となった。
そもそも当初の売却承認は、買い手が市議会に出席して提案を説明したり、資金の出所を明らかにしたりせずに進められたとされる。この点も透明性の欠如として批判の対象となっている。
議会では、今回の疑念を受けて臨時市議会の設置が繰り返し試みられている。ブルーノ・デデ市議は自身のSNS「X」で、1月13日の市議会決定を注視していると述べた。臨時会の設置は今回で3回目であり、これまで1月10日(金)と1月12日(月)にも招集があったものの、開催には至っていない。
本件については内務大臣ジョン・レインバーグ(John Reimberg)や与党陣営の全国組織も介入してきており、ジェリバートを支持するとともに、パラシオス議員の行動への批判を強めている。
参考資料:
1. La Libertad decidirá este martes 13 de enero sobre la venta de 93 hectáreas
2. Deuda por compra millonaria de terreno a favor de joven ya consta en registros del Municipio de La Libertad
3. ‘Está fuera de la casa de mi madre construyendo un relato falso’, dice Cynthia Gellibert, tras acusaciones de asambleísta Mónica Palacios por venta de terreno en La Libertad
4. Polémica en La Libertad: La negociación de 93 hectáreas de terreno salpica a otro ámbito
5. La asambleísta del correísmo Mónica Palacios es sancionada a 90 días sin sueldo

No Comments