エクアドル:ノボア政権、パチャクティック当選議員との合意を発表

(Foto:Cortesía)

新国民議会(Asamblea Nacional)の初会合を1週間後に控えた2025年5月6日(火)、政府大臣ホセ・デ・ラ・ガスカ(José De La Gasca)は、パチャクティック(Pachakutik)から当選した9人の議員がダニエル・ノボア(Daniel Noboa)政権と合意に至ったことを発表した。アマゾン地域選出の少なくとも5名のパチャクティック所属次期議員が、次期国民議会において与党国民民主行動(Acción Democrática Nacional:ADN)との合意に加わっている模様で、2025年5月8日、キトで開催された全国県政府評議会(Consorcio de Gobiernos Autónomos Provinciales del Ecuador:Congope)のイベントに出席したパスタサ県選出のホセ・ルイス・ナンゴ(José Luis Nango)議員は、パチャクティックとダニエル・ノボア政権との合意が実在することを改めて認めている。これは、パチャクティックの党内調整機関が7日に発表した「合意は存在しない」とする公式声明を否定するものであり、党内の亀裂がさらに浮き彫りになった。

ナンゴは、合意を否定する声明が出された会議には自身が参加していなかったことを認めたが、それにもかかわらず、自身の立場は少なくとも他の5名の議員にも共有されていると語った。ナンゴによれば、2023年の大統領選挙第二回投票において、エクアドル先住民族連盟(Confederación de Nacionalidades Indígenas del Ecuador:Conaie)のアマゾン支部はダニエル・ノボア支持を決定しており、その支援は今も「確固たる姿勢で維持されている」と強調した。「我々はその立場を堅持している。我がパスタサ県は76%以上の得票率でノボアを支持した。アマゾン地域では圧勝した。我々ナポ県、モロナ・サンティアゴ県、パスタサ県の選出議員は、国の利益のために政府支持を約束している」と述べた。ナンゴによれば、この合意に加わっているのは少なくとも5〜6名にのぼり、彼らは2025年5月14日に開かれる新国民議会初会合においてADN議会グループと連携する見込みである。一方、同党の指導部は、昨年の決選投票においてノボアの対立候補でコレア派のルイサ・ゴンサレス(Luisa González)を支持していた。

デ・ラ・ガスカ大臣は「今日、パチャクティックの当選議員9名がこの大きな合意に加わった。祖国への愛を最優先にすれば、力を合わせてすべての人の進歩のために共に働くことが可能であると、政府と共に再確認した」とInstagramを通じ述べ、また、「こうした同盟こそが国を築く」と述べ、「新しい国民議会において、それは反映されるだろう。『新しいエクアドル』への道は、意志の統一と公益への献身によって強化される」と付け加えた。この投稿には、パチャクティックの当選議員9名のうち7名と共に写る写真が添えられていた。その中には、カルメン・ティウプル(Carmen Tiupul)、セシリア・バルタサール(Cecilia Baltazar)、そして議員団のコーディネーターに指名されたアレックス・トアパンタ(Alex Toapanta)の姿があった。

 

議会内多数派形成を目指すノボア政権

与党国民民主行動は、5月14日に予定されている国民議会の初本会議にて、議会議長および副議長を選出するために絶対多数(77議席)を確保することを目指している。パチャクティックの9議席は、既に確保している与党系の66議席に加わる形となる。ただし、この合意の具体的な条件や、先住民族運動の政治的組織であるパチャクティックが議会内でどのような役職を担うかについては明らかにされていない。ADNはさらに、保守派の「社会キリスト教党(PSC)」の4議席の支持を見込んでおり、これにより必要な77議席を超えることができる見通しである。

 

レオニダス・イサの反応

パチャクティックを政治部門とするエクアドル先住民族連盟の会長であるレオニダス・イサ(Leonidas Iza)は、同日夜に声明を発表し、合意を強く非難した。「今日は、心を痛めながらも揺るがぬ精神で国民に訴える」と述べた上で、「パチャクティックの一部議員が国会においてダニエル・ノボア政権と手を結んだことは、単なる政治的誤りではなく、我々の運動の原則に対する裏切りである」と糾弾した。さらに、「これは単なる立法上の合意ではなく、権力の見返りに先住民族の尊厳が売り渡されたことを意味する」と厳しく批判した。

レオニダス・イサは、政府との合意に参加したパチャクティックの議員たちの対応について「強調しておきたい。これらの議員が現政権を支持するという決定は、我々の草の根の意志を代表するものではなく、先住民族運動を支えてきた闘争と尊厳の使命にも応えるものではない」と断言した。さらに「我々は、領土から、そしてこれまで街頭で繰り広げてきた闘争の中から、原則と尊厳を持った左派を擁護する。役職や安逸さのためにそれを売り渡すことはない」と続けた。

この発言は、パチャクティックの一部議員が政府と手を結んだことに対する、CONAIEの草の根支持層の怒りを代弁したものである。なお、パチャクティックの全国コーディネーターであるギジェルモ・チュルチュンビ(Guillermo Churuchumbi)は、この動揺について即座には反応を示していない。

 

パチャクティックは、直近の選挙で50万票以上を獲得し、第3勢力となった。同党の大統領候補であったレオニダス・イサは、先住民族の左派エコロジスト指導者である。決選投票において、イサはノボアを公然と拒否し、パチャクティックの指導部はルイサ・ゴンサレスと協定を結び、同党の要求の一部を彼女の政権公約に取り入れさせていた。しかし、先住民族運動内部では大きな分裂が起こり、一部はノボア支持を表明した。投票結果からは、イサが第1回投票で得た多くの票が、第2回ではノボアに流れたことがうかがえる。

#Pachakutik #DanielNoboa #LeonidasIza

 

参考資料:

1. Gobierno anuncia acuerdo con asambleístas electos de Pachakutik; Leonidas Iza acusa traición
2. Grietas en Pachakutik tras supuesto acuerdo de legisladores electos con el gobierno de Noboa
3. El Gobierno de Noboa anuncia «alianza» parlamentaria con Pachakutik, que apoyó a González

 

 

 

 

 

 

No Comments

Leave a Comment

CAPTCHA


This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

error: Content is protected !!