コロンビア:ドナルド・トランプ、コロンビアは地上攻撃の対象になり得ると警告

(Photo:EL TIEMPO)

コロンビア大統領グスタボ・ペトロ(Gustavo Petro)は、コカインの生産と取引を理由にコロンビアが地上攻撃の標的になり得ると述べた米大統領ドナルド・トランプ(Donald Trump)に対し、公式な反応を示した。

ペトロ大統領はXの公式アカウントで、コロンビアの主権を攻撃することは「戦争を宣言することだ」と述べ、共和党のトランプに対し「コカインのラボがどのように破壊されるかを教えるために国に来ればいい」呼びかけ、コロンビアに招待するという声明を発した。

 

「トランプ氏、どうぞ、コロンビアに来てください。あなたを招待しよう。われわれは米国にコカインが到達しないよう、1日に9つのラボを破壊している。その作業に参加していただきたい」と彼は述べた。この発言は、米大統領が12月2日(火)、アメリカ合衆国に向けて麻薬を生産・取引するいかなる国も「攻撃の対象である」と述べ、ベネズエラを脅かす地上作戦の一環として、コロンビアをも麻薬取引対策の作戦に含め得ることを示唆したことを背景とする。

トランプが閣僚会議中に報道陣へ語ったのは「私は聞いた。コロンビア、コロンビアという国がコカインを生産していると。彼らは製造工場を持ち、われわれにコカインを売る。しかし、われわれの国にコカインを売る者は誰であれ攻撃の対象になる。必ずしもベネズエラだけではない」ということである。さらに同大統領は、カリブ海で麻薬を運搬してると「される」ボートに対する米国の作戦に続き、ベネズエラ領内の麻薬カルテルに対する攻撃が「ごく近いうちに」開始されると改めて述べ、「ベネズエラは他の多くよりも状況が悪い」としつつも、米国に「自国の麻薬密売人(narcotraficantes)」を送り込む国はほかにも存在すると強調した。

 

ベネズエラ領内での潜在的な地上攻撃は、軍事作戦「ランサ・デル・スル(Lanza del Sur)」の拡大を意味するものである。この作戦は9月以降、カリブ海および東太平洋で21隻の船舶を破壊し、82人のいわゆる麻薬密売者を裁判外で殺害したと、ペンタゴンは火曜日に報告している。

アメリカ上院(Senado de Estados Unidos)では、カリブ海での作戦に関する音声および映像の提出を要求するとともに、二重攻撃(doble ataque)が懸念を引き起こしている。

 

コロンビアと米国の間で高まる国際的緊張

ここ数か月、米軍はカリブ海の水域に展開しており、これはワシントンが外国テロ組織に指定している「ソレス・カルテル」を率いているとトランプが非難するベネズエラ政権の指導者ニコラス・マドゥロへの圧力を高めただけでなく、コロンビアとの緊張も高めている。

近年最大規模の一つとされるカリブ海での米軍展開は、ベネズエラ政権の指導者ニコラス・マドゥロ(Nicolás Maduro)に対する圧力を高めている。トランプはマドゥロを「ソレス・カルテル(Cártel de los Soles)」の指導者と非難している。一方このカルテルをワシントンは外国テロ組織と指定している。

昨年10月、ドナルド・トランプは、コロンビア大統領グスタボ・ペトロに対しても強い非難を行っている。トランプはペトロを「麻薬取引のリーダー(líder del narcotráfico)」と指摘し、麻薬対策における行動不足を理由にコロンビアへの米国援助を停止した。

ペトロはこれらの非難を否定し、トランプを「コロンビアに対して無礼で無知である」と評している。また、米軍展開を「干渉(injerencia)」として拒否し、カリブ海および東太平洋、特にコロンビア沿岸付近で行われた麻薬密輸船(narcolanchas)と「される」小舟への攻撃を改めて非難した。

これらの作戦では少なくとも21隻のボートが沈められ、28人の乗組員が死亡したと報告されている。「私はミサイルなしに、自らの政権で18,400のラボを破壊してきた。来てほしい。一緒に行ってどう破壊するかを教えよう。一つのラボを破壊するのに40分だ。しかし、われわれの主権を脅かすな。ジャガーが目を覚ますことになる。われわれの主権を攻撃することは戦争を宣言することであり、200年の外交関係を損なうことになる」と、ペトロは自身のSNSで述べた。最後に、国家元首はコロンビアの麻薬取引との闘いを強調し、トランプが自分を誹謗しているのだと改めて主張した。

「すでに私を誹謗している。これ以上その道を進むな。もし北米の人々がコカインを消費しないよう、何千トンもの流入を阻止することに貢献してきた国があるとすれば、それはコロンビアである」と彼は締めくくった。

 

ドナルド・トランプ大統領は、これらの作戦の合法性を擁護している。ホワイトハウスでの閣僚会議において、トランプは、アメリカ合衆国がカルテルから自国に向けられる「麻薬の波(ola de drogas)」に対して自衛する権利を持つと警告した。

トランプは「地上での作戦ははるかに容易だ。我々は通るルートを把握している。彼らのことはすべて知っている。どこに住んでいるかもわかっている。悪党がどこに住んでいるかも知っている。そしてこの作戦も非常に近いうちに開始するつもりだ」と述べた。前週、トランプ大統領は、ベネズエラ領内のいわゆる麻薬密売者に対する地上作戦を「非常に近いうちに」開始すると警告し、航空会社やパイロットに対してベネズエラ領空を「全面的に閉鎖されたもの」と見なすよう通告していた。

グスタボ・ペトロは、ドナルド・トランプによるベネズエラ領空閉鎖の発表を強く非難し、これを「完全に違法であり、国家主権の侵害」と評している。

 

米大統領の最近の発言に対するコロンビアの立場に関するプレスリリース

コロンビア国民を代表し、最も深い民主主義的信念の表れとして、外務省は次のように表明する。

アメリカ合衆国大統領ドナルド・J・トランプが、麻薬取引との闘いを理由にコロンビアに対する軍事行動の可能性を示唆した最近の声明を、われわれは深い懸念をもって受け止めている。

コロンビアは、麻薬取引との闘いに対する揺るぎない責務を継続しており、この問題を、証拠に基づき、人権および基本的自由を尊重しつつ、総合的で均衡の取れた、多分野にわたるアプローチで扱っている。この姿勢は、「共通かつ共同の責任」という原則に基づくものである。また、国際的な薬物規制制度が、人権、公衆衛生、環境、ジェンダーの問題、そして先住民、アフリカ系住民、農村住民といった脆弱な人々の保護と関係するときに生じる緊張を扱い、解決する必要性を強調している。

われわれは、平和、国家主権、そして国際法の尊重へのコミットメントを改めて確認する。そしてラテンアメリカおよびカリブ地域の一員として、コロンビア国民の尊厳、領土の完全性、主権を損なういかなる外部からの侵略の脅威も拒否する。

ラテンアメリカとカリブの兄弟民族として、外部からの干渉によって主権が損なわれようとするあらゆる試みに対して、団結が勝るよう、われわれは地域の友愛(fraternidad)に緊急の呼びかけを行う。

コロンビアは深い根を持つ国民であり、地域全体に繁栄と安寧の未来を築きつつある。

#GustavoPetro #DonaldTrump #主権侵害

 

参考資料:

1. Presidente Gustavo Petro responde a Donald Trump tras advertencia de que Colombia podría ser objeto de ataques por tierra: ‘Es declarar guerra’
2. Comunicado de Prensa sobre posición de Colombia ante las recientes afirmaciones del presidente de los Estados Unidos
3. Presidente Donald Trump advierte que Colombia podría ser blanco de ataques por producción y envío de drogas a Estados Unidos: ‘Tiene fábricas enteras’

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