エクアドル:大統領、「すべての訪問がエクアドル国民の生活を向上させる」と自身の外遊を擁護

(Photo:AP Foto/Dolores Ochoa)

ダニエル・ノボア(Daniel Noboa)大統領は、国内で高まる議論の中で、自らの国外訪問の頻度について公然と弁護した。この議論は、彼の国際戦略の範囲や費用、成果を巡るものだ。

スペイン・マドリード(Madrid)でエクアドル移民コミュニティと面会した際、ノボア大統領は、自身の国際活動を批判する人々を「いつもの不満を言う人々」と呼び、国外への移動はすべて「エクアドル国民の生活を向上させるためだ」と強調した。

大統領は、可能であれば国内に留まりたいと述べた一方で、国外滞在は経済的利益や協力関係の促進に不可欠だと説明している。「子どもたちと自宅で幸せに過ごすこともできる。しかし、どの訪問も、直接的であれ間接的であれ、エクアドル国民の生活を向上させるものである」と、聴衆に語った。

これらの発言は、2023年11月の就任以来、20回以上の国外訪問を重ねてきた中で行われたものだ。報道によれば、ノボア大統領は公式訪問と私的訪問を合わせて28回の国外渡航を行っており、2024年だけでも14回出国している。

ノボア大統領の主張は、これらの国外訪問が、外国政府や企業からの協力、奨学金、協定、支援をエクアドルにもたらしたというものである。マドリードでの面会の際にも、自身の政権下で国内外合わせて約20万件の奨学金を手配したと述べ、これらが若者やシングルマザー、脆弱な家庭に直接的な影響を与えたことを強調した。

さらに大統領は、エクアドルのリスクプレミアム(riesgo país)が2023年の1,918ポイントから540ポイントに低下したことを指摘し、この低下の一部は、自身の国外訪問によって築かれた国際的な信頼関係や、それを契機に強化された経済協力の仕組みによるものだと説明した。

スペインの移民コミュニティとの面会で国外訪問の必要性を強調したものの、政府機関はこれまで、その成果について正式な報告を行っていない。そのため、大統領の説明と国民の受け止めには依然として大きな隔たりがある。マドリードでのノボア大統領の発言は、論争を沈静化させるどころか、新たな論点を伴って議論を再燃させる形となった。

エクアドルは以前より積極的な外交活動を展開しているとはいえ、そのペースやタイミング、優先順位には疑問が残る。国民は、こうした外交が実際にどのような成果をもたらしているのかについて、いまだ具体的な情報を待っている状況だ。

経済や社会の指標が依然として脆弱な中で、治安や雇用、公共サービスなど国内の課題に対応し続ける必要があるにもかかわらず行われていることから、分析者や政治家の間では、この外遊が本当に妥当かどうか警戒の声が上がっている。

 

12月3日、エクアドルを離れる

スペインを訪問中のノボア大統領は今回の外遊の目的についても擁護した。ノボア大統領は2025年12月3日にエクアドルを出発し、スペイン、ノルウェー、アラブ首長国連邦(UAE)を訪問する予定となっている。今回の外遊は、12月2日に署名された行政令第238号(Decreto Ejecutivo 238)に基づくものである。ただしそこには、随行団の具体的な構成員や、訪問国で予定されている会議の詳細な目的は記載されていなかった。

行政令では、「エクアドル共和国憲法上の大統領に同行する公式随行団」をサービス委任として任命すると規定されており、訪問期間は12月3日から11日までとされている。行程にはスペイン王国、アラブ首長国連邦、ノルウェー王国が含まれる。しかし、行政令の文面では随行団に参加する具体的な当局者は明示されておらず、閣僚や大統領の直接の助言者、経済・エネルギー・外交・安全保障分野の代表者が含まれるかどうかも不明である。

行政令には、随行団が「各機関の権限に基づき、大統領の日程の目的に応じて予定される活動の遂行を支援するため、各省庁、事務局または国家機関で構成される」とのみ記されている。

ノボア大統領の随行団の詳細が明らかにされていないことは、最近の外遊における一貫した傾向となっている。特に直近1か月間だけでも少なくとも4回の出国が記録されており、そのうち2回はアメリカ合衆国への訪問、1回は機密扱い、もう1回は個人的性格に再分類されたものだった。これらはいずれも事前に発行された行政令に基づくものであるが、その後、大統領府自身によって修正されている。

(AP Foto/Dolores Ochoa)

 

ノボア大統領の公式随行団の構成に関する詳細が不明であることは、政治関係者や分析者から批判を招いている。行政府の外遊の透明性の低さや、外交・経済への影響を評価することの困難さが指摘されている。

行政令第238号(Decreto Ejecutivo 238)では、随行団の旅費やその他経費は、所属する各機関の予算で賄われると明記されている。しかし、構成員の名前が示されていないため、財政負担の概算や動員される職員数、日程に関連する戦略的分野を把握することはできない。

形式上、この行政令は、大統領が国家領域を離れる際に憲法第144条が要求する通り、外遊について国民議会に報告することも命じている。

ノボア大統領の国際外遊は、任期2年間で累積された多くの出張回数を巡り、ここ数か月、議論の的となっている。国内メディアの記録によれば、ノボア大統領はこれまでに28回の国際外遊を行い、総日数は110日を超えている。外務省および広報局は、これらの出張がエクアドルの国際的地位の再構築を目的とした戦略によるものであると主張しているが、公式には外遊の成果や締結された合意、投資額、経済的利益などの詳細も公開されてない。

今回の新たな外遊は国際戦略の継続として位置付けられている。しかし、上述の通り随行団の身元や詳細な日程が明示されていないため、この出張がエネルギー問題、貿易協定、安全保障協力、投資促進、多国間接触のいずれを優先するのかを検証することは不可能な状態だ。また、経済、産業、エネルギー、防衛、外務担当の閣僚が参加するかどうかも不明となっている。大統領府は本人が去った後も、予定される会合や大統領に同行するチームの構成に関する公式発表を行っていない状態だ。

 

アラブ首長国連邦(UAE)における訪問は高官との会談、安全保障に関する合意の推進、マグロや花卉などの産業分野での貿易促進、住宅プロジェクトや技術協力に関する交渉の進展を見込んでいるとされている。大統領府も、これらの会談がエクアドルの戦略的地位の拡大や投資誘致、国家安全保障の強化を目的としていることを強調している。

しかし、今回の訪問は、世界で最も高額なスポーツイベントの一つであるアブダビグランプリ(Gran Premio de Abu Dabi)の週末と重なっており、訪問の妥当性や関連費用に対する批判を新たに生んでいる。

#DanielNoboa

 

参考資料:

1. Noboa defendió sus viajes al exterior: “Cada uno mejora la vida de los ecuatorianos”
2. La gira de Noboa por Europa y Asia comenzó sin dar ningún detalle sobre detalles de los funcionarios que integrarán la comitiva oficial

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