エクアドル:同国最大エスメラルダス製油所からの出火で黒煙がのぼる

(Photo:REUTERS)

2025年5月26日月曜日、コロンビアと国境を接する沿岸のエスメラルダス県に位置するエクアドル最大の製油所で火災が発生したと、エネルギー大臣イネス・マンサノ(Inés Manzano)が発表した。「フューエルオイル(石油精製の残渣)を入れたタンクが火災を起こした。すでに制御下にある」と、マンサノは自身のX(旧Twitter)アカウントに投稿した。

火災は貯蔵タンクから発生し、市内の複数箇所から確認できるほどの濃い黒煙の大きな柱を生じさせた。国営石油会社ペトロエクアドル(Petroecuador)による初期の調査によれば、出火原因は依然として特定されていない。一方マンサノは「製油所の職員が対応にあたっている。これに加えて、国家リスク事務局および先住民・民族事務局を通じて、国家緊急事態委員会(COE Nacional)が発動された」と述べている。

AFP通信によれば、兵士および製油所の労働者たちは、安全を確保し、救急車両の通行を可能にするため、中央施設への通路を封鎖した。火災は近隣住民の間に恐怖と混乱を引き起こし、炎と爆発音により住民は強い不安に襲われた。警察および軍を含む治安部隊は現場周辺を封鎖し、環境の安全を確保するとともに、職員および周辺住民の安全な避難を支援している。

タンクの爆発は、エスメラルダス市(同名県の県都)にある製油所のユーティリティエリアで発生した。施設の運営を担うペトロエクアドルは、火災発生時にタンク内にどれだけの燃料があったかについては明らかにしなかった。「轟音がして、みんなが一斉に走り出した」と語ったのは避難した労働者のラミロ・メディナ(Ramiro Medina)であり、緊急対応チームによって落ち着いて対処されたものの、初動時には混乱があったことを示している。エスメラルダス製油所の作業員は予防措置として避難させられているが、ペトロエクアドルおよびエスメラルダス消防署によると、負傷者は3名確認されており、エクアドル社会保険機構(IESS)の病院に搬送されて医療処置を受けている。

 

また、教育省は、エスメラルダス製油所周辺の教育機関に対して緊急対応計画を発動した。このため、生徒および職員は避難させられ、2025年5月26日月曜日に5つの教育機関で授業が停止された。

授業が停止された製油所周辺の学校は以下の通りである:
ルイス・テジョ(Luis Tello)、
15 デ・マルソ(15 de Marzo)、
エディルフォ・ベネット(Edilfo Bennet)、
サン・ダニエル・コンボニ(San Daniel Comboni)、
ファウスト・モリーナ(Fausto Molina)

 

国家による2022年11月の報告によれば、国営エスメラルダス製油所は46年の稼働歴を持ち、1976年に操業を開始した。同所の処理能力は日量11万バレルであり、そのうち50%はクリーンな製品へと変換される。

今回の火災を受け、国家リスク管理事務局(Secretaría Nacional de Gestión de Riesgos)は、「資源の発動を調整し、事象の監視を実施している」と述べている。これとは別に、ペトロエクアドルは火災を制御するための緊急計画を発動した。また、エスメラルダス消防署も人員と資源を動員して火災に対応した。さらに、軍および警察から成る「治安ブロック(Bloque de Seguridad)」が現場に展開され、火災の制御と地域住民の避難支援にあたった。

 

「現在、治安ブロックは作戦および兵站部隊を現場に展開しており、エスメラルダス製油所で発生した火災の制御に協力しているほか、地域住民の避難を進めてその安全を確保している」と、国家警察は自身のX(旧Twitter)アカウントで述べた。

ペトロエクアドルもまた、火災はすでに制御されたことを確認し、原因の調査を行うと発表した。「事象の制御後、インフラの状態を確認するための必要な検査が継続され、原因調査が行われる」と、国営石油会社は声明で述べた。2019年に行われた最後の技術的介入から最近ようやく回復したエスメラルダス製油所は、その生産能力を維持するため継続的な点検が行われてきた。しかし、今回の災害により、その操業は無期限に停止され、調査および修復作業が完了するまで再開されることはない。

エクアドルは石油に依存しており、それが同国の主要な輸出品である。昨年、石油は86億4700万ドルの収益をもたらした。2024年におけるエクアドルの原油生産量は日量約47万5000バレルであり、そのうちの73%を輸出した。

これらの一連の事象によって、エクアドル経済にとって極めて重要なこの部門にとって、新たな試練となる可能性があり、同国が昨年に獲得した86億4,700万ドルという重要な歳入に影響を与えることが懸念されている。

#Petroleum #Petroecuador 

 

参考資料:

1. Ecuador: incendio consume parte de mayor refinería petrolera
2. Un incendio consumió parte de la mayor refinería de petróleo de Ecuador: evacuaron al personal y a cuatro escuelas cercanas
3. Incendio en la Refinería de Esmeraldas está bajo control; COE Nacional activado

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