コロンビア:チキータ元関係者7名に対し犯罪組織への資金提供で実刑判決を下す

(Photo: AFP – PAUL J. RICHARDS

 

コロンビアのアンティオキア県裁判所は、チキータ・ブランド(Chiquita Brands International)の元関係者7名に対し、1990年代から2000年代にかけて民兵組織に資金提供した罪で懲役11年の実刑判決を下した。また、各被告に約138億ペソの罰金支払いも命じられている。すでに逮捕命令も発令されている。

有罪判決を受けたのは以下人物たち:

  • レイナルド・エリアス・エスコバル・デ・ラ・ホス(Reinaldo Elías Escobar de La Hoz):元チキータ・ブランド・コロンビア法務顧問

  • ジョン・ポール・オリボ(John Paul Olivo):北米チキータ・ブランド元コントローラー

  • アルバロ・アセベド・ゴンザレス(Álvaro Acevedo González):元バナルデックス社長

  • チャールズ・デニス・カイザー(Charles Dennis Keiser):1987~2000年チキータ・ブランド・コロンビア担当責任者

  • ホセ・ルイス・バルベルデ・ラミレス(José Luis Valverde Ramírez):コスタリカ出身、2000~2002年バンダックス代表

  • ビクトル・フリオ・ブイトラゴ・サンドバル(Víctor Julio Buitrago Sandoval):1999~2004年バナデックス治安責任者

  • フアド・アルベルト・ジャコマン・ハスブン(Fuad Alberto Giacoman Hasbún):ホンジュラス出身、2002~2004年チキータ・ブランド・コロンビア元コントローラー

 

 

なお、バナコール元社長ハビエル・オチョア・ベラスケス(Javier Ochoa Velásquez)と、1993年から2008年までバナコールの元財務副社長ホルヘ・アルベルト・カダビッド・マリン(Jorge Alberto Cadavid Marín)と)とビクトル・マヌエル・ヘルニケス(Víctor Manuel Henríquez)は無罪となっている。

アンティオキア県裁判所が170ページにわたる判決文で示したのは、チキータ・ブランドの7名の経営幹部が、1990年代から2000年代にかけて、コロンビア連合自衛隊(Autodefensas Unidas de Colombia:AUC)に資金を提供した犯罪連鎖の責任者であるという事実である。これらの企業家は、この違法な関係を認識しており、武装組織は長年にわたりその資金提供を活用していた。

また、判決を下した裁判官ディアナ・ルシア・モンサルベ(Diana Lucía Monsalve)は、人権団体や元パラミリタリー指導者らが訴えてきた通り、かつて合法的であった組織コンビビール(Convivir)が、AUCの一部派閥によってチキータ・ブランドの資金支払いの合法化に利用されていたことを確認した。検察は2001年から2004年にかけて、コンビビールへの支払いが18回、総額14億ペソを超えて行われたことを証明している。

元パラミリタリー指導者サルバトーレ・マンクーソ(Salvatore Mancuso)は、輸出箱ごとに「3セントの支払い」があったと説明している。さらに、アメリカ司法省は2007年に、チキータ・ブランドがこの外国のテロ組織に巨額の資金提供をしていたことを確認している。最近のフロリダ州裁判所の決定では、これらの資金提供とウラバ及びマグダレナ・メディオ地域での犯罪との関連が明確に示された。

元パラミリタリー指導者の一人、サルバトーレ・マンクーソ(Salvatore Mancuso)は、司法改革プログラム「Justicia y Paz」の過程でこれらの犯罪連携の詳細を証言し、支払額は「輸出されたバナナ1箱あたり3セント」と明かした。この証言に基づき、裁判官ディアナ・ルシア・モンサルベ(Diana Lucía Monsalve)は、同じく元パラミリタリー指導者で、コロンビア連合自衛隊バナナ地区司令官であったヘバート・ベローサ(Hebert Veloza)、通称「HH」の供述も聴取した。

「ウラバ地域に自衛隊が展開した当初、カルロス・カスターニョ(Carlos Castaño)がバナナ業界との関係を直接管理していた。1995年末か1996年初頭にラウル・ハスブン(Raúl Hasbún)がカスターニョ兄弟に対し、バナナ産業からの支援金徴収のシステム導入を提案した。これにより、資金を集めるための組織コンビビールが設立され、バナナ企業が資金を合法的に処理できるようになった」と「HH」は述べている。

判決文によれば、企業側や多国籍企業がこうした支払いが実際には犯罪組織の懐に入っていることを知らなかったとはほぼ考えられないとされている。裁判官は検察側の主張を重視し、米オハイオ州シンシナティにあるチキータ・ブランドの本社がサンタマルタのAUCへの支払いを承認し、これらの資金は「マネージャーファンド(Manager funds)」を通じて、その地域のレティーロ農園の輸出量に応じて支払われていたことを認めた。

#バナナ #チキータ 

 

参考資料:

1. Condenan a siete bananeros de Chiquita Brands por haber financiado a paramilitares

 

 

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