（Photo: Ministerio de Defensa）
2025年11月16日の国民投票前にグアヤス（Guayas）県にあるドゥラン（Durán）で見られた強大な軍と警察の存在は、今や姿を消した。街には兵士や警察官がいなくなり、住民たちは治安が選挙活動のための道具として使われたのではないかという感覚を抱いている。
地元の住民や指導者たちは、選挙結果が発表されるとすぐに軍人たちが街から姿を消し、都市は再び通常の治安の悪化した状態に戻ったと訴えている。その変化はあまりにも急速で、2025年11月18日火曜日の午後、ブリサス・デ・サンタイ（Brisas de Santay）団地内では、カップルが殺し屋によって殺害された。また、2025年11月20日木曜日には、殺し屋によって5歳の子どもが家の中で命を奪われる事件が発生した。
すべてがショーだった
政府の見かけ上の戦略は、セキュリティ・ブロック（Bloque de Seguridad）の後押しを受け、ゾーン8で「大規模な軍事化作戦」として発表された。この計画は、ドゥラン市を、24時間体制のパトロールを行うために4つの特定エリアに分割することを含んでいた。約1,200人の軍人と660人の警察官が動員され、通常の公共安全機関の存在人数の倍以上となった。
ゾーン8とは、エクアドルの都市における治安管理や警察業務を効率的に行うための行政区画の一つで、同国では、全国的に治安を管理するために「ゾーン」制をとっており、各ゾーンには特定の警察や軍のユニットが配置されている。ゾーン8は、グアヤス県にある主要な都市圏を指し、その中心はグアヤキル（Guayaquil）である。この地域はエクアドルで最も人口が多く、経済的にも重要なエリアであるため、治安維持が特に重視されている。
2025年10月に始まったこの「大規模な軍事化作戦」の展開には、主要なアクセス地点に固定されたチェックポイントが設置され、その中にはドゥラン・タンボ（Durán-Tambo）、ドゥラン・ボリチェ（Durán-Boliche）、ドゥラン・ヤグアチ（Durán-Yaguachi）、およびユニダ・ナシオナル橋（Puente de la Unidad Nacional）が含まれており、目標は市民の「治安の認識」を高めることだった。
しかし、ドゥランの住民たちは、この集中的な努力が短期間であったことを認めている。ドゥランに住むカルロス・メンドサ（Carlos Mendoza）は、軍人たちは投票日の2025年11月16日までしか滞在していなかったと語った。住民は、軍人たちが以前は見かけた場所、例えばユニダ・ナシオナル橋の上り口や鉄道駅近くなどでは、今はもう見かけないことを指摘した。
また、市民ナイエリ・カミノ（Nayeli Camino）は、監視活動は日曜日の夜までしか続かなかったと述べ、それ以降は通行人の取り締まりを行う交通警察官のみが街に見られるようになったと伝えた。
¡OPERACIONES DE ALTA INTENSIDAD EN DURÁN! 💪
— Ministerio de Defensa Nacional del Ecuador (@DefensaEc) October 28, 2025
➡️Con el objetivo de neutralizar amenazas a la seguridad ciudadana y mantener el orden público en beneficio de todos los ecuatorianos, el #BloqueDeSeguridad, a través de las @FFAAECUADOR, ejecuta acciones en los sectores de mayor… pic.twitter.com/3LYa6VIEXR
元市議会議員パブロ・アヤラ（Pablo Ayala）は、この行為を厳しく批判し、「ドゥランでの軍事化はこれが初めてではない」と指摘した。そして驚くべきことに、こうした軍事的展開は常に投票前に発表されると述べた。アヤラは、この軍事的展開を「選挙キャンペーンの一環」と見なし、軍事化と他の行動、例えばボーナスの配布などは、「選挙前の偽りの提案」だったと述べた。
そして、国民投票（Consulta Popular）の4つの質問すべてで「反対」が勝利した今、「軍事化も見当たらない、計画も見当たらない、街には軍の姿もない」と元市議は言った。さらに、アヤラはドゥラン市民が「街はいつも通りだと感じている」と付け加えた。
暴力がドゥランに戻る
安全保障戦略の実施期間は短かった。それもあり暴力は依然として増加を続けている。ドゥラン市では、2025年の1月から9月までに438件の殺人事件が発生しており、これは2024年の同期間に発生した378件に比べて15.87%増加している。2025年におけるこの数字はドゥラン市で発生した殺人事件としては歴史的に最も高い数字となっている。
ドゥランにおける殺人件数
ドゥラン市民のアンドレア・ペラルタ（Andrea Peralta）は、ドゥランでの軍事化が必要かつ緊急であったことを述べ、2022年から暴力の急速な増加と組織犯罪の存在が明らかになっていたと指摘した。「今日実施されたのは、総合的な戦略なしで行われた即席の軍事化であり、そのため持続可能な結果は得られなかった」とペラルタは述べた。
彼女は当局に対して、ドゥランにおける計画的で戦略的な軍事化とともに明確な目標を持った上で警察と連携した取り組みがなされるよう求めた。さらに、「実際の犯罪の動態に応じた地域的なアプローチ」を強調し、「真剣な戦略によってのみ、人民が必要とする緊急の結果を得ることができる」と語った。必要なのは「票を獲得するためのポピュリズム的な行動ではなく、市民安全のための総合的な計画の一部としての軍事化」である。
参考資料：
1. Terminó el show electoral: Militares desaparecieron de Durán tras las votaciones
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