ラテンアメリカでは、女性たちが毎日のようにジェンダーを理由に殺され、何百万もの女性が自らの収入を持たず、劣悪な状況のなかで出生率が低下している。しかし、大衆的フェミニズムは、ネオファシズムやネオリアクション(反動的政治)のプロジェクトに対抗し、進路を争うことのできる数少ない主体の一つとして浮上している。おそらくそのことが、ラテンアメリカおよびカリブの極右政府や指導者たちが、フェミニズムを「文明の危機」の原因だと非難する理由である。
反動的攻勢は抽象的なものではない。アルゼンチンでは、ハビエル・ミレイ(Javier Milei)政府が女性・ジェンダー・多様性省を解体した。また、パナマ、エクアドル、エルサルバドルは「公共支出調整」の名のもとに、ジェンダー政策のための専門組織を廃止する動きを見せた。ブラジルでは、ボルソナロ主義の遺産が依然として議会や教会に残存している。エルサルバドルでは、ナジブ・ブケレ(Nayib Bukele)政権が極端な懲罰主義と、フェミニストおよび多様性運動を攻撃する言説を結びつけている。これらの政府と文化的影響拠点は、共通の操作を行っている。それは、フェミニズムを敵として名指しし、大衆多数を規律化しようとするものである。
「文明の危機」の原因は誰なのか?
ラテンアメリカ女性殺害マップによれば、2024年にラテンアメリカでは少なくとも4,855人の女性が殺害されており、これは1日あたり13件の女性殺害に相当する。ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(Comisión Económica para América Latina y el Caribe:CEPAL)は、この地域では平均して2時間に1人の女性がジェンダーを理由に殺されていると算出している。それは、数日に一度、学校の1学級全員が丸ごと消えてしまうような規模である。同時に、国際労働機関(International Labour Organization: ILO)は、女性の57%がインフォーマル労働に従事し、平均して男性より17%少ない収入しか得ておらず、地域の8,300万人の女性が自身の収入を持っていないと警告している。
このような状況のなかで、ネオファシスト的右派は新たな神話を植えつけようとしている。出生率の低下は、合法的な中絶、LGBTTIQ+運動、そしてフェミニズムのせいだという。しかし、人口動態の実際のデータは別のことを示している。ラテンアメリカおよびカリブ地域の合計特殊出生率は、2000年の女性1人あたり2.6人から2023年には1.78人へと低下し、人口置換水準を下回っている。ブラジル、メキシコ、チリ、コロンビア、エクアドル、アルゼンチンはいずれも同じ下降傾向をたどっている。これは孤立した現象でも、「緑のイデオロギー感染(“contagio ideológico” verde)」でもなく、政権の政治的立場に関係なく、多くの国々に共通する一般的傾向である。
国連人口基金(Fondo de Población de las Naciones Unidas:UNFPA)は、『世界人口白書2025:本当の出生率危機:変化する世界で生殖の自由を達成する(Estado de la Población Mundial 2025: “La verdadera crisis de fecundidad: Alcanzar la libertad reproductiva en un mundo de cambios”)』という報告書の中で、多くの人々が経済的不安定や雇用の不安定といった構造的障害のため、望む家族を形成できないと指摘している。
資本主義の新たな段階は、デジタル化と金融化によって特徴づけられ、利用可能な時間を無給労働に変え、労働者階級を先の見えない生活様式(régimen de vida sin horizonte cierto)に追い込んでいる。具体的には、短期契約、自宅を工場に変えるプラットフォーム、恒常的な借金がこれに当たる。
この文脈において、ルーカス・アギレラ(Lucas Aguilera)が定義する「労働力生産の減少傾向」が見て取れる。すなわち、プロレタリア階級の再生産が減少していることである。自動化と不安定化が進むことにより、資本はもはや同じ量の労働力の補充を必要としなくなっている。
デジタル企業や投資ファンドのオーナーであるエリートは、世界のほぼすべての富を集中させ、国家に影響力を行使している。その中でもよく知られた人物──イーロン・マスク(Elon Musk)、ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)、マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)──は、数千億ドル規模の財産を持ちながら、多くの子どもを持つことが可能である一方、従業員の中絶を資金援助し、労働権を削減し、自身のプラットフォーム上で性と生殖に関する健康情報を検閲することもある。
彼らは、いつ、何人の子どもを持つかを自由に決定できる。しかし、何百万もの女性は、月末まで生活費が足りない、二重・三重労働をこなしている、あるいは未来が私有化されているかのように見えるため、母親になることを先送りしたり断念したりしているのである。
出生率を押し下げているのはフェミニズムではない。生活の物質的構造が、出生率低下を引き起こしているのである。
ネオファシズムおよびネオリアクションのプロジェクトは、この根本的な争いを覆い隠そうとしている。彼らは「ジェンダー・イデオロギー」を内部の敵として設置し、ソーシャルメディア上でヘイトスピーチを煽り、身体を規律化する古い概念を再利用している。それは、核家族の異性愛者こそが社会秩序の唯一の保証であるという考えである。
彼らは、女性蔑視や暴力的なコンテンツを増幅させ、異なる意見を抑圧する設計のデジタルプラットフォーム上でこの活動を行っている。しかし、その同じ領域において、私たち大衆的・革命的フェミニズムは、協調されたデジタルキャンペーン、街頭でのコミュニティライブ配信、自前のコンテンツ制作、そしてメディアの封鎖を打ち破る告発ネットワークで応じている。今日、ソーシャルメディアを掌握することは、街頭を掌握することと同じくらい戦略的である。
革命的フェミニズムか、白人リベラル・フェミニズムか:内部抗争
フェミニスト運動の内部でも、争いは明確である。私たちの陣営には、富を集中させる者たちが発明した「白人リベラル・フェミニズム(feminismo blanco liberal)」が浸透している。それは、コーチングの言語、表面的な「平等」、個人のエンパワーメント、中絶賛成の子どもを持たない女性に適合させたものである。このフェミニズムは、不平等なシステムの頂点により多くの女性を置くことに満足し、古い構造を露出させ破壊することで、私たちの搾取を深め、生まれながらの貧困の責任を私たちに負わせようとする。
これに対して、伝統的女性観(feminismo conservador de las tradwifes)も存在する。これは、ソーシャルメディア上の傾向で、女性はシステム内で基本的かつ伝統的な役割を担うべきであるとするものである。すなわち、家庭を維持し、子を産み、料理をし、子どもの世話をし、家計の「提供者」である男性に従属することを求める。また、白人でアメリカンスタイルの「良き家庭(familias bien)」の存在を推進するものである。
これらの権力を争うプロジェクトに対して、私たち大衆的・革命的フェミニズム(feminismos populares y revolucionarios)が現れる。私たちは、富を集中させる父権制エリートが存在する限り自由はないと考え、生活を組織する私有財産や、今や私たちの生きる時間が流れるデジタルプラットフォーム上で流通する価値観を問い直さなければ、民衆の尊厳は存在し得ないと考える。また、女性やジェンダー・ディシデンスに負わされる性的労働の分業にも立ち向かう必要がある。このプロジェクトの中で、私たちは極度の貧困と向き合う女性およびディシデンスであり、その貧困は、新自由主義およびネオファシスト政府によって引きずり込まれた深刻な負債によってもたらされている。
ラテンアメリカのフェミニズムおよびトランスフェミニズムは、個々のアイデンティティではなく、政治的プログラムである。私たちは、組織、労働組合、学校、病院に参加し、スラム(asentamiento)、地区(barrio)、ヴィジャ(villa)やファヴェーラ(favela)※、農村コミュニティ、先住民運動(movimientos indígenas)で活動している。メキシコシティ、ボゴタ、キト、ラパス、ブエノスアイレス、サンティアゴ、リマ、モンテビデオの街は、ストライキを行い、デモ行進を行い、経済調整、対外債務、資源開発も暴力であることを訴える労働者であふれている。
私たちの姉妹的かつ政治的ネットワークは、食堂、公共炊事(ollas populares)、避難所、ケアスペースを支えており、これは、この抑圧的資本主義システムの論理の外側での具体的な社会再生産の形態である。
世界規模でパレスチナにおける紛争が続き、権威主義的右派が前進し、富の極端な集中が進む地域において、ラテンアメリカの革命的・大衆的フェミニズムはすでに、地域的な抵抗を世界的な課題と連動させることが可能であることを示している。なぜなら、パレスチナのために戦うことは、世界の人々の尊厳のために戦うことであり、それと同時に私たち自身の尊厳のために戦うことでもあるからである。
現在の課題は、その力をプログラムとして維持することである。すなわち、ネットワーク、街頭、そして制度において、新しい金融・技術貴族(Nueva Aristocracia Financiera y Tecnológica)に立ち向かい、ネオリアクショナリズムを解体し、生命、身体、大衆の時間を利益よりも優先させる提案を掲げることである。
これは女性を「救う」ためではなく、再び、労働者階級全体が尊厳ある条件で再生産され、コミュニティが人類そのものとなる新しい世界に向けた可能性を灯すためである。
ネオリアクション(NRx)
ネオリアクションとは、伝統的な権威、階級社会、そして技術的・文化的な革新に対する批判的な立場であり、2000年代後半に米国で生まれた政治思想・運動である。この思想はリベラリズム、民主主義、平等主義に反対し、「民主主義は非効率で、社会秩序や文明の発展を妨げる」と考える。そのため、より階層的で権威主義的な政治形態を支持する傾向がある。ネオリアクションはしばしばインターネット上で議論され、とりわけテック業界や哲学的論壇で注目されてきた。
asentamiento、barrio、villa、favela
- asentamiento : 集落、入植地(非公式も含む)
- barrio : 町や地区、比較的普通、もしくは低〜中所得層の住宅街
- villa : 貧困地区、スラム(アルゼンチン的用法)
- favela : ブラジルのスラム街
参考資料:
1. Resistencia comunitaria: realidad y desafíos de los feminismos populares y revolucionarios en América Latina y el Caribe – Por Paula Giménez
2. Estado de la Población Mundial 2025: “La verdadera crisis de fecundidad: Alcanzar la libertad reproductiva en un mundo de cambios”
本記事はパウラ・ヒメネス(Paula Giménez)によるコラムの日本語訳である。彼女は、心理学(Licenciada en Psicología)の学士号を持ち、国家安全保障・防衛(Seguridad y Defensa de la Nación)および国際安全保障・戦略研究(Seguridad Internacional y Estudios Estratégicos)の修士号を有し、NODALのディレクターを務めている。
ラテンアメリカでは、女性たちが毎日のようにジェンダーを理由に殺され、何百万もの女性が自らの収入を持たず、劣悪な状況のなかで出生率が低下している。しかし、大衆的フェミニズムは、ネオファシズムやネオリアクション(反動的政治)のプロジェクトに対抗し、進路を争うことのできる数少ない主体の一つとして浮上している。おそらくそのことが、ラテンアメリカおよびカリブの極右政府や指導者たちが、フェミニズムを「文明の危機」の原因だと非難する理由である。
反動的攻勢は抽象的なものではない。アルゼンチンでは、ハビエル・ミレイ(Javier Milei)政府が女性・ジェンダー・多様性省を解体した。また、パナマ、エクアドル、エルサルバドルは「公共支出調整」の名のもとに、ジェンダー政策のための専門組織を廃止する動きを見せた。ブラジルでは、ボルソナロ主義の遺産が依然として議会や教会に残存している。エルサルバドルでは、ナジブ・ブケレ(Nayib Bukele)政権が極端な懲罰主義と、フェミニストおよび多様性運動を攻撃する言説を結びつけている。これらの政府と文化的影響拠点は、共通の操作を行っている。それは、フェミニズムを敵として名指しし、大衆多数を規律化しようとするものである。
「文明の危機」の原因は誰なのか?
ラテンアメリカ女性殺害マップによれば、2024年にラテンアメリカでは少なくとも4,855人の女性が殺害されており、これは1日あたり13件の女性殺害に相当する。ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(Comisión Económica para América Latina y el Caribe:CEPAL)は、この地域では平均して2時間に1人の女性がジェンダーを理由に殺されていると算出している。それは、数日に一度、学校の1学級全員が丸ごと消えてしまうような規模である。同時に、国際労働機関(International Labour Organization: ILO)は、女性の57%がインフォーマル労働に従事し、平均して男性より17%少ない収入しか得ておらず、地域の8,300万人の女性が自身の収入を持っていないと警告している。
このような状況のなかで、ネオファシスト的右派は新たな神話を植えつけようとしている。出生率の低下は、合法的な中絶、LGBTTIQ+運動、そしてフェミニズムのせいだという。しかし、人口動態の実際のデータは別のことを示している。ラテンアメリカおよびカリブ地域の合計特殊出生率は、2000年の女性1人あたり2.6人から2023年には1.78人へと低下し、人口置換水準を下回っている。ブラジル、メキシコ、チリ、コロンビア、エクアドル、アルゼンチンはいずれも同じ下降傾向をたどっている。これは孤立した現象でも、「緑のイデオロギー感染(“contagio ideológico” verde)」でもなく、政権の政治的立場に関係なく、多くの国々に共通する一般的傾向である。
国連人口基金(Fondo de Población de las Naciones Unidas:UNFPA)は、『世界人口白書2025:本当の出生率危機:変化する世界で生殖の自由を達成する(Estado de la Población Mundial 2025: “La verdadera crisis de fecundidad: Alcanzar la libertad reproductiva en un mundo de cambios”)』という報告書の中で、多くの人々が経済的不安定や雇用の不安定といった構造的障害のため、望む家族を形成できないと指摘している。
資本主義の新たな段階は、デジタル化と金融化によって特徴づけられ、利用可能な時間を無給労働に変え、労働者階級を先の見えない生活様式(régimen de vida sin horizonte cierto)に追い込んでいる。具体的には、短期契約、自宅を工場に変えるプラットフォーム、恒常的な借金がこれに当たる。
この文脈において、ルーカス・アギレラ(Lucas Aguilera)が定義する「労働力生産の減少傾向」が見て取れる。すなわち、プロレタリア階級の再生産が減少していることである。自動化と不安定化が進むことにより、資本はもはや同じ量の労働力の補充を必要としなくなっている。
デジタル企業や投資ファンドのオーナーであるエリートは、世界のほぼすべての富を集中させ、国家に影響力を行使している。その中でもよく知られた人物──イーロン・マスク(Elon Musk)、ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)、マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)──は、数千億ドル規模の財産を持ちながら、多くの子どもを持つことが可能である一方、従業員の中絶を資金援助し、労働権を削減し、自身のプラットフォーム上で性と生殖に関する健康情報を検閲することもある。
彼らは、いつ、何人の子どもを持つかを自由に決定できる。しかし、何百万もの女性は、月末まで生活費が足りない、二重・三重労働をこなしている、あるいは未来が私有化されているかのように見えるため、母親になることを先送りしたり断念したりしているのである。
出生率を押し下げているのはフェミニズムではない。生活の物質的構造が、出生率低下を引き起こしているのである。
ネオファシズムおよびネオリアクションのプロジェクトは、この根本的な争いを覆い隠そうとしている。彼らは「ジェンダー・イデオロギー」を内部の敵として設置し、ソーシャルメディア上でヘイトスピーチを煽り、身体を規律化する古い概念を再利用している。それは、核家族の異性愛者こそが社会秩序の唯一の保証であるという考えである。
彼らは、女性蔑視や暴力的なコンテンツを増幅させ、異なる意見を抑圧する設計のデジタルプラットフォーム上でこの活動を行っている。しかし、その同じ領域において、私たち大衆的・革命的フェミニズムは、協調されたデジタルキャンペーン、街頭でのコミュニティライブ配信、自前のコンテンツ制作、そしてメディアの封鎖を打ち破る告発ネットワークで応じている。今日、ソーシャルメディアを掌握することは、街頭を掌握することと同じくらい戦略的である。
革命的フェミニズムか、白人リベラル・フェミニズムか:内部抗争
フェミニスト運動の内部でも、争いは明確である。私たちの陣営には、富を集中させる者たちが発明した「白人リベラル・フェミニズム(feminismo blanco liberal)」が浸透している。それは、コーチングの言語、表面的な「平等」、個人のエンパワーメント、中絶賛成の子どもを持たない女性に適合させたものである。このフェミニズムは、不平等なシステムの頂点により多くの女性を置くことに満足し、古い構造を露出させ破壊することで、私たちの搾取を深め、生まれながらの貧困の責任を私たちに負わせようとする。
これに対して、伝統的女性観(feminismo conservador de las tradwifes)も存在する。これは、ソーシャルメディア上の傾向で、女性はシステム内で基本的かつ伝統的な役割を担うべきであるとするものである。すなわち、家庭を維持し、子を産み、料理をし、子どもの世話をし、家計の「提供者」である男性に従属することを求める。また、白人でアメリカンスタイルの「良き家庭(familias bien)」の存在を推進するものである。
これらの権力を争うプロジェクトに対して、私たち大衆的・革命的フェミニズム(feminismos populares y revolucionarios)が現れる。私たちは、富を集中させる父権制エリートが存在する限り自由はないと考え、生活を組織する私有財産や、今や私たちの生きる時間が流れるデジタルプラットフォーム上で流通する価値観を問い直さなければ、民衆の尊厳は存在し得ないと考える。また、女性やジェンダー・ディシデンスに負わされる性的労働の分業にも立ち向かう必要がある。このプロジェクトの中で、私たちは極度の貧困と向き合う女性およびディシデンスであり、その貧困は、新自由主義およびネオファシスト政府によって引きずり込まれた深刻な負債によってもたらされている。
ラテンアメリカのフェミニズムおよびトランスフェミニズムは、個々のアイデンティティではなく、政治的プログラムである。私たちは、組織、労働組合、学校、病院に参加し、スラム(asentamiento)、地区(barrio)、ヴィジャ(villa)やファヴェーラ(favela)※、農村コミュニティ、先住民運動(movimientos indígenas)で活動している。メキシコシティ、ボゴタ、キト、ラパス、ブエノスアイレス、サンティアゴ、リマ、モンテビデオの街は、ストライキを行い、デモ行進を行い、経済調整、対外債務、資源開発も暴力であることを訴える労働者であふれている。
私たちの姉妹的かつ政治的ネットワークは、食堂、公共炊事(ollas populares)、避難所、ケアスペースを支えており、これは、この抑圧的資本主義システムの論理の外側での具体的な社会再生産の形態である。
世界規模でパレスチナにおける紛争が続き、権威主義的右派が前進し、富の極端な集中が進む地域において、ラテンアメリカの革命的・大衆的フェミニズムはすでに、地域的な抵抗を世界的な課題と連動させることが可能であることを示している。なぜなら、パレスチナのために戦うことは、世界の人々の尊厳のために戦うことであり、それと同時に私たち自身の尊厳のために戦うことでもあるからである。
現在の課題は、その力をプログラムとして維持することである。すなわち、ネットワーク、街頭、そして制度において、新しい金融・技術貴族(Nueva Aristocracia Financiera y Tecnológica)に立ち向かい、ネオリアクショナリズムを解体し、生命、身体、大衆の時間を利益よりも優先させる提案を掲げることである。
これは女性を「救う」ためではなく、再び、労働者階級全体が尊厳ある条件で再生産され、コミュニティが人類そのものとなる新しい世界に向けた可能性を灯すためである。
ネオリアクション(NRx)
ネオリアクションとは、伝統的な権威、階級社会、そして技術的・文化的な革新に対する批判的な立場であり、2000年代後半に米国で生まれた政治思想・運動である。この思想はリベラリズム、民主主義、平等主義に反対し、「民主主義は非効率で、社会秩序や文明の発展を妨げる」と考える。そのため、より階層的で権威主義的な政治形態を支持する傾向がある。ネオリアクションはしばしばインターネット上で議論され、とりわけテック業界や哲学的論壇で注目されてきた。
asentamiento、barrio、villa、favela
- asentamiento : 集落、入植地(非公式も含む)
- barrio : 町や地区、比較的普通、もしくは低〜中所得層の住宅街
- villa : 貧困地区、スラム(アルゼンチン的用法)
- favela : ブラジルのスラム街
参考資料:
1. Resistencia comunitaria: realidad y desafíos de los feminismos populares y revolucionarios en América Latina y el Caribe – Por Paula Giménez
2. Estado de la Población Mundial 2025: “La verdadera crisis de fecundidad: Alcanzar la libertad reproductiva en un mundo de cambios”

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