先住民指導者のレオニダス・イサ(Leonidas Iza)は、エクアドル先住民族連盟の元代表のウンベルト・チョランゴ(Humberto Cholango)が、ボリビア・サンタクルスのビルビル国際空港において拘束されたことを、SNS上で告発した。事案が発生したのは、2025年8月1日金曜日の午前6時ごろとされている。
⭕ #ATENCION | Expresamos nuestro enérgico rechazo ante la retención del compañero Humberto Cholango, ex presidente de la CONAIE, ocurrida la mañana de este 1 de agosto en el Aeropuerto Internacional Viru Viru, en Bolivia. Fue impedido de ingresar al país y permanece retenido en… pic.twitter.com/0O8PkcPH61
— CONAIE (@CONAIE_Ecuador) August 1, 2025
チョランゴは、2003年から2009年までエクアドル山岳地域先住民族連合(ECUARUNARI)の代表を務め、レニン・モレノ(Lenín Moreno)政権下では水資源庁の長官を歴任した。エクアドル先住民族連盟(Confederación de Nacionalidades Indígenas del Ecuador:CONAIE)の代表を務めた人物は現在、ボリビアへの入国を拒否され、移民管理部門で拘束された状態にある。
CONAIEによれば、ウンベルト・チョランゴは、「何の理由説明も受けないまま、移民管理区域において拘束されている」。この対応は「自由な移動の権利、身体の保全、政治参加、無罪推定といった彼の基本的権利を明白に侵害するものである」。また、CONAIEはさらに、「このような権利侵害の責任はルイス・アルセ(Luis Arce)大統領率いるボリビア政府にある」と主張し、「これは、先住民族国家間の連帯や、先住民族の権利擁護という原則に反する行為である」と断じた。同連盟はまた、「ボリビア国家は、同志チョランゴを直ちに解放し、空港からの出発を保証するとともに、彼の諸権利を完全に尊重すべきである」と強く要求した。そして、「彼の身体的安全と、先住民指導者としての尊厳を守ることが不可欠である」と付け加えた。CONAIEによれば、「今回の対応は、国際人権法のみならず、市民的及び政治的権利に関する国際規約にも違反している」。同規約第9条は恣意的拘束を禁じ、第12条は自由な移動と国外移動の権利を保障している。
チョランゴのボリビア訪問はボリビア元大統領エボ・モラレス(Evo Morales)が主導するイニシアティブ「ルナスル(Runasur)」の会合に出席するためであり、最終目的地はコチャバンバ県トロピコ地域にあるイビルガルサマだった。この地域は、元大統領エボ・モラレスの政治的拠点であり、現在モラレスは、人身取引(加重)に関する訴訟で逮捕状が出されているため、同地に身を潜めている。2025年8月2日から4日まで予定されていたルナスルの会合はには、南米の左派系社会運動や政治勢力を集めたルナスルの各代表団が参加する予定であり、ボリビア独立200周年の記念行事の一環として実施される。
注目される参加者の中には、ペルーのアンタウロ・ウマラ(Antauro Humala)の名もある。彼は、元ペルー大統領オジャンタ・ウマラ(Ollanta Humala、2011~2016)の実弟であり、2026年大統領選挙への出馬を目指している。アンタウロは、「アンダウワイラソ(Andahuaylazo)」と呼ばれる2005年の軍事蜂起事件により、当時の大統領アレハンドロ・トレド(Alejandro Toledo)政権に反旗を翻し、警察官4名が死亡した事件で有罪判決を受け、17年以上服役した後、2022年に釈放された。
ボリビアの元大統領であるエボ・モラレス(Evo Morales)も、Xを通じて「サンタクルス空港において、兄弟ウンベルト・チョランゴ――先住民指導者であり元CONAIE会長――が不法に拘束されたことを、国内外の世論に対して強く訴える」と発信した。モラレスはさらに、「兄弟ウンベルトは、国際会議に参加するための招待を受けてボリビアに到着した。しかし、ルイス・アルセ・カタコラの命令によって拘束された。これはまさに軍事独裁時代のような行為であり、兄弟国の指導者たちに対する弾圧の拡大である。我々は彼の解放と即時の入国許可を要求する」と厳しく非難した。
イサは、「これは、6,000年以上にわたる共通の記憶と起源、そして500年以上続く支配と植民の痛ましい歴史を共有する“兄弟”の国で起こるべきことではない」と深い遺憾の意を示した。また、ボリビア当局からは詳細な情報は提供されていないが、近くエクアドルへの強制送還が行われるものと見られると述べた。さらにイサは「我々は、拘束された同志ウンベルトが置かれている状況の早急な解明を求める。また、彼が先住民の兄弟であり、共同体の指導者であることを踏まえ、ふさわしい対応が取られるべきである。そうでなければ、我々を結ぶ兄弟民族としての絆が損なわれるおそれがある。我々はボリビア政府に対し、同志の身体的安全に対する責任を問うとともに、即時解放を強く要求する」と訴えた。「我々の国々の政府によるこのような態度が恩恵を与えるのは、植民地主義的支配の帝国主義と、我々を周縁化し抑圧し続けている現行の体制のみである」と、イサはFacebook上でつづけた。
参考資料
1. Impiden ingreso de Humberto Cholango, expresidente de la Conaie, en aeropuerto de Bolivia
2. El dirigente indígena Humberto Cholango fue detenido en Bolivia; Leonidas Iza dice que será deportado a Ecuador
3. Movimiento indígena de Ecuador denuncia «retención» en Bolivia de su expresidente Cholango
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