エクアドル全国ストライキ2025:6日目、花卉産業などストの停止を求める

エクアドルのストライキは6日目を迎え、特に非石油輸出の主要産業の一つである花卉産業に警戒感が強まっている。エクアドル先住民族連盟(Confederación de Nacionalidades Indígenas del Ecuador:CONAIE)が呼びかけた全国ストライキは、指導者たちが期待したほどの広がりは見せていないものの、一部地域では依然として継続している。全国花卉生産者・輸出業者協会(Asociación Nacional de Productores y Exportadores de Flores:Expoflores)は、道路封鎖や主にインバブラ(Imbabura)県にある生産農園での攻撃により、日々約100万ドルの損失が発生していると訴えている。損失はさらに3倍に膨れ上がり、輸出にも深刻な影響を及ぼす可能性がある。

 

Expofloresは9月26日(金)、インバブラにおいて花卉農園および関連労働者が抗議活動への参加を強制されたとして、公式に非難声明を発表した。同協会によれば、これらの行為により、全国の花卉生産のおよそ70%が影響を受けているという。ExpofloresがSNS「X(旧Twitter)」上で訴えたのは、「インバブラ県内の各農園から、労働者が暴力を受けたうえで作業を放棄し、ストライキに参加するよう強制されたとの報告が相次いでいる。さらに、抗議者らは証拠が残らないよう従業員の携帯電話を奪った。これは計画的かつ組織的な行為であり、明確なテロ行為である」と述べ、顔を覆った人物が映る映像も公開した。また同協会は、1日あたり最大250万ドルの損失が発生していると警告し、政府および関係機関に対し、迅速かつ断固とした対応を求めている。

従業員の携帯電話が盗まれる事例は事件の証拠を隠滅する目的があったとされる。今週初め、Expofloresは、北部地域における抗議と道路封鎖の初日だけで、約33,000人の花卉農園労働者が影響を受けたと発表した。また、道路封鎖による損失額は、1日あたり200万ドルから250万ドルに達すると報告している。これらの行為について、同協会は「労働者の基本的権利を侵害し、地域社会に不安をもたらす」と指摘し、「テロ行為」として非難した。

花卉輸出業界は、また、ディーゼル補助金廃止に対する抗議の長期化が海外の顧客との関係に悪影響を及ぼすことを強く懸念している。警察や軍隊がイムバブラの農園からキト空港までの一部区間の道路を部分的に開放したものの、完全な道路封鎖が続けば、損失は1日あたり300万ドルに達し、農園の経営が「持続不可能」な状況になると業界団体は警告している。そのためExpofloresは声明で、「すべての暴力行為を強く非難し、対話を再開して正常化を図ることを求める。社会の平和も経済の安定も危険にさらすことはできない」と表明している。

 

エクアドルの花卉産業は、同国の主要な輸出産業のひとつとして国際的に高い評価を受けている。特にバラの品質は世界トップクラスとされ、コロンビア、オランダと並んで「世界三大バラ輸出国」の一角を占めている。標高が高く、昼夜の寒暖差が激しいアンデス山脈地帯に位置するエクアドルは、花の栽培に理想的な自然条件を備えており、色鮮やかで長持ちするバラの生産が可能だ。このため、エクアドル産のバラは高級品として世界中で流通している。経済的には、花卉産業はバナナやエビに次ぐエクアドルの重要な農産物輸出産業であり、年間の輸出額は数十億ドル規模に達する。また、約10万人以上の雇用を生み出しており、特に農村部の女性たちにとって重要な就労の場となっている。バレンタインデーや母の日といった特定の祝日には需要が急増し、それに合わせた生産・輸送体制が整えられている。

インバブラ県では、全国ストライキの抗議の震源地として、市民によるストライキ終結を求めるデモも記録された。約300人の商人と住民がオタバロ(Otavalo)の中心街を行進し、「オタバロを破壊するな」や「平和と暴力のない社会を求める」と書かれたプラカードを掲げた。抗議者たちは、自身の商売を閉めざるを得なかったと訴え、CONAIEに対し、即時の対話を設けるよう求めた。これは地域の平穏を取り戻し、経済を再活性化するためである。アトゥンタキ(Atuntaqui)でも、繊維業者や商業従事者らが「働かせてほしい」と訴えながら、デモ行進を行った。

 

インバブラでの拘束者、他県へ移送される

オタバロとインバブラでの抗議活動中に拘束された12名が警察の監視下に置かれている。かつてはスタジアムに収容されていたが、現在はテロ行為の疑いで捜査を受けているという。拘束者たちは軍のヘリコプターで移送され、SNS上に公開された映像では、手錠をかけられうつ伏せにされている様子が確認されている。彼らはポルトビエホ(Portoviejo)およびエスメラルダス(Esmeraldas)の刑務所に移送されたが、後者の施設では数時間前に14名の受刑者が死亡する大規模な暴動が発生していた。

この移送措置に対し、人権団体である地域人権財団(Fundación Regional de Derechos Humanos:Inredh)は強く批判している。同団体は、この措置が拘束者の身体的完全性を侵害し、違法であると指摘した。Inredhの所長イングリッド・ガルシア(Ingrid García)は、「権限を有する当局は、被拘禁者およびその家族の権利を保証するために、徹底的な分析を行う義務があった」と述べた。また、同団体は12名の拘束者の家族が非常に苦しんでいることも明らかにしている。イングリッド・ガルシアは、「この12名の拘束直後から、家族は被拘束者との適切な連絡を一切取れていない。拘束時から情報が隠蔽され、弁護士も被告人と連絡を取ることができなかった」と付け加えた。

CONAIEのマルロン・バルガス(Marlon Vargas)も、「我々は国家政府の横暴を断罪する。今日、我々の兄弟たちは投獄され、他の県へ移送された」と拘束者の他県への移送を強く批判した。現時点で、内務省(Ministerio de Gobierno)および国家囚人総合ケアサービス(Servicio Nacional de Atención Integral a Privados de Libertad y Adolescentes Infractores:SNAI)からは、公式な情報発表はなされていない。司法手続きはキト(Quito)で行われる予定である。

CONAIEは全国ストライキの継続を改めて表明した。会長のマルロン・バルガスは、シエラ地域の一部で抗議が解除されるという噂を否定し、政府が要求に応じるまでストライキは続くと断言した。基盤組織との会合の後、以下の要求を掲げている:

  • 全国ストライキに関連して拘束された全ての者の釈放

  • ディーゼル燃料への補助金を廃止する政令の撤回

  • 国民投票および住民投票への反対

  • 全ての先住領土における非常事態宣言および夜間外出禁止令の撤回

 

マルロン・バルガスはまた、抗議活動中に逮捕された約100名(うち数名はテロ関連で起訴されている)の釈放とともに、「弾圧と犯罪化の停止」を求めている。先週金曜日には検察庁が汚職の疑いで指導者たちに対して捜査を開始されたからである。彼はこれを「犯罪化」と非難している。この捜査対象には、マルロン・バルガス会長のほか、地域支部の先住民族指導者、技術チーム、人権および自然保護の擁護者たちが含まれている。

 

ダニエル・ノボア(Daniel Noboa)大統領は現時点で全国ストライキを率いる社会団体、先住民族組織の指導者との対話はないと明言している。

#DanielNoboa #CONAIE #エクアドル全国ストライキ2025

 

参考資料:

1. Habitantes y comerciantes de Otavalo pidieron poner fin al paro nacional
2. Paro parcial en Ecuador: sector florícola pierde un millón de dólares diarios por bloqueos y ataques
3. Detenidos en Otavalo son trasladados a cárcel de Esmeraldas bajo acusaciones de terrorismo
4. Expoflores denuncia que trabajadores florícolas fueron forzados a unirse al paro en Imbabura

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