(Photo: Corte Nacional Justicia)
2025年7月9日、ダニエル・サルセド(Daniel Salcedo)は防弾チョッキを着用し、警察官や軍人に護衛されながらキトの検察庁から姿を現した。建物の入り口で彼は「彼らは間違いを犯した。私を生かしておくという間違いだ」と語った。
二週間前の2025年6月27日、サルセドは汚職や組織犯罪の罪で有罪判決を受けている中、2023年8月9日の夜に政治集会の終了後に殺害された当時の大統領候補フェルナンド・ビジャビセンシオ(Fernando Villavicencio)事件の、知的主犯とされる者たちに関する予備調査において早期証言を行った。
検察は元大統領候補フェルナンド・ビジャビセンシオ殺害の背後にいるとされる5人を捜査しており、そのうちの一人としてダニエル・サルセドに容疑がかかっている。彼は早期証言を受け入れたものの、彼がビジャビセンシオ殺害事件とどのような関連を持つのかは未だ明らかにされていない。
サルセド捜査の命令
サルセドが証言を行うおよそ1か月前、複数のメディアが、ビジャビセンシオ殺害事件に関する検察の捜査文書を報じた。当該文書によれば、殺人の疑いがある事件に関する捜査資料を精査した結果、次の人物の「関与の疑い」が浮上したという:
ホルヘ・グラス(Jorge Glas)元エクアドル副大統領、ホセ・セラノ(José Serrano)元内務大臣、逃亡中の実業家ハビエル・ジョルダン(Xavier Jordán)、ラファエル・コレア(Rafael Correa)元大統領率いる市民革命党(Revolución Ciudadana)元議員ロニ・アレアガ(Ronny Aleaga)、そして六件の判決で計36年の刑を受けているダニエル・サルセドである。
この文書には日付が記されていないが、検察庁の国家捜査ユニット長宛てに捜査担当者を指名するよう命じる内容であった。
調査担当捜査官への委任状(22)
要求事項
詳細:第四項
本事前調査はフェルナンド・ビジャビセンシオ・バレンシアが殺害された事件を背景としている。このため、2023年10月11日付けで検察総長からの依頼文書および検察総局人事局長マグスタ・ジョナタン・ガルシア・カニャルテ(Mgtr. Jonathan García Cañarte)署名の職員番号40370TDH-FGEの指示を受け、当該事前調査の進行を把握している。本調査は2023年10月19日に開始され、本件犯罪の首謀者およびその他の実行犯を特定することを目的としている。
本事前調査において、殺人の疑いに関する収集情報の検討から、以下の市民が本件に関与した疑いがあると判断された。
ホルヘ・グラス・エスピネル(JORGE GLAS ESPINEL)
ホセ・セラノ・サルガド(JOSE SERRANO SALGADO)
ハビエル・ホルダン・メンドサ(XAVIER JORDÁN MENDOZA)
ロニー・アレアガ・サントス(RONNY ALEAGA SANTOS)
ダニエル・サルセド・ボニジャ(DANIEL SALCEDO BONILLA)
したがって、エクアドル共和国憲法第76条第7項(a)、(c)、(g)号に規定される適正手続きの権利を保障するため、また司法機能に関する有機法(Código Orgánico de la Función Judicial)第282条第3項、および包括刑法(Código Orgánico Integral Penal)第449条第9項および第10項に従い、検察総局支援のための国家調査部門長に対し、担当捜査官のいずれかを指名し、あらゆる十分な手段を用いて、公開および非公開の情報源から、上記5名の市民に対して実際に、電子的またはその他の方法で通知を行い、私選弁護人を指名する義務および今後の通知のために司法郵便箱または電子メールアドレスを指定するよう伝えることを命ずる。本調査は事件番号170101823101713として進行中であり、殺人の疑いで被疑者らに対して行われている。現在は事前調査段階にあり、必要に応じてさらなる調査手続きが実施される予定である。
当該文書が流出した1か月後の2025年6月22日、ダニエル・サルセドと資金洗浄の罪で13年の懲役刑を受けているその弟ノエ・サルセド(Noé Salcedo)は、港湾都市グアヤキルにあるラ・ロカ刑務所(Penal La Roca)からリオバンバ刑務所(Penal de Riobamba)へ移送された。これはダニエル・サルセドが脅迫を受けていたためとされている。そんな中移送先のリオバンバ刑務所内で6月24日、ダニエル・サルセドは襲撃を受けた。弟ノエはこの襲撃を止めようとし、足に銃弾を受けたうえ、複数箇所を刺された。暗殺未遂の後、兄弟は2025年6月26日にキトの第4刑務所(Penal N°4 de Quito)へ移送された。ダニエル・サルセドによれば、この襲撃事件が彼にビジャビセンシオ殺害事件に関する証言の前倒しを決意させた動機であるという。
移送された翌日の2025年6月27日、ダニエル・サルセドは防弾車両に乗せられ、首都キトの北司法コンプレックスに到着した。軍と警察による厳重な警備が敷かれていた。
建物内では、サルセドは「ヘセル室」と呼ばれる、証言者が萎縮せずに話せるように設計された部屋に通され、約2時間にわたり証言を行った。証言の場には、裁判官および他の被疑者の弁護士たちが同席しており、その中にはホルヘ・グラスの弁護士であるダマリス・カセレス(Dámaris Cáceres)やホセ・セラノの弁護士カルロス・マノサルバス(Carlos Manosalvas)も含まれていた。
証言は非公開であったが、カセレスは建物の外で待ち構えていた記者たちに対し、サルセドがある政治運動について語ったものの、同組織を殺人の直接的な実行者は名指ししなかったと明かした。記者がサルセドの言及した政治組織がどこかを問いただすと、カセレスは「RCなるものが革命市民運動(Revolución Ciudadana)であることは皆よくわかっていることだ」と答えた。さらにカセレスは、逃亡中に殺害された麻薬密売人レアンドロ・ノレロ(Leandro Norero)の資金提供者とされるハビエル・ジョルダンを、フェルナンド・ビジャビセンシオ殺害のための支払いに関与した者の一人として挙げ、「2万ドル、3万ドル、20万ドルという金額が話題に上がっていた。前金と全額の支払いとして」とサルセドが語ったことを明らかにした。
一方で、ホセ・セラノの弁護士カルロス・マノサルバスは、サルセドが「あいまいに」自分の依頼人であるホセ・セラノの名前を挙げたと述べた。「ペペという人物を(サルセドは)指摘した。そのため彼にそれがセラノであるとどのように分かるのか尋ねたが、その質問はまったく馬鹿げていると(サルセドは)答えた」と説明した。
カセレスおよびマノサルバスが予備証言の詳細を報道機関に漏洩した後、検察庁はX(旧Twitter)の公式アカウントにて、予備証言は機密であると改めて強調し、そのような機密情報を公開する者に対して法的措置を取る意向であると警告した。予備証言は、通常証言が行われる裁判段階ではなく、生命の危険がある者に対し、事前調査段階において行われるものである。それにもかかわらず両弁護士はペラペラと報道陣に証言の内容を語ったことによる。
2025年7月9日、予備証言を行ってから9日後に、サルセドは再び刑務所を出た。今回の外出は、ビジャビセンシオ殺害事件とは無関係な手続きのため、キトの検察庁を訪れる目的であった。しかし、庁舎の入口で報道陣に取り囲まれ、彼は「知っていることをすべて話すつもりである。当初は話すつもりはなかった。いや、そもそも証言するつもりなどなかった。しかし、殺されかけたので、諸君は覚悟しておいた方が良い」と述べた。さらに、彼は襲撃の際に兄ノエが負った傷の写真も公開した。
その日、サルセドは自身に何か起こった場合の責任を、ホセ・セラノおよびハビエル・ホルダンにあると主張した。彼は「彼らは、私がある事柄を暴露することを恐れている。彼らは4号刑務所(Cárcel 4)の囚人と話している」からだとサルセドは続けた。またその場で彼は報道陣に対して一枚の写真を提示した。それはスクリーンショットであり、彼とグアヤキル市長アキレス・アルバレス(Aquiles Álvarez)がビデオ通話をしている様子が映っているように見えた。アルバレスは、燃料の不正取引が疑われる「トリプルA事件」に関連して調査を受けている人物である。背景には、画面全体のほとんどを占める形でアルバレスが笑顔で映っており、サルセドは画面の隅に小さく表示されていた。
アルバレスの弁護士、ラミロ・ガルシア(Ramiro García)は、このようなビデオ通話は一度も行われておらず、その画像は偽造、つまり合成だと述べた。アルバレス本人も自身のX(旧Twitter)アカウントに投稿した動画で「私がスタジアムでサッカーの試合を観戦している間に、なぜか私とビデオ通話をしていたことになっている写真が出回っている」と語った。アルバレスは、サルセドやその他の法的手続きに関係する人物との会話を一切行っていないとを強く否定した。
捜査の根拠とされている証拠は、ひとつの供述から
2025年5月15日、検察庁がビジャビセンシオ殺害事件の「容疑者」として5名を特定した文書を公表した後、副大統領経験者ホルヘ・グラスの別の弁護士であるソニア・ベラ()は、検察がグラスおよび他の「政治指導者ら」に対して捜査を行う予定であると述べた。そしてその根拠として、弁護士レニン・ヴィモス(Lenin Vimos)による自由かつ自発的な供述が用いられると指摘した。ベラはこれを「新たな捏造の構築である」と非難した。
このメッセージには、プラガ事件で組織犯罪により有罪判決を受け、さらに資金洗浄でも別の判決を持つレニン・ヴィモスの証言が添えられていた。検察は、ヴィモスが危険な犯罪者を釈放するために判決を買収し、エクアドルの金融監督機関である租税局(Servicio de Rentas Internas:SRI)や経済金融分析ユニット(Unidad de Análisis Financiero y Económico:UAFE)の監視をかいくぐるために必要な手続きを操作していたことを確認している。
Otro montaje más en construcción: el nuevo falso positivo contra Jorge Glas y otros líderes políticos
— Sonia Gabriela Vera García (@sonicorver) May 15, 2025
La fiscal Diana Salazar montó un falso positivo para usar su venganza personal contra el correísmo a través del crimen de Fernando, y él merece mucho más que eso”, denunció… pic.twitter.com/I82538jhes
さらに、「プラガ事件」に関するチャットによれば、レニン・ヴィモスは「ロス・ロボス」のリーダー ファブリシオ・コロン・ピコ(Fabricio Colón Pico)および同組織内の他の幹部らと密接な関係を有していた。2022年12月には、同じくプラガ事件に関与する弁護士クリスティアン・ロメロ(Cristian Romero)とともに、裁判官シモン・テジョ(Simón Tello)と取引を行い、7万ドルの見返りとしてダニエル・サルセドの不正な釈放を約束した。サルセドはその月に釈放された。
2024年4月4日、ビジャビセンシオ事件に関してヴィモスが行った自由かつ自発的な供述の中で、彼は収監後にロス・ロボスの指導者の一人カルロス・アングロ(Carlos Angulo)、通称「インビジブル(Invisible)」と会話を交わしたと証言している。フェルナンド・ビジャビセンシオは2023年8月9日にキト北部で銃撃され、死亡した。1か月後、警察はコロンビア国籍の6名を逮捕し、彼らが殺害の実行犯であると断定した。同年10月、これら6名はリトラル刑務所およびキトの刑務所内で、絞殺された状態で発見された。その後、検察は事件に関連する他の7名を逮捕したが、そのうち1名は死亡、1名は起訴猶予となり、5名が引き続き起訴されている。この5名の中の一人がカルロス・アングロ(Carlos Angulo)である。
カルロス・アングロはヴィモスに対し、サルセドとハビエル・ホルダンとの関係を確認し、ホルダンは当時の大統領候補殺害の資金提供者の一人である可能性があると示唆したという。「あの二人は多くの事業を共同で展開している」とカルロス・アングロは語ったとされている。また、供述によれば、サルセドは「政治家とロス・ロボスをつなぐ仲介者」であったとされている。その政治家とは、ホルヘ・グラス、ロニ・アレアガ、ホセ・セラノの3名である。ヴィモスは自身の供述において、ビジャビセンシオ殺害事件への関与の可能性について説明を行っている。
ヴィモスによれば、2024年1月4日、彼はホルヘ・チョニジョ(Jorge Chonillo)、通称「ネグロ・ヨルキス(Negro Yorkis)」から電話を受けた。ネグロ・ヨルキスは、コロン・ピコ(Colón Pico)の親密な協力者であり、当時の検事総長ディアナ・サラサル(Diana Salazar)に対する攻撃を計画したとして起訴された人物である。その通話の中で、ネグロ・ヨルキスはヴィモスに対し、自身がビジャビセンシオ殺害事件との関連を疑われることを懸念していると伝えた。また、2023年12月に始まった「メタスタシス事件」の審理中に、サラサル検事が自身に対する攻撃を企てた人物らが、大統領候補に対する暗殺事件にも関与していると述べたことを明かしたという。ヴィモスによれば、彼は通話中に「この件との関係があるのか」と尋ねたところ、通称ネグロ・ヨルキスは2023年7月、すなわちビジャビセンシオ殺害事件の約1か月前に、コロンビアのカリにて「ロス・ロボス」の構成員、通称ピポ(Pipo)および通称メノル(Menor)と会合を持った、と答えた。Silentというビデオ通話アプリを使って行われた会合には「ロニ」と名乗る男、つまりロニ・アレアガも参加していたという。このミーティングに際して通称ネグロ・ヨルキスは、アレアガが殺害計画の「調整担当」であり、さらに、ビジャビセンシオ暗殺および別の攻撃の実行に向けて、100万ドルの資金が準備されていると説明されたと述べている。また、支払いはエクアドル国内で行われ、「国外の人間」が担当することになっていたとネグロ・ヨルキスは語ったという。同じ会話の中で、ネグロ・ヨルキスは、ホルヘ・グラスはこの計画を把握しており、「ホセ・セラノに対して命令を下したのは彼だ。セラノは国内で最も重要な麻薬密売人である」と述べたとされている。
2025年6月25日、ダニエル・サルセドが自身に対するあらゆる攻撃の責任をホセ・セラノに負わせる先行証言を行う数日前、ホセ・セラノは自身のX(旧Twitter)アカウントに書簡を公開した。その中で「フェルナンド・ビジャビセンシオの殺害およびリオバンバ刑務所におけるダニエル・サルセドへの襲撃の真の責任者は、犯罪によって浸透された国家の一部門である」と述べている。
COMUNICADO A LA CIUDADANÍA
— José Serrano Salgado (@ppsesa) June 25, 2025
Frente al burdo montaje que busca incriminarme con el asesinato de Fernando Villavicencio y el atentado contra Salcedo, hago pública esta declaración.
No permitiré que se use mi nombre para encubrir a los verdaderos responsables.#Villavicencio… pic.twitter.com/shxnyJZkwO
アマンダ・ビジャビセンシオ(Amanda Villavicencio)は、父フェルナンド・ビジャビセンシオ殺害事件に関して、レニン・ヴィモスが自由意思で証言したことを認めた。また、その証言は弁護士ソニア・ヴェラ(Sonia Vera)によって拡散されたものであると語った。
サルセドとビジャビセンシオとの関係はどのようなものだったのか?
匿名を希望した情報提供者はGKに対し、ダニエル・サルセドとフェルナンド・ビジャビセンシオの関係を理解するには、2020年のパンデミック期に立ち返る必要があると語った。
サルセドの名前が公に知られるようになったのは、2020年6月のことである。ペルーのトゥンベスというエクアドル国境に近い都市で小型機が墜落し、乗っていた4人のうちの1人がダニエル・サルセドであった。彼は30代前半で、褐色の肌、黒髪、筋肉質の体格を持つ男性である。それまで、サルセドは国内ではほとんど知られていない人物であった。
墜落事故により、検察庁はサルセドを、COVID-19の影響を最も受けた都市グアヤキルの公立病院における腐敗行為で捜査していたことが判明した。情報筋によると、サルセドは病院システムに浸透するため、ハビエル・ホルダンやレオナルド・コルタサル(Leonardo Cortázar)といった協力者と共に活動していた。なお、コルタサルは後にエンクエントロ事件で起訴された人物である。両者のパートナーも捜査を受け、その後まもなく国外に逃亡した。ホルダンは現在も逃亡中であり、コルタサルは2025年3月20日にパナマで逮捕された。2021年、フェルナンド・ビジャビセンシオは国民議会議員に選出され、そこで監査委員会(Comisión de Fiscalización)の議長を務めていた。当時も彼はメディアで注目される人物であり、国家の腐敗スキャンダルを指摘することで知られていた。
2022年、フェルナンド・ビジャビセンシオは、アメリカ・マイアミにあるハビエル・ホルダンの自宅のプールで撮影されたとされる写真を公開した。その写真には、レオナルド・コルタサルと、当時革命市民運動の国会議員であったロンニ・アレアガが写っていた。ビジャビセンシオは、この写真がアレアガと、公立医療制度における汚職ネットワークとの関係を示す証拠であると主張した。写真は、出席者らが国会でビジャビセンシオを攻撃するための政治的工作を計画していた場面を捉えたものとされている。
この写真の公開を受け、アレアガは市民革命運動の倫理委員会によって調査対象となった。数か月後、彼は米国のビザを取り消された。これは通常、汚職や組織犯罪との関係が疑われる人物に対して発動される措置である。ビザの取り消し後、アレアガは自身のX(旧Twitter)アカウントで「正義と真実が輝くのは時間の問題だ」と投稿した。
ビジャビセンシオ殺害事件から4か月後の2023年12月、「メタスタシス(Metástasis)」事件が発覚した。この事件は、司法制度、政治家、麻薬密売組織との間に存在する癒着を暴露するものであった。この事件では麻薬密売人レアンドロ・ノレロとの関係から、ダニエル・サルセド、ハビエル・ホルダンらもまた関与しているとされた。ノレロは、フェルナンド・ビジャビセンシオが数年前からその犯罪活動を告発していた人物である。検察が公開したチャットには、レアンドロ・ノレロとハビエル・ホルダンのやり取りが含まれていた。通信は2022年5月、すなわちビジャビセンシオ殺害の1年前から始まっていた。
チャットの中で、ホルダンはノレロに対し、ソーシャルメディア上で攻撃を受けていると不満を漏らしていた。あるやり取りでは、ホルダンが「Ññ(ニャーニョ)、お前に頼んだことなんて一度もないけど、このビジャ(villa)の件を解決してくれないか」と書き込み、これに対してノレロは「怖がるなよ(Vamos, quién dijo miedo)」と応じていた。「ビジャ(villa)」は、政治家フェルナンド・ビジャビセンシオを指す愛称である。
サルセドとノレロおよびホルダンとの間に直接的なチャット記録は存在しないものの、病院汚職ネットワークによって、彼らの間に関係があったことが明らかとなった。アマンダ・ビジャビセンシオは、ダニエル・サルセドがハビエル・ホルダン率いる犯罪組織の一員であり、彼女の父フェルナンド・ビジャビセンシオによる公の告発が、その組織の構成員たちにとって不都合であったと主張している。「思い出してほしいのは、かつてダニエル・サルセドがフェルナンド・ビジャビセンシオに対して脅迫的な口調でコメントしたことがあるという点である」とアマンダは述べている。2022年6月、ダニエル・サルセドは、フェルナンド・ビジャビセンシオが議長を務めていた国民議会の監査委員会に出頭を命じられた。その際、サルセドは「あなたは私を犯罪者と呼んだ。それは構わない。私は不当に有罪判決を受けている。しかし、時がすべてを語るだろう、フェルナンド。今日我々はここにいるが、明日はどうなるかわからない」と発言している。
アマンダ・ビジャビセンシオが重要視するもう一つの要素は、父の殺害後に流布された犯罪組織ロス・ロボスに関連する動画である。最初の映像は、同組織のメンバーによって撮影されたとされ、自らが犯行を認める内容であった。しかし、アマンダ・ビジャビセンシオはこの映像について「改ざんされたものだ」と主張している。その後、二つ目の映像が出回った。今回は白い服を着た男たちが「ロス・ロボス」を名乗り、殺害への関与を否定していた。アマンダ・ビジャビセンシオによれば、この二つ目の映像は、メタスタシス事件で起訴されているマイラ・サラサル(Mayra Salazar)に、ダニエル・サルセドの携帯電話から送信されたものであるという。
匿名を希望した情報提供者によれば、マイラ・サラサルは、ダニエル・サルセドから動画の拡散を命じられたことを認めたという。「その動画は、ダニエル・サルセドが運営するトロールセンターから投稿されたものである」とも述べられたという。メタスタシス事件におけるチャット記録では、マイラ・サラサルが皮肉を込めてサルセドに対し、「あら、今度は私たちもロス・ロボスなのね」と返答している様子が確認されていると、アマンダ・ビジャビセンシオは語っている。匿名情報提供者は最後に、「フェルナンドの殺害は陰謀であり、その背後には政治的および経済的な利害関係が存在している」と結論づけたという。
事件の予備調査
フェルナンド・ビジャビセンシオ殺害事件で起訴された5人は、2024年7月に実行犯として有罪判決を受けた。この判決により、第一の事件は終結した。
しかし、2023年10月には第二の捜査が開始され、現在も予備調査の段階にある。この捜査の目的は、事件の背後にいる黒幕(知的犯)を特定することにある。ホルヘ・グラス、ホセ・セラノ、ハビエル・ホルダン、ロニ・アレアガ、およびダニエル・サルセドの5人は捜査対象とされているが、現時点で誰も正式にはこの件に関与しているとは認定されていない。なお、サルセドのみが先行証言に応じている。
関係者の一人である非公開の情報筋は、2023年10月に捜査が始まってから時間が経った今になって、サルセドが事件について語る決断をしたことに対し、懐疑的な姿勢を示している。「話すべきだったのは、メタスタシス事件が明るみに出た時であって、今ではない」と語り、「サルセドのような大物犯罪者を信用するのは極めて難しい。この一連の筋書きは非常に不自然である。彼に対する暗殺未遂も、誰かによって仕組まれたものだ」と付け加えた。
しかしながら、アマンダ・ビジャビセンシオは、ダニエル・サルセドの証言が重要な鍵となる可能性があると述べている。「この人物はこの組織の一員であり、だからこそ、各人物がどの立場にいたのかを明確にすることが不可欠である。彼が行うのは、関係性やつながりを暴露することであり、この政党まがいの集団の手口を明らかにすることなのだ」と語り、政治関係者と犯罪組織との結びつきに言及した。
アマンダ・ビジャビセンシオによれば、ダニエル・サルセドはリオバンバ刑務所での襲撃事件において、弟ノエが刺されたことにより「裏切られた」と感じ、証言を決意したとされる。「私がばかげていると思うのは、エクアドルにおいて突然、この卑劣な人物に英雄のような立場を与えようとする動きがあることだ。彼はただ自分の身を守ろうとしているだけである」と彼女は指摘した。
知的責任者(黒幕)を特定するための捜査は現在も継続中である。サルセドの予備証言は司法上の機密として扱われているが、アマンダ・ビジャビセンシオは、ホルヘ・グラスおよびホセ・セラノの弁護士らが、サルセドの証言内容について発言したことに言及している。彼女はこれを偶然とは考えておらず、「彼らの狙いは、司法上の機密情報を漏洩することで、捜査手続きの無効化を図ることにある」と述べている。
#COMUNICADO | #FiscalíaEc informa a la opinión pública que el testimonio anticipado rendido por Daniel S. se encuentra amparado por la reserva de Ley.
— Fiscalía Ecuador (@FiscaliaEcuador) June 28, 2025
Más información ⬇️ pic.twitter.com/59jU89ZLU1
検察は証言内容を漏洩した者に対して法的措置を取る可能性があると述べたことに対しアマンダ・ビジャビセンシオは「我々は調査を混乱させようとする者たちに対し、法の厳正な処置が下されることを強く求めている」と締めくくった。メディアGKはサルセドの弁護士であるレナト・モンテロに連絡を取ったが、7月14日(月)までに返答はなかった。
#DanielSalcedo #JorgeGlas #LosRobos #FernandoVillavicencio
参考資料:
1. Los vínculos de Daniel Salcedo con el crimen de Fernando Villavicencio
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