映画:「バットマン・アステカ:帝国の衝突」はスペイン語による完全オリジナルストーリー

『バットマン・アステカ:帝国の衝突(Batman Azteca: Choque de Imperios)』は、スペイン語による完全オリジナルストーリーで、闇の騎士(バットマン)を先コロンブス期のメソアメリカ世界に配置し、解釈をくわえるものである。2022年に最初の発表があり、2025年の公開が見込まれている。

Variety誌が入手したあらすじによれば、物語はブルース・ウェインではなくメシカ(mexica)の若者ヨワリ・コアトル(Yohuali Coatl)を中心に展開されている。彼の父(地域の指導者)がスペイン人のコンキスタドール(征服者)によって殺害されたのを機に、復讐と正義を胸に「バットマン」となる決意を固める。ヨワリはテノチティトラン(Tenochtitlán)へと逃げ、皇帝モクテスマ(Moctezuma)および神官ヨカ(Yoka)に迫りくる危機を警告しようとする。

テノチティトランに到着したヨワリは、コウモリの神ツィナカ(Tzinaca)の神殿を隠れ家として使用しながら、師匠アカツィン(Acatzin)のもとで訓練を積む。訓練を終え、必要な武器と道具を手にした彼は、スペイン人の侵略に身を投じる。そしてモクテスマの神殿を守り、父の死の復讐を果たす。

この作品は単なる歴史アニメではなく、「コロニアル批判、文化の誇り、そして正義の再定義」をテーマに据えている。このプロジェクトで最も興味深い要素の一つは、ジョーカーの描写である。彼は多くの人身供犠を行った後に正気を失う司祭として描かれる。この映画は、現代のテクノロジーや産業時代の美学から解放されたバットマン神話を探求する機会を提供するものである。バットモービルやグラップリングフックの代わりに、古代の武器、ゲリラ戦術、メソアメリカの信仰に基づいた霊的な要素を活用する可能性があると言う。

この世界のヴィランたちも大幅に再構築されており、ゴッサムの通常の悪役たちの代わりにスペインのコンキスタドルや神話上の生物が登場する。また、この映画はDCにとって多様な物語と表現を取り入れる機会でもある。物語をアステカ文明の中に設定することによって、主流メディアでしばしば見過ごされる文化にスポットライトを当てつつ、緊迫感あるスーパーヒーローアドベンチャーを届けることができる。

本作は、メキシコのアニメ制作会社アニマ・スタジオ(Ánima Studios)の手によって完全にメキシコ国内で制作される予定である。また、アニメーションチームには、メソアメリカ研究の専門家も加わり、物語および世界観の正確な再現が図られる予定だ。

2024年のアヌシー国際アニメーション映画祭で発表された数少ない公式の最新情報によると映画は依然として2025年の公開に向けて順調に進行している(Nexus Point News経由)。しかしそれ以降、ワーナー・ブラザースはこのプロジェクトについて沈黙を守っており、その現状について多くの疑問が残っている。この状況は、アニメーションも含まれるジェームズ・ガンによるDCユニバースのリブートによってさらに複雑になっている。

スペイン語版はMax Latin Americaでの配信が予定されているが、英語版の配信については正式な発表がない。多くのDCアニメ作品と同様、旧HBO Maxにあたる配信プラットフォーム「Max」での公開が見込まれているが、それも確定ではない。

 

他の映画作品等の情報はこちらから。

参考文献:

1. Warner Bros. Reveals An Exciting Slate of Animated Projects at Annecy Animation Festival
2. I’m Desperate To Know More About The Batman Movie That Could Release In 2025

 

作品情報:

名前:  Batman Azteca: Choque de Imperios
監督:  Juan Jose Meza-Leon
脚本:     Alfredo Mendoza, Juan Jose Meza-Leon
制作国: Mexico
製作会社:Warner Bros. Animation、DC、Anima Studios
ジャンル:Animation、Action

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