(Photo:MIGUEL RODRÍGUEZ / EFE)
現在米国に滞在中であるエクアドル大統領ダニエル・ノボア(Daniel Noboa)はエクアドルの次期大統領選挙結果に対して批判的な発言をしたメキシコ大統領クラウディア・シェインバウム(Claudia Sheinbaum)およびベネズエラ大統領ニコラス・マドゥロ(Nicolás Maduro)について言及した。両者はコレイズモ(Correísmo)に近い立場とされる人々である。
ノボアはライバル候補のルイサ・ゴンサレス(Luisa González)に11ポイント差をつけて再選を果たしている。エクアドルの国家選挙評議会(CNE)も公式な選挙結果として発表している数字である。ルイサ・ゴンサレスは、対立候補が「多くの投票所で統計的に不可能なほど得票数を伸ばした」と主張し、「即時かつ独立した調査」を要求して、票の再集計を求めた。根拠のない選挙詐欺の訴えは、日が経つにつれて沈静化する可能性が高い。エクアドル国家選挙評議会は、投票結果は「覆しようのないものである」と断言しており、米州機構(OEA)および欧州連合(UE)の選挙監視団も選挙の盗取という疑惑を否定した。
この判断がある一方、ニコラス・マドゥロもまた「恐ろしい不正があった」と述べ、ノボアを「独裁者」と呼び加勢した。しかしニコラス・マドゥロの発言は皮肉なものとも言える。なぜなら、彼自身が自国の選挙を盗み、直近の選挙戦で票によって勝利したエドムンド・ゴンサレス(Edmundo González)を退けて、自ら政権に居座ったからである。
コロンビアの雑誌『SEMANA』に掲載されたノボアに対するインタビュー記事では、マドゥロによる選挙結果不正の発言についてノボアは、以下のように述べている。
自らの大統領就任は不正が指摘され、公的に選挙結果の証拠すら示さなかった人物の発言に、果たして何の正当性があるのか?(マドゥロは)自らを大統領の地位にとどめるため、独裁的で全体主義的かつ抑圧的な政権を築いた人物である。
そして、次のように続けた。
マドゥロに民主主義が理解できるのか? まずは、自国の選挙結果を透明にするべきだ。あの選挙はベネズエラ国民自身、そして国際社会からも大きく疑問を呈されたものである。
マドゥロによると、エクアドルの選挙結果は地域での政治的覇権を目指すものである。これは世界が深刻な地政学的危機に直面していることに他ならない。また、マドゥロは共和党のドナルド・トランプ(Donald Trump)も強く非難しており、トランプが南半球を力で支配しようとしていると指摘する。
それに対して、ノボア(Daniel Noboa)は、ベネズエラの現状について常に毅然とした立場を保ってきた。数ヶ月前、彼はエドムンド・ゴンサレス(Edmundo González)をラテンアメリカのこの国の選挙での当選者として認め、キト(Quito)のカロンデレット宮殿(Palacio de Carondelet)で会談を行い、両国の関係を強化した。しかし、マドゥロは依然として大統領の座にしがみついており、この状況は両国の関係にリスクをもたらしている。
ノボアの勝利を疑う声は、メキシコの大統領クラウディア・シェインバウムからも表明されている。シェインバウムは当初、市民革命(Revolución Ciudadana)の候補者であるルイサ・ゴンサレス(Luisa González)が選挙結果を認めていなかったため、結果が確定するまでコメントを控える姿勢を示していた。しかし、4月16日には彼の勝利は「疑わしい」とその姿勢を明確にした。さらに
ダニエル・ノボアが大統領である限り、メキシコはエクアドルとの外交関係を回復しない。
と述べている。
コロンビアのペトロ(Gustavo Petro)は、ノボアをエクアドルの大統領として認めることはできないと述べ、4月13日の選挙で起きたとされる不正を支持する立場を示した。ペトロは、自身のX(旧Twitter)アカウントを通じて、「OEA(米州機構)はエクアドルの選挙における不正を指摘している。7つの県で非常事態が宣言され、選挙の進行は軍によって管理され、投票所や票の集計も軍が担当した」と述べている。
グスタボ・ペトロは、エクアドルでの選挙を「占領下状態(estado de sitio)」と表現し、そのため「自由な選挙」について語ることはできないと強調した。そのため「私はエクアドルの選挙を認めることができない」と、ペトロは自身のX(旧Twitter)で投稿した。しかし、コロンビアの外務大臣ロラ・サラビア(Laura Sarabia)は、ノボアを祝福し、自身のXアカウントで「エクアドルの新しい大統領、ダニエル・ノボアを祝福する。エクアドルの兄弟の国は、常にコロンビアと共に、自由で主権ある平和なラテンアメリカのために協力し続ける」と述べている。
コロンビア大統領の立場に対するダニエル・ノボアまたはエクアドル政府からの公式なコメントはまだないが、上述の通りエクアドルの大統領は『SEMANA』誌のインタビューで、グスタボ・ペトロについて「私はペトロ大統領と非常に良好な関係を持っている。彼の政権がコロンビアの人々の利益のために最良であることを期待している」とノボアは述べている。また、ノボアは、エクアドルとコロンビアの現在の関係についても言及し、グスタボ・ペトロ大統領との会談について触れ、以下のように語った。
エクアドルは世界中と関係を持つ国であり、コロンビアもその例外ではない。ペトロ大統領とは、二国間協力を強化するためにいくつかの会談を行い、今回の新たな政府の期間では、商業分野や、もちろん、安全保障分野で協力をより効率的に進めていくことを期待している。
また、コロンビア大統領に向けた具体的な呼びかけを求められたノボアは、「協力、発展、そして私たちの国々の福祉のために、コミットメントを維持しなければならない」と強調している。ノボアは、コロンビアが抱える「社会的および政治的問題」を嘆き、それらがエクアドルにとっても被害をもたらしているとも述べている。また、2023年8月に選挙活動中に暗殺された大統領候補フェルナンド・ビジャビセンシオ(Fernando Villavicencio)についても「残念ながら、エクアドルは隣国コロンビアが抱える社会的および政治的問題の犠牲となってきた。パラミリタリズム、反乱運動、薬物生産、そしてそれに伴う麻薬テロリズムなどの構造的問題が、間違いなくエクアドルにも影響を与えている」と述べた。さらにノボアが付け加えるのは「フェルナンド・ビジャビセンシオの暗殺は、コロンビア人の若者によって行われ、彼を殺害するために雇われたことから、犯罪とエクアドルの政治的マフィアとのつながりがあることを示している。この政府では、そのような犯罪に対して断固として立ち向かっている」ことである。
最近、グスタボ・ペトロは、エクアドル政府によって追及されているエクアドルの反対派に対して「ブラックリスト」が存在すると主張し、政治亡命を求める反対派の人物はコロンビアに入国して保護を受けられると述べた。「エクアドルには反対派の人々を追及しているブラックリストが存在している。コロンビア政府は、そのような人物がコロンビア領に到着すれば、誰でも亡命を認めて保護するつもりである。コロンビアの選挙監視員も逮捕されている」ことを発表した。
ダニエル・ノボアの政府に対する反対派の亡命提案について、ラファエル・コレア(Rafael Correa)元大統領は、コロンビアの大統領に感謝の意を表明した。コレアは、エクアドル軍の圧力によって反対派が政治的に追及されているとされる状況において、コロンビア政府の対応を支持するとともに、「ペトロ大統領、あなたの勇気と連帯にどれほど感謝しているか、言葉では表せない。エクアドルで現在起きていることは、まさに真の独裁政権である」と、ラファエル・コレアと述べている。
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参考資料:
1. Noboa responde a las críticas de Maduro y Sheinbaum: “¿Acaso entiende el señor Maduro lo que es la democracia?”
2. Ecuador denuncia que sicarios mexicanos quieren atentar contra el presidente Daniel Noboa
3. Daniel Noboa se despacha en SEMANA contra Nicolás Maduro: “¿Acaso entiende lo que es la democracia?”
4. Maduro insiste en que hubo un «tremendo fraude» en Ecuador con la reelección de Noboa
5. Daniel Noboa habló de Gustavo Petro tras no reconocer su victoria como presidente de Ecuador: “Hemos tenido varios encuentros”
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