[更新中] チリ大統領選挙2025: 初期発表カストがハラを上回る→カストがチリ次期大統領

(Photo:Juan Gonzalez/ REUTERS)

 

チリは12月14日(日)、出自や国家観において著しく対照的な二人の候補が、ラ・モネダ宮殿(Palacio de la Moneda)入りをかけて争った。庶民的な出自を持ち、進歩的左派での経歴を歩んできた共産党(Partido Comunista)ジャネット・ハラ(Jeannette Jara)と、強硬右派の代表で治安重視の厳格な政策を掲げる共和党(Partido Republicano)ホセ・アントニオ・カスト(José Antonio Kast)が、2026年3月11日に任期を終える現大統領ガブリエル・ボリッチ(Gabriel Boric)の後継を目指して争った。

1,570万人以上の有権者が、現職大統領の後任を決めるために投票に臨んだ。選挙当局によれば、投票日は全国的に平穏に進行した。

 

12月14日

午後8:43 ガブリエル・ボリッチ、チリの民主主義の模範を称賛

ガブリエル・ボリッチは、チリの「共和主義の伝統」に対する国民の誇りを表明し、ホセ・アントニオ・カストの大統領決選投票での勝利を受けて、それらを保護し強化するよう呼びかけた。「我々の国と民主主義の堅固さを誇りに思う理由は十分にある」と国家元首は述べ、これらの伝統は継続的な保護と育成を必要とすると強調した。

ボリッチは、カストに対して、自分自身および協力者がこの方針に沿って行動し、模範的な権力移行を保証する旨を伝えたことを明かした。「透明で秩序あるプロセスを開始するために、彼をラ・モネダ宮殿に招待した」と述べている。

また、キャンペーン期間中に提示された提案やイニシアチブに感謝するため、ハラとも連絡を取ったことを明らかにした。「彼女の考えは今後数年間のチリで反響を呼ぶと確信している」と述べている。

「選挙過程の正当性に疑問はない」とボリッチは強調し、同時にチリの民主主義の価値を評価した。その中で、違いを解決できる仕組みや健全な抑制・均衡が備わっていることを指摘し、「これを守らねばならない」と強調した。

メッセージの中で、国民の団結の重要性を強調し、「チリの旗はすべての人を包み込む。我々は同じ国の一部である」と述べた。また、一部のセクターを犠牲にして進めようとする限り、チリは前進できないとも指摘した。ボリッチは「発展の大きな可能性を持つ国を引き渡す」と表明した。

最後に、国家の和解への呼びかけで締めくくり、「正当な意見の相違が存在しても、我々を結びつけるより強いものがある。それは我々の人々、国、そして歴史である」と述べた。さらに、カストに対して「橋を架け、耳を傾け、謙虚さと人間性をもって職務に取り組むよう」求めた。

 

午後8:15 カスト次期大統領、チリ再建への決意を表明

チリの次期大統領に選出されたホセ・アントニオ・カストは、59歳の弁護士で、ドイツ系の家庭に生まれ、政治キャリアは独立民主連合(Unión Demócrata Independiente)での活動から始まった。決選投票では、共産党候補のジャネット・ハラを破り、3度目の挑戦でついに政権を獲得した。

カストは、選挙戦を通じて国境管理と治安維持を政策の柱とし、「チリを再建するために命を懸ける」と宣言。秩序の回復、安全の強化、経済の再活性化を重視した保守的な公約が、有権者の支持を集めた。

 

午後8:18 アルゼンチンのミレイ大統領、カスト勝利を祝福

アルゼンチンのハビエル・ミレイ(Javier Milei)大統領は、チリの決選投票でカストが勝利したことを受け、「自由は前進する(La Libertad Avanza)」と述べ祝意を表した。ミレイは、カストを友人と称し、共産党候補のジャネット・ハラに対する勝利を称賛した。

 

午後7:58 ボリッチ大統領、カスト次期大統領に祝意と政権移行支援を表明

現職のガブリエル・ボリッチ大統領は、決選投票での勝利が確定したホセ・アントニオ・カスト次期大統領に対し、電話で祝意を伝えた。ボリッチは、制度に基づく円滑な政権移行の重要性を強調し、就任予定日の2026年3月11日まで、必要な制度上の支援を全面的に提供する意向を表明した。

両者は翌月曜日にラ・モネダ宮殿で面会する予定で、公式な政権移行手続きが進められる見込みである。ボリッチは電話で、次期政権に対する協力姿勢を示しつつ、チリの民主主義の伝統に則った円滑な移行の確保が最優先であると強調した。

 

午後7:47 カスト、チリ次期大統領に選出

チリ大統領決選投票で、共和党候補のホセ・アントニオ・カストが左派候補のジャネット・ハラを破り、次期大統領に選出された。カストは約60%の得票を獲得し、ハラの40%を大きく上回った。

カストの勝利は、治安危機への対応、30万人以上の不法移民の国外退去、北部国境の閉鎖、経済回復の訴えなどを中心とした選挙戦略が支持された結果とされる。各種世論調査や専門家の予測通りの結果であるものの、実際の得票差はさらに大きかった。カストは2026年3月11日に正式に大統領に就任する予定である。

 

午後7:29 ジャネット・ハラ、カスト勝利を認めると声明

共産党の大統領候補、ジャネット・ハラは、チリの決選投票でホセ・アントニオ・カストが勝利したことを認めた。

ハラは「民主主義は力強く明確に示された。チリのために、先ほど当選者であるカストに成功を願う旨を伝えた」と述べた。また、支持者に向けて「私たちの候補者として応援してくれた皆さん、これからもチリのより良い未来に向けて活動を続ける。共に立ち上がり、これまで通り歩んでいく」と呼びかけた。

 

午後6時55分 公式初期結果

開票率4.46%の時点で、共和党候補のホセ・アントニオ・カストが59.83%の得票を獲得し、与党候補のジャネット・ハラの40.17%を上回った。

 

午後5時41分 エベリン・マッテイ:「すべてはカスト勝利を示している」
元大統領候補のエベリン・マッテイ(Evelyn Matthei)は投票を終えた後、カストの勝利の可能性について短い声明を発表した。

「すべてがカスト勝利を示していると思う。3月以降に何が起こるかを見ることになるだろう。例えば、高齢者が固定資産税を支払わなくて済むことを期待している人も多い」と語った。

さらに、元市長であるマッテイは国境政策についても触れ、「国境シールドなどの計画がチリに安心をもたらし、国境を完全に封鎖して不法移民の流入を防ぐことを期待している。非常に興味深い時期になるだろう」と述べた。

 

午後2時56分 フランコ・パリシ、白票を投票

チリ人民党の元大統領候補フランコ・パリシ(Franco Parisi)は、この日正午頃、ラ・レイナ区の投票所で無効票を投じたことを改めて表明した。
彼は、対立する二人の候補のどちらにも自分を代表されているとは感じておらず、無効票を投じる決定は「民主主義の一部」であると説明した。「望まないものに同調したくないし、共犯者や受動的・能動的な支持者にもなりたくない」と述べた。

さらに、無効票や白票が12%から18%に達する可能性を考慮すると、選挙結果はおよそ10ポイント前後の差で決まる可能性があると予測した。
また、選挙後は誰が当選してもチリ人民党は政権と対話する意向であることを明言し、「我々は民主主義を信じ、暴力に反対している。与党とも野党とも対話する必要がある」と語った。

支持者の動向については具体的な予測を避けつつ、PDGは今後の選挙過程でも重要な役割を果たすと強調した。

 

午後2時22分 選挙日は平穏に進行

政府は、今週日曜日に行われている大統領決選投票について最初の総括を発表し、選挙日は「落ち着いた状況」で進行していると表明した。

内務次官のビクトル・ラモス(Víctor Ramos)は、「アリカからマガジャネスまで、いくつかの投票所で限定的な事案が報告されているにすぎない。これらはいずれも選挙プロセスの正常な進行を妨げるものではない」と述べた。

一方、国防担当次官のガロ・エイデルシュタイン(Galo Eidelstein)は、26,000人以上の要員が投票所に配置され、物流や輸送任務に従事していると報告。また、市民防衛は有権者の来場が多い346か所の投票所に配置されている。

さらに、現時点までに投票しなかった理由を弁明する申請が、バーチャル警察署を通じて316,000件提出されている。

 

午後12時44分 ジャネット・ハラ、チリにおける団結の重要性を強調

チリ共産党の大統領候補ジャネット・ハラは、コンチャリ区で市民としての投票を終えた後、声明を発表した。

ハラは「候補者である我々は公の監視の下に置かれている」と述べ、両候補は「当然のこととして結果を尊重しなければならない」と強調した。

ボリッチ政権が残すレガシーについて問われると、彼女は距離を置き、「その点について言及すべきなのは政府自身である」と述べた。

また、「チリにとってより良い未来」を願い、国家を統治するには連携した取り組みが不可欠であると指摘。「チリを統治するというのは大きなチームとしての仕事であり、妨害ではなく構築が重要だ」と述べた。

さらに、仮に政権を握った場合には、責任ある野党の存在を期待すると語った。「すべてに反対するだけでは前進できないのは国民だ」とし、持続的な政策を推進するには国民的結束が不可欠であると強調。「団結は政治だけでなく、社会的にも必要だ」と述べた。

ジャネット・ハラは、当選すれば「すべての人々のために」統治すると約束し、最後にチリ国民に選挙への参加を呼びかけ、「政治は私たちの生活に大きな影響を及ぼす」と訴えた。

Photo:Pablo Sanhueza / REUTERS

 

午前10時17分 ハラ陣営、リピガスを告発

ジャネット・ハラ陣営は、選挙運動期間の法定期限を過ぎて特定候補への投票を呼びかける政治的メッセージが送付されたとして、リピガスを選挙管理局(Servel)に告発した。ハラ陣営は「この種の介入行為や選挙における個人データの不適切な使用は、民主主義に対する脅威である」と指摘した。

 

午前10時22分 カスト:「勝者はすべてのチリ国民の大統領」

大統領候補のホセ・アントニオ・カストは、投票を終えた後、「当選者はすべてのチリ国民の大統領でなければならない」と強調した。また「国民には非常に重要な市民意識がある」と述べ、この日の高い市民参加を評価した。カストはチリが「非常に複雑な状況」にあることを認め、「再建のために命を懸ける」と決意を示した。さらに、「穏やかな一日となり、多くの人が投票することを願っている」と述べ、選挙日が平穏に進むことへの期待を表明した。

 

午前11時39分 カミラ・バジェホ、政権移行は平穏に

ラ・レイナ区で投票を終えたチリ政府の報道官カミラ・バジェホ大臣は、決選投票への国民参加を呼びかけるとともに、政権移行は「平穏で、共和主義的、そして民主主義下で守られてきた伝統に沿ったものになる」と保証した。
同日後ほど、南部プンタ・アレナスで投票を済ませた現職大統領ガブリエル・ボリッチは、結果を待つためラ・モネダ宮殿へ向かう予定であることも明らかにした。結果が判明次第、大統領は当選者と落選者の双方に連絡を取る予定で、「その連絡は公に伝えられ、然るべき形で敬意をもったものになる」と述べた。また、任期最終盤であることに触れ、「市民が直面する困難は依然として多く、最後の瞬間まで統治に取り組む」と語った。

Photo:Alberto Valdés / EFE

 

午前10:10 カスト投票

共和党候補のホセ・アントニオ・カストは、パイネ(Paine)の投票所に到着し、「穏やかな一日となり、多くの人が投票することを願っている」と述べた。

Photo:Rodrigo Garrido / REUTERS

 

午前9:36 投票後にボリッチが発言

投票を終えたボリッチは、国家元首として最後となる投票参加の意義を改めて強調した。
「民主主義は日々守られるものだ」と述べ、チリでは選挙結果に疑義が呈されることはなく、選挙制度に対する国民の信頼の高さを指摘した。

また、「私は投票する権利を行使した。この権利を当然のものと考えてはならない」と改めて強調。国民の選択が「我が祖国の運命に影響を及ぼす」ものであることを示し、「このプロセスの一部となれたことを誇りに思う」と語った。

 

午前9:02 ボリッチ、プンタ・アレナスで投票

予想どおり、チリ大統領のガブリエル・ボリッチは午前9時少し過ぎ、プンタ・アレナス(Punta Arenas)にあるアルマンド・ケサーダ・アチャラン工業高校(Liceo Industrial Armando Quezada Acharán)に到着し、投票を行った。
第1回投票と同様、投票所には娘のビオレタ(Violeta)を伴って訪れた。

会場に入る前、ボリッチは「我々の民主主義を引き続き築いていこう」と述べた。

 

12月13日

午後4:30 チリ決選投票で3万人超が欠席届を提出

チリ選挙管理局(Servicio Electoral de Chile)の発表によると、大統領選第2回投票を数時間後に控え、チリ警察(Carabineros)は、土曜日18時までに36,304人がバーチャル警察署(Comisaría Virtual)を通じて投票欠席の申請を行ったことを明らかにした。

この制度は、投票所から200キロメートル以上離れている者、疾病を抱える者、またはその他の重大な理由で選挙に参加できない者が、投票不参加を正当化することを可能にするものである。

 

午後4:00 米駐チリ大使、ボリッチ大統領のコミュニケーション制限を非難

チリ駐在の米国大使ブランドン・ジャッド(Brandon Judd)は、ボリッチ政権が、ドナルド・トランプ政権発足以降、米国との二国間コミュニケーションを制限してきたと非難した。

ジャッド大使は、決選投票を控えたチリでのこの状況について「オープンなコミュニケーションが取れなかったことは失望である」と述べた。

 

午後3:00 フランコ・パリーシ、無効票投票を呼びかけ

第1回大統領選で19.80%を獲得し、第3位となったチリ人民党(Partido de la Gente, PDG)の党首、フランコ・パリーシ(Franco Parisi)は、決選投票で、無効票を投じるよう国民に呼びかけた。

パリーシは、この方法が「チリにとっての節約」になると説明した。これは、選挙管理局(Servel)が候補者の獲得票ごとに公的資金を支払うためである。また、彼はカストの勝利は「チリにとって悪い知らせ」と警告した。

 

午後2:31 カスト、選挙戦最終集会で「秩序・安全・信頼」を約束

チリ大統領決選投票を控え、共和党候補のホセ・アントニオ・カストは、テムコ(Temuco)で行われた選挙戦最終集会において演説を行った。

カストは、今週日曜日の決選投票で左派候補のジャネット・ハラに勝利した場合、国に「希望のショック」をもたらすと表明。また、防弾ガラス越しに数千人の支持者を前に、現政権は「混乱、無秩序、不安」を生み出したと断言した。

彼は集会で、チリ国民に対して「秩序・安全・信頼」の重要性を強調し、今後の国家運営における自身の決意を示した。

#チリ大統領選挙2025 #AntonioKast #政治介入

 

参考資料:

1. Balotaje en Chile: Kast mantiene una ventaja de casi 20 puntos sobre Jara mientras avanza el escrutinio

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